6の秘密 入学式前編
廊下に出ると、誰も居ない静か過ぎる。
一階へと階段を下りてやってきた、食堂に電気が付いていたので、誰かいると思うい、入っていく。
中に入ると、桜井先生がなにやら食堂で何かをやっていた。
棚の中から何かを探しているようだった。
「桜井先生何をやってるんですか?」
後ろから、声をかける。
「ひゃ!? 何だ苗木さんですか、びっくりしましたよ」
「すいません、気づかないとは思いませんでいたので。ところで何やっているんですか?」
「調理器具見てたんです。ここは始めて来るところですからね」
「そうなんですか。見つかりましたか?」
「はい。沢山良いのありましたよ。これで皆さんにおいしいご飯作りますね」
笑顔で言う。
天使のような微笑だ。俺は先生がご飯作ってくれるならどんなものでも食べれそうだ。
「桜井先生が作ってくれる料理なら、お代わりどれだけでもできます、何十杯いや何千杯食べれます!」
「苗木さん、それは言いすぎですよ」
「いや、本当ですよ」
桜井先生は押し黙ってしまい、頬がうっすらと赤く染まっているのを見れた。
桜井先生顔が赤いな、どうしたんだろう、 風邪かな、風邪だったら大変だ!
「桜井先生、風邪ですか!? だったら俺がすべて代わりますから、寝ていてください!」
「えっ、えっ!? 私風邪じゃないですから、大丈夫ですから」
慌てて、俺を落ち着かせる、桜井先生――かわいい。
「え、そうなんですか、俺の勘違いでしたね。何か俺に手伝えることありますか?」
「手伝うことですか、大丈夫ですよ、苗木さんは作ったご飯を食べていただくだけで、本当にそれだけで良いですから」
本当に申し訳なさそうに、桜井先生は言う。
こんなにも、俺を思っていてくれるなんて、嬉しいもんだな。俺も全力で、桜井先生を大事に思いたい。
――例え先生が学園側としても
――例え先生が誰からも信用されなくなったとしても
――例え先生が学校を辞めなければならなくなった時も
「分かりました、それじゃあ俺は、先生の邪魔をしないように部屋に戻りますね」
食堂の出口へと向かう。
「あの、苗木さん!」
出口へ向かう時に桜井先生とは、思えない声で呼び止められた。
「どッどうしたんですか?」
「あッあのですね、私は皆さんのことを名前で呼びたいと思っているんですけど、いいですかね?」
「全然良いです、いやむしろ呼んでください、奈央先生!」
「えっ……!?」
奈央先生がすごく驚いている。たぶん俺が奈央先生なんて慣れなれしいこといったからか。
「あッすいません、慣れ慣れしかったですよね」
「いや、違うんですよ、私その驚いたというか、恥ずかしかったというか、その嬉しかったです、徹さん」
――かッ…………………かわいい、いや可憐だ! 何度この言葉を言ったか分からないが、奈央先生は可憐だ! どれだけ言ってもこれを読んで下さっている人でも奈央先生の可憐さが分からないと思うが、思っている、十倍は可愛くて、きれいで可憐だと思ってくれ。
「あッありがとうございます、奈央先生。直人たちもきっと喜ぶと思いますよ」
「徹さん……」
「それじゃ、そろそろ部屋に戻りますね、ご飯のときに行きますので」
「はい。ご飯は自己紹介と時に言いましたが7時ですので、遅れないようにしてくださいね」
食堂から、出て行き、自分の部屋へと戻る。
自分の部屋へと着き、お茶を入れる。
うまーい、これにお茶菓子があれば最高だな。お茶があるんだからあるかもな。
戸棚を開けてお菓子があるか確認してみる。中には、ようかんが一つあった。
なんだ、あるじゃないか。
ようかんとお茶を飲み干すとちょうどいい具合の眠気が差してきた。
――少し寝ようかな……
ベットへと場所を移動し、目を瞑るとすぐに眠りに堕ちることができた。
――なんだか、今日は寝すぎな気がするな……夜眠れるかな……
「……きろッ、おきろー徹ちゃん。ご飯だぞー」
――んッ誰だ起こしてくれてるのは?
目を開けてみる。
「何で直人が俺の部屋にいるんだ?」
「鍵しまってなかったよ、無用心だぜ徹。誰も襲わねえけどな」
「そうか、開いてたんだ。でも何のようだよ?」
「ご飯だって、奈央先生が呼んで来いってよ」
「もう、そんな時間だったのか、悪い起きれなかった」
「いやいや、別にいいよ俺も得させてもらったし」
「んッ得? 何が得だったんだ?」
「まぁーいいじゃないか、飯行こうぜ飯」
直人は逃げていくように俺の部屋から出て行く。
俺も行くか。
携帯の時間を確認すると、7時20分。
「遅れてすいませんでした」
食堂へと行き、誤る。
「大丈夫ですよ、皆さん今集まったところですから。さぁ、食べましょう」
自己紹介のときに座った、場所へと座った。