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死神の葬儀屋  作者: 水尺 燐
6章 死神と少女
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弟子、集合

 ファズマはアクセルを踏んでスピードが出た車を走らせていた。

 曲がり角の所を曲がると遠心力で無理矢理連れて来られたディオスの体が反対方向に大きく揺れる。

「ファズマ、出しすぎじゃ……」

「急いでるからな」

 ディオスの文句にファズマは短く軽くあしらうと再び曲がり角を曲がった。

「そもそもどこに行こうとしてるの?」

 また遠心力で揺れた体でディオスはファズマに行こうとしている行き先を尋ねた。

「教会だ」

「教会?どうして?」

 行き先が聖ヴィターニリア教会と聞いたディオスは更に尋ねた。

「久々に集まる約束をしていたんだ」

「集まる?誰と?」

「他の死神の弟子達とだ」

 死神の弟子と聞いたディオスは驚いた表情を浮かべたがすぐにあることを思って言った。

「それと俺が連れて行かれているのって意味あるの?」

 弟子達が何の目的で集まるかは分からないがそれよりも自分が連れて行かれていることに意味があるのかと尋ねる。

 そもそも、死神という存在を知っているだけで死神の弟子でない一般人で連れて行かれる理由がないとディオスは思っている。

「ディオスの顔を見たいって奴がいるんだ」

「その為の集まり?」

「それはついでだ」

「ついで?」

 自分を連れて行く理由が何故かと思ったが、それがついでなら本命は何かと問う。

「墓参りだな」

「墓参り?誰の?」

「ネストレとネストレに殺された死神の墓参りだ」

 死神と聞いたディオスは少しだけ驚いた表情を浮かべたがすぐに言いたい言葉が浮かんで言った。

「ファズマ、普通忘れるそれ?」

「忘れねえよな」

 どうして大切な用事を忘れていたのか問うディオスにファズマは項垂れた。

「どうして忘れてたの?」

「あ~……全員の予定があやふやだったんだ。俺らもジーナの件で駆り出されていたからな」

「終わってから時間があったと思うけど……何かに書いてなかったの?」

「命日の翌日で分かりやすいから何もしてねえな」

 忘れた理由がただ忘れていただけと理解したディオスは冷たい視線を向けた。

「だけど、どうして墓参りに?」

「あの事件で死神も大きな傷を負ったんだ。その傷を俺ら弟子も事件を忘れねえように集まって墓参りすることになったんだ」

 6年前の事件は三人の死神が犠牲となった。その出来事を忘れさせず二度と起こさせないように死神達は弟子達が必ず一度は集まる機会として墓参りを考えたのである。

「俺も昔世話になった死神がいるから他人事じゃねえんだよな」

「だけど、忘れてたよね?」

 感傷に浸るファズマにディオスが遠慮のない一言でバッサリと切り捨てた。

 言い訳出来ないファズマは再び項垂れてしまった。


 そんな会話をしていると車はいつの間にか聖ヴィターニリア教会近くへと来ていた。

「全員集まってるな」

「え!?」

 ファズマの一言にディオスが驚いた声を上げた。

 聖ヴィターニリア教会の近くには来たが人影があるかどうかと聞かれると微妙なところである。

「どうしてわかっ……」

「悪いが飛ばすぞ!」

「え……!?」

 理由を聞こうとしたディオスだがファズマがさらに車のスピードを上げた為に聞きそびれた。

 そして、ディオスとファズマを乗せた車はあっという間に聖ヴィターニリア教会の駐車場に停車した。

「着いたぞ」

 車を運転していたファズマは少しだけ放心状態のディオスに一声かけて何事もない様子で車を降りた。

「ファズマ遅ーい!」

 車から降りるとすぐにアンナが文句を叫びながら駆け寄って来た。

「悪ぃな」

「絶対に悪いと思ってない!」

「いやいや、心の底から申し訳なえと思っているぞ」

 会って早々に皮肉を言い合うファズマとアンナ。

 はっきり言って集まる予定を忘れていたファズマが悪いのだが、アンナがそれを突っついている為にどうしても皮肉の言い合いとなってしまっている。

「もうアンナ、理由が何であれファズマがちゃんと来てくれたからいいじゃない」

 このままでは皮肉の言い合いが収まらないと悟ったアリアーナが二人の間に割って入って止めた。

「もうアリアーナは甘いよ」

 見るとアリアーナの後ろに集まった死神の弟子がいることに気がついて口を閉ざした。

 その様子をただ見ていたディオスはゆっくりと車から降りた。

「ディオス君だね」

「はい」

 車から降りるとすぐに誰かがディオスに問いかけた。

 ディオスは問いかけてきた相手を見た。

 そのには自分よりも年上に見える一人の男性と二人の女性がいた。

(この人達が弟子……?)

 ディオスは死神の弟子と聞いてから恐らく葬儀業者で働いている者はいると思っていた。

 思った通り聖ヴィターニリア教会にアリアーナとアンナはいたが、トライアー葬儀店のオスローがいないのが予想外であった。

 この三人を除いてあと誰がいるのか、どれくらいいるのかと考えいたが思ったよりも少なかった。


 ディオスがそんなことを考えていると誰の死神の弟子か分からない男性が手を差しのべてきた。

「初めましてディオス。君に会って見たかった」

 どうやら見たいと言ったのが目の前の人物だとディオスは思った。

21日~30日までお休みします。


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