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死神の葬儀屋  作者: 水尺 燐
10章 教皇選挙(後編)
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ボヤき

 モルテとハロルドはエクレシア大聖堂内の見回りをしているが、悪魔の気配は全くない。

「……正直、探す意味あるのか?」

「探すのではなく見回りだ」

「それは分かるが、ここでこれだけ気配がないのはどうかと思うんだが?」

「それはここにいないと言うことだろう」

 悪魔の姿も気配がないことにボヤくハロルドをモルテが真正面から受け止めてボヤきに返す。


 現在モルテとハロルドがいるのはエクレシア大聖堂の聖堂や聖職者等が多く行き交う場所ではなく人気がない場所である。

 何故そこを見回りしているかと言うと、教皇選挙が始まる前に七人の死神(デュアルヘヴン)があらかじめ侵入していた悪魔を全て刈っており、もしも刈り残しているならエクレシア大聖堂にいる人間が殆ど訪れないような場所で息を潜めて機会を伺っているのではないかと思ったからだ。

 仮にも聖職者達の中に紛れていたとしても悪魔なら死神を見つけた瞬間に殺気やら気配を漏らしたりするからそれほど深刻に捉えていない。


 そんなことから見回りを初めてから全く悪魔を見つけられないことに、この見回り自体に意味があるのかとハロルドは疑問に思い始めていた。

 するとモルテが何ともない壁の前で立ち止まった。

「どうしたんだ?」

「なに、気配はしないのだが音が聞こえてな」

「音?」

 耳をすませるが音など聞こえない。と思った時、僅かにだが悪魔の気配を感じた。

「音を消したか。すると物欲か」

「……この奥から感じた」

「そうだな」

 モルテが立つ壁、正確にはその奥から感じたことで二人は神経を尖らせる。

 神経を尖らせたことで確かに悪魔の気配、数にして3体感じた。

 モルテとハロルドは視線を合わせると無言で死神の武器を手にしした。

 そしてすぐにモルテが鎌を一振りさせて壁を破壊。

 その一振りは壁を破壊しただけでなく直線にいた悪魔1体を切り裂いた。

 気配も音も消して後は逃げようとした瞬間にである。

 不意討ちを食らった残りの悪魔は直後に現れたハロルドのハルバートで一気に刈られた。


 一瞬の出来事は終わり再び静寂が訪れた。

「下級か」

「もう少し手強い悪魔を期待したのだがな」

 冗談か本気か分からないモルテの言葉にハロルドはそれはやめてほしいと心の中で呟く。

「それよりもここは何だ?」

 悪魔を刈り取る為に後回しにしていたが、壁の奥に出来た空間に疑問を浮かべる。

「本来ここは上を支える為にあえて厚い壁としているはずなのだが」

「どう見たところで部屋くらいの広さがあるが」

 普通ならないはずの空間に二人はこれはいつからあるかは分からないが悪魔が広げて作ったものと決める。

「これはファビオとオティエノの力が必要だな」

 エクレシア大聖堂は一部が領域で見えない場所があるが予想外のものは多いだろうと検討を立てたモルテはすぐに二人の力が必要と決めて連絡をとる。


 これによりオティエノがエクレシア大聖堂の見回りに参加することとなる。

 それによりモルテ、ハロルド、オティエノが一日一杯を費やして領域不可視以外に出来た空間にいた悪魔を刈り取ることとなった。



  ◆



 ヘルミアでは死神が各々動いては数々の問題が早い段階で発覚していた。

「ここまで手が回っていたとは思わなかったぞ」

「全くだ。まさか死神がサンタリアに入れないなんてな」

 オウガストのボヤきにメサが険しい表情で頷く。

 メサだけではない。鳩の宿に集まれるだけ集まった死神も険しい表情を浮かべている。


 事の発端はサナリアがサンタリアに入れないということである。

 この時は何かの手違いだろうと思っていたのだがそうではなかったのだ。

 翌日にサナリアの再チャレンジを含めて数人の死神がサンタリアへ入ろうとしたのだ。

 しかし正門にいた警備員にありもしない難癖を付けられて入ることが出来なかったのだ。

 サンタリアで既に300に達するであろう行方不明者達の影に隠れて昨日サナリアが言わなければ日が当たることがなかった頭を抱える問題に真剣に向き合おうとはしなかったたろう。

 その確認の為に朝から多くの死神が確認へ向かったのだが全員が惨敗に終わった。

 しかし、ただ惨敗したわけではない。警備員が魅惑チャームにかかっていることを突き止めたのである。


「とにかくこのことを七人の死神(デュアルヘヴン)に知らせる」

 これはヘルミアとサンタリアの問題であるとオウガストは渡りの伝達文箱(メールボックス)に現状をつづった手紙を入れて蓋をした。

 それを見ていたベルモットが口を開いた。

「あれ?すみません、中を確認させてもらうよ」

 オウガストに許可をもらわず慌てて渡りの伝達文箱(メールボックス)の蓋を開けると、先程入れた手紙がそのままであった。

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