7.電波少女は、ヒロインと悪役令嬢を避けているようです
おかしなことが起こりました。
どうやら、電波少女なユウコ様は悪役令嬢である私とヒロインであるユズを避けまくっているようです。
電波少女系小説としては、正しい対処法でしょう。
ですが、それは私とユズが豆腐王子を好きな場合です。
もし、電波少女が私たちに近づいてきたら、喜んで彼を押し付けるのにと思いました。
何も知らない無知な少女に対して、良心がとてもとても痛みますが...
電波少女は、少女マンガのヒロインの行動や言動をなぞって自分もそのようにしていますが、その行為自体が自分自身の価値や家や家族たちの価値を落としているものだと気付いていないのでしょうか?
伯爵という地位にいる家に生まれているのですから、その程度は知っていて当然だと思うのですが。
社交界での電波少女の自分より高位の方々に対する失礼な態度の数々を見て、豆腐王子が頬を緩め優越感に満ちた目で見つめていました。
私では絶対にできない、相手を見下して自分の自尊心を満たしているのですね。
安定のクズぶりです。
この豆腐王子の様子を見ていた貴族たちは、落胆した様子で豆腐王子を見ていました。
中には、豆腐王子の側室に娘を捻じ込もうと考えていた高位貴族もいるでしょう。
大変ですね、彼らは。今から、自分のために娘の政略結婚相手を見つけないといけないので。きっと、優良物件はすでに売約済み。
私? 私ですか? 豆腐王子のクズぶりを知った両親が、国王夫妻に直訴して私との婚約を取り消させました。方法は知りません。
表向きは、婚約をしたままです。豆腐王子にはすでに決定事項だと伝えてあるらしいのですが、彼が理解しているのかは分かりません。だって、常人には理解不可能な思考をしていますから。
私の新しい婚約者は、優良物件らしい公爵家次男坊です。
お母様が張り切って選んだらしいと聞いた私とユズは、会う前から鼻で笑い飛ばしていました。
だって以前、お母様が張り切って選んだ私の婚約者があの豆腐王子ですよ。今度はどんな精神的な豆腐が来るのかって(笑)。
お会いした婚約者様が、豆腐でなかったことが驚きでした。
なんというか、本当に『優良物件』という方です。
美形で、仕事ができるという。
これは、もしかしなくても入り婿...?
両親が弟アイザックに対しての見限りフラグ!?
そういえば、お母様は最近、弟に対して鬼のような形相でガミガミ小言を言わなくなりました。情けないことに弟は、体全体で喜びを表していました。
お母様は弟を見ると、呆れ果て遠くの空を見ながら、溜息を何度も何度もつくことが多くなりました。
ひょっとして、豆腐王子と同類の『中身がクズ』ということに今更ながら気付いたのでしょうか?
最近、弟は『ユウコ・エレットリカ伯爵令嬢への愛の詩集』というタイトルでノートをつけているのが分かりました。内容は、ゲロを吐く内容だと言っておきます。どこまで、ゲスイ思考をしているのかと。安定のゲスさは予想内です。
知った理由は、お母様が弟の部屋を探っている途中で奇声を上げて気絶したからです。
それにビックリして気になった私とユズと家に勤める人たちは、現場に駆けつけました。
そして、『ユウコ・エレットリカ伯爵令嬢への愛の詩集』とタイトルが書かれたノートを見てお母様が気絶した理由を知るのです。
もちろん、そのノートは元のところに戻しましたよ。
そういえば最近、弟は豆腐王子とともにユウコ様にウザイほど纏わりついて愛を囁いています。
遠くから見ると、言動がおかしな電波少女をめぐるゲス同士の戦い。
ゲスすぎる戦いで、誰も関わりたくない!!!!!
現に城内で三人が揃ってるのを見ると、脱兎のごとく逃げ去る国王様や宰相様や国の重鎮様たち、騎士様たちがいるとの情報です。
騎士様たちにいたっては、強敵から国や市民を守る自負があり、それを誇りにしている。それでも、未知の生物たちは恐怖の対象であり関わりたくないのです。
この時、私は思いました。
ゲスな豆腐王子とゲスな弟は、電波少女なユウコ様に引き取っていただくしかないのではないかと。




