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5.自尊心傷つけ隊 隊員、一名追加

ヒロインが家に来る日がやって来ました。

やってきたヒロインは家の敷地内に入るとビクついています。

それもそのはず。初対面で、凄みのある悪役顔に睨みつけられたら誰でも怖いですよね。

あの時のお母様の顔は、迫力がありすぎました。


本日はお天気なので庭でお茶をと思ったのですが、ヒロインがお母様の迫力顔を怖がっているので、私の部屋でお茶をすることにしました。

天使クリスティはよくても、アイザックが乱入してくるとヒロインに不快な思いをさせてしまいますしね。


「悪役令嬢。あなた、ラスボス効果で私を見捨てる気じゃないでしょうね!」

「確かに、あの時のお母様の顔はラスボス・クラスですが...」

「じゃあ、私を見捨てないでくれる?」

食い気味に言ってくるヒロインさん。

豆腐王子の婚約者になるのだけは避けたいですものね。私もそうですが、不可抗力で婚約者にされました。

権力と身分は、こんな時は全く役に立たないものですね。心の奥底から痛感しました。

なので私は、婚約解消のための修行中です。

「それよりも、ヒロインさん。悪役令嬢って呼ばれるのを人に聞かれると恥ずかしいので、ここはイザベラで」

「それもそうね。『ヒロイン』って人前で呼ばれると思った以上に恥ずかしいわ。私も、ユズでいいわ。イザベラ様」

「そうですか、ユズ様」

「ちょっと、なんで『様』付け!?」

「ユズ様が呼び捨てしてくれれば、呼び捨てにしますよ」

「...ッ。わかったわよ、イザベラ」

「それで、ユズは『きみに恋して、心を奪う』の裏ヴァージョンまで知っているんですか?」

「もちろんよ。ってことは、イザベラも知っているのね」

「アレは、『今までの感動を返せ!』という出来ですからね」

「アレを見た時はショックで寝込んだわよ」

「でも今となっては、あのクズな出来のマンガを読んでいたことを感謝しないといけませんね」

「クズな出来なのに、続きが気になって読んでしまったもんね」

「クズが褒め言葉になるマンガって珍しいですよ...」

「そ れ よ り も、豆腐王子に嫌われないと!棺桶に足を突っ込むような人生一直線だわ、どうしよう!?」

「簡単です。豆腐王子のコンプレックスを刺激すればいいんですよ」

「でも、どうやって?」

「豆腐王子は悪役令嬢に幼い頃から自尊心を傷つけられ続けて、ヒロインの礼儀のなさに目をつけ側に置いたんですよね」

「そうね」

「とういうことは」

「うんうん」

「今からでも遅くありません。ユズが、公爵令嬢が受ける教育を受ければいいんですよ」

「ちょっと待ってよ!私の家は、男爵家なのよ」

「とても都合のいいことに、私の妹のクリスティは貴族令嬢の教育を受け始めたばかりなのです。なので一緒に、ユズもその教育を受ければいいんですよ」

「それって、なんか違うでしょ!それに、真のラスボスをどうやって納得させるのよ!」

「真のラスボス自身がユズに『マナーがなってない子』とユズのことを何も知らないで断言したんですよ。なら、マナーを教える意味でもこちらで学んでもらうとでも言えばいいと思います」

「そんなに、うまくいくかなぁ?」


ユズとおしゃべりをしている最中に、鬼の形相をした悪役顔のお母様が私の部屋に突撃しまして、ユズに言われなき説教?をガミガミ言いました。

ユズは涙目。

鬼の形相をしたお母様が、鬼の首を取ったようにユズに威圧的に物を言う姿は何ともビミョーな気持ちにしかなりません。

私は、「お母様?」と冷笑を浮かべながら言いました。

「イザベラッ!」

さっきまで顔を真っ赤にして鬼の形相をしていたお母様は今度は逆の真っ青な顔をしました。

「さっきから言いたい放題言っていますが、そこまで馬鹿なことを言うなら、ユズ様にこちらで公爵家が受けるマナーを習ってもらうのはいかがでしょうか?」

「何を言ってるのよ!?馬鹿を言わないで!」

お母様は、金切り声で否定をしました。

「マナーがなってないとお母様がユズ様を全否定しているのに、そのマナーをこちらで学ばせないと懐の狭すぎることを言うお母様なんて、大嫌いです。数日間、存在自体を無視しますよ?」

私は、笑顔で言い切りました。

「やめてよ!そんなことをしたら、旦那様やクリスティに私が文句を言われるじゃない!」

さっきから金切り声で言われるので、耳が痛いのですが。

「でしたら、いいですよね?ま さ か 、マナーがなってないって言いながら、マナーを学ばせることなく、そのまま放置する気ですか?素敵な考えですね、お母様。私のお友達たちに、そのことを言い触らしますね♪『公爵家の恥』ですね!」

「やめなさい!もう、好きにしていいわ!」

憤怒の形相をして、お母様は私の部屋を出てきました。



その後は、ユズのご両親を説得して公爵家でのマナーを学んでもらうことになりました。

これで、さらに豆腐王子のコンプレックスを刺激するべく、ユズと共に邁進するつもりであります。

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