最強の助っ人
旧住宅街で殺害された若い女性の遺体現場に赴くと、夜中だといのに野次馬で溢れていた。
「通してください!」
その野次馬の中を警察が先に歩いて道を作り、その後をモルテとディオスが追った。
「真夜中なのに人がいっぱい……」
「警察がいるからだろう。それに、外が騒がしくなり何かと思い出て来たのだろう」
事実、野次馬の中を通る時に若い女性が殺されたのだと誰かが何人もが話しているのを聞いている。
「人間とはこの様なことに興味を抱くものだな」
野次馬の多さと噂を口にする様子にモルテは呆れた様子で呟いた。
「モルテ!」
「アドル、遺体は?」
そんな時、アドルフがモルテを呼んだ。
モルテはアドルフに遺体がどこかと尋ねると、アドルフは僅かに体をそらしてモルテに発見時のままの遺体を見せた。
「動かしたり触れたりしていないだろうな?」
「誰も触れてはいない」
モルテは遺体に誰かが触れていたかを尋ねるとアドルフは首を横に振った。
それを確かめたモルテはそのまま若い女性の遺体に近づいた。
「ディオス、明かりを」
「は、はい!」
モルテの指示にディオスは慌ててモルテからもたれた鞄からランプを取り出し火を灯すと急いで近づいた。
「……っ」
近づいて若い女性の遺体の状態が目に入った。
首を切りつけられ、血が周りに溜まり、服も血で赤黒く染まっていた。
「もう少し近づけ」
モルテの指示にディオスは一瞬だけ嫌な顔をしたが指示従った。
「少ししゃがんでくれ」
再びモルテの指示にディオスは血で汚れないようにしゃがんだ。
改めて近くで見ると酷さが伝わる。
それなのにディオスは殺されたばかりの遺体をみてい吐くことはなかった。
モルテは眼鏡をかけると遺体の状態の確認を始めた。
その側で警察は、
「すごいなあいつ」
「あれ見て吐かないんだな」
自分達よりも年下のディオスが遺体を見て吐かなかったことに驚いていた。
「葬儀屋で遺体を扱っていふからじゃないか?」
「ああ、そっか」
ディオスが葬儀屋の従業員で遺体を見慣れているからだろうと結論づける。
「そう言えば、どうして葬儀屋フネーラの店長を呼んだんですか?」
そこ近くでは別の警官が上司であるアドルフにモルテを呼んだ理由を尋ねた。
「モルテは遺体に関することなら何でも出来るからだ」
アドルフの言葉に警官はどの様に返答をすればいいのか困ってしまった。
「六年前を覚えているか?」
「六年前……ですか?」
六年前が何だったのかと警官は考え始めた。
「六年前の大事件で死因の確認をする監察官や医者が足りなくなった時、モルテが補充として入ったんだ。しかも、この街にいる誰よりも早く、詳しく調べ上げた」
「そ、そうなんですか!?」
アドルフの言葉にとんでもない助っ人を呼んだのだと警官は再び驚いた。
(店長、そんなにすごいんだ)
警官が話している内容をディオスは聞いていた。
流石に遺体に慣れている訳ではないと言いたかったが今はそれが言えない。
モルテが黙々と遺体の確認を確認しているからだ。
「傷が深いな」
モルテは遺体に付けられたら首の傷が深いのを見て呟いた。
そしていくつか遺体の一部を確認すると立ち上がった。
「どうだった?」
アドルフの問いにモルテは重い口を開いた。
「見た通りだ」
モルテの言葉にアドルフは険しい表情を浮かべた。
「この遺体の遺族確認は任せるが遺体はどうする?」
「病院に運ぶ。悪いが車を頼めるか?」
「分かった」
アドルフの頼みにモルテはディオスに指示を出して店へと向かわせた。
その間、モルテとアドルフの表情は険しいままであった。
医学関係者ではないので詳しく書けなくてすみません。




