4の秘密 入学式前編
扉の開く音、その音で俺達五人は、黙る。
入ってきた、女の子は開いている椅子に座る。
「それでは、皆さん集まったことですので、自己紹介でもしましょうか」
一番最初からいた女の子が仕切る。
この雰囲気で仕切ることができるとは、すごいな。
俺なら絶対に、無理だと思うな、直人ならできそうなのにな。
「えっとですね、私から切り出したんですから、私から自己紹介をしますね。桜井奈央です。今年から、この寮の管理人になりました。学園の先生で担当は国語です。――料理も私が作りますね」
外見は、身長はとても小さく、先生とは思えない姿である。整った顔立ちで、とても美しい。でも、あまり発達がよいとは言えない。
――この人が管理人……かわいい、いや可憐だ!
「お前今、かわいい、可憐だって思っただろ」
直人が俺に言ってきた。
「なッ何言ってんだよ、おッ思うわけないだろ!」
「なんで、そんなに焦ってんだ? 徹ちゃんわかりすぎだよ」
俺ってそんなに分かりやすいのかな、そういう、直人って何考えてるかわかんないよな。
「それじゃ、次は君ね」
桜井先生は、自分の前の席の人に言う。
「神谷大輔よろしく」
とても短い説明。
それだけじゃ、伝わらないので、俺が補足説明したいと思う。
身長は、俺達よりぜんぜん高い、たぶん180くらいある。俺達がたぶん170位だ。
そんで、顔も怖い。なんかヤクザみたい。でも高校生というのは、分かる顔だと思う。
「あ、ありがとうございますね。それでは、次はあなたね」
花澤さんに桜井さんが言う。
「あっ、はい。えっと、花澤花音です、そこにいる、直人とは幼馴染です。これから三年間、よろしくお願いします」
花澤さんは、直人を指を指してから、お辞儀をして自分の席へと着く。
花澤さんは、身長はなかなか高く、俺達より少し小さいぐらいで、女性にしては身長が高くスタイルが良いといえるだろう。
「はい、よろしくね。 次はあなたね」
先生は、直人に言う。
「名瀬直人、この学園の秩序を守るために、この学園にきました。だから先生、俺に生徒の個人情報が書いてある紙を見せてください」
「一体それを何に使うんですか?」
「商売です、絶対駄目です」
「そこを何とか! 俺の……俺の青春を返してください!」
「何を言ってるんですか、駄目に決まっているでしょ!」
直人はなぜか引こうとしない、たぶんあの先生だからだと思う。
「わかりましたよ、自分で調べますよ」
「調べても駄目ですー!」
先生は子供のように、顔を真っ赤にしながら言う。
「はぁ、はぁ。じゃ次は君ね」
俺の番が回ってきた。
「苗木徹です。皆さんに比べたら、自慢できるところもありませんが、仲良くしてください」
「さぁ、次の人に行きましょうか」
最後の1人、俺が最も気になっている人。
「桐島響子です、よろしくおねがいします」
改めて俺から、補足説明をさせてもらう。
整った顔立ちは、キリッとしており、男女両方とも引くような美貌の持ち主である。髪型は肩までの髪型である。
――かわいい! いや、綺麗だ!
「徹ちゃん今、かわいい! いや、綺麗だって思っただろ。どっちか一人にしとけよー」
だから、なんで俺が思ったことが分かるんだよ。そりゃあ、二人ともかわいいけど、どちらか一人といえば……まぁ、それは後々ということで。
「直人黙っておけ」
俺は、相手を睨み付けるようにいう。
「でもね、徹ちゃん……そんなに睨まなくて良いよ、怖いよ。あのなー俺はな、無茶はするなといっちょるんだよ」
「直人には関係ない」
「ひどいなー徹ちゃん」
俺達は、自己紹介を終えて、自分の部屋へと帰ってきた。
後は、明日の入学式まで暇になったな。何ややろっかな。