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4.ヒロインが電波じゃなかった

社交界デビューはうまくやり過ごし、やっとヒロインと会える社交界がやってきました。

社交界デビューの時には思ったより人脈を築けました。

権力って、素敵ですよね。

そんな人脈で築いた情報網の中で、ヒロイン『ユズ・アーバクロンビー』が来るとの情報を得たのです。

これには気合が入ります。

王太子様を押し付けれるか見極めなけらばいけませんからね。


着いた会場では、すぐにユズ・アーバクロンビーを見つけました。

たぐいまれな美少女です。

まさに、ヒロインという表現しかできない素晴らしい容姿です。

この時、私は思いました。

もし、ヒロインが電波少女なら詐欺だと。

この容姿で電波少女だったりしたら何かの嫌がらせですよね?


ヒロインとの決戦の前に腹ごしらえをしなければいけません。

私は軽食を用意しているテーブルへと向かいました。

私の横にはなんと、ヒロインがいるではありませんか!

ヒロインは私を見て、

「悪役令嬢!?」

「ヒロイン!」

このたった二言の邂逅の内に、ヒロインは急に倒れて気絶しました。

どうやら、ヒロインは魔力過多を起こしたようです。

私は会場入り口にいる警備の方にお願いして、一時的に休める部屋まで案内してもらいました。

私はヒロインの魔力を安定させるため、彼女に付き添います。

警備の方が部屋を出る時に、私の父と母に知らせてもらうこととアーバクロンビー男爵夫妻にヒロインがこの部屋で休むことを伝えてもらうことを頼みました。


しばらくして、ドタドタと慌てた足音がこちらに近づいてくる音が扉の外から聞こえてきました。

母は私がヒロインの手を握っているのを見て、

「何をしているの!」

と怒った声で言ってきました。

「こうやって、私の魔力を流し彼女の魔力を安定させているだけですが」

「今すぐ、離しなさい!」

「無理です。今の状態で手を離すと彼女の魔力が暴走しますよ」

これだから、魔力があっても魔力を理解しない人は困りますね。

そういえば、アイザックもその手の人です。

なんか、頭痛くなってきた...

「ええと、」

アーバクロンビー男爵夫人は私に声をかけにくそうに声をかけてきました。

「お初目にかかります。イザベラ・フォレスターと申します。以後、お見知りおきを。このような状態で挨拶をして申し訳ありません」

「気にしなくていいのよ。娘がお世話になりました」

「やっぱり、あなたの子なのね!娘は今大切な時なのよ!なんてマナーがなってない子なのかしら!」

お母様、少しは空気を読んでください。

あなたは鬼ですか?

私が今言ったことを聞いてもいないのですね?

「お母様?」

思わず、無表情のまま声を低くしてお母様に声をかけました。

「ヒィッ!?イザベラッ...」

「お母様、私が言ったことを聞いてないのですか?」

「でも、この子がっ」

「『でも』ではありません」

「クリスティが言っていたら許す癖にっ」

天使クリスティは、そんなこと絶対に言いません」

言い訳がなくなったからと言って、私を睨みつけても問題は解決しませんよ?

「んっ」

ヒロインが目を覚ましたようです。

お母様の甲高い声で目が覚めてしまったんですね。

体調を崩して寝ている子には、五月蠅すぎでしょう。

「悪役令嬢!?なんで、私の手を握っているの?」

「ヒロインさん、魔力過多で気絶したようなので魔力を安定させていました」

「ありがとう。ヒッ!」

ヒロインはお母様が睨みつけているのに気付いて、私の背に隠れてしまいました。

「イザベラ、帰りますよ」

さっきから、空気クラッシャーしているお母様。

その顔は悪役ですよと言うと、怒られそうです。

お母様は無理やり私の手を引いて力強くヒロインから引き離そうとしました。

「ちょっと待ってよ、悪役令嬢。私を見捨てる気?豆腐王子と結婚するなんて、私はイヤよ!」

ヒロインは私に抱きついて、離れることを拒否しました。

「私も、豆腐王子はイヤですね」

「さっきから、『アクヤクレイジョウ』とか『トウフオウジ』とか訳の分からないこと言って娘に抱きつくなんて何様なの?いい加減、離しなさいよ!」

お母様は、ヒロインをぶとうとしたのですがお父様にめられました。

「やめなさい。まだ、小さい子じゃないか」

「でも、あなた。この子、生意気じゃない」

「君が、アーバクロンビー男爵夫人と仲が悪いからといってもイザベラは関係ないじゃないか。純粋に、この子の心配をしたからついているんだよ。それぐらい、許しなさい」

「でも」

「いいね?」

「はい。わかりました、あなた」

「それに、イザベラ。さっきから、お母様を笑顔で睨みつけるのはめなさい」

「イ ヤ で す」

「イザベラ」

私は笑顔で無言の拒否をしました。

「お母様はいいから、私まで笑顔で睨みつけるのはめなさい」

「わかりました」

「あなたっ!?」

こういう時には、悪役顔は便利ですね。

悪役顔な身内にまで効果があるなんて、はじめて知りました。



後日、ヒロインとお茶をする約束をしてその場で別れました。

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