2の秘密 入学式前編
寮の前に来て、俺は気づいた、この寮の名前は、ミールトリア。略称ミール
何だか、優雅な名前だな。
寮の名前を確認して、俺は中へと入っていく。
その足取りは、重くなぜか緊張していた。
中に入って、まず玄関がある、6つの下駄箱がる。
――六人がこの寮に住むのか。
自分の番号に書いてある下駄箱に靴を入れて、中へと入っていく。
右手に階段、左手に食堂と書いてある、部屋がある、奥は浴場と書いてある。
――2階が部屋かな?
ゆっくりと階段を上がっていく。
足音だけが階段に響き渡り、すこし不気味である。
二階に着くと、目の前から、1号室から6号室まである。俺は自分の3号室の前へときた。
鍵を取り出して、鍵を開ける。
――おっ、開いた。
部屋の中へと入っていく。
中は、以外に広く、キッチン、トイレ、ベット、テレビなど必需品が置いてあった。
――以外にいい部屋だな。
荷物を降ろして、ベットに腰を下ろす。
――疲れたな……少し仮眠とるかな。
目を閉じると、すぐに眠りに落ちることができた。
どのくらい時間がたったのか、わからないが、一つのインターホンで起きた。
――誰だろう? 起き上がって、俺は玄関へと向かい、ドアを開ける。
開けると、そこに一人の男が立っていた。
「誰ですか?」
「俺は、名瀬直人。ここの隣、4号室、よろしくね。君は?」
「苗木徹よろしく、名瀬君」
「うんにゃ、名瀬君じゃなくて、直人で良いよ。俺達の仲じゃないか」
「いや、初対面だし」
「これから、仲良くなっていこうよー。徹ちゃん」
直人という男は、かなりなれなれしく俺に接してくる。
別に俺も人とのかかわりは、大事にしているが。こいつはなんていうか俺の心の中に入り込んでくる感じである。
「……考えておく」
「ひどいッ! 同じ寮に住む仲なのに、同じ学園の同級生なのに!」
こいつ……めんどくさい。
――でも、悪いやつじゃない気がするな。
「わかったよ、俺は名瀬のことを直人って呼ぶよ」
「よろしくね、徹ちゃん。――よし、自己紹介終わったし、食堂行こうぜ」
「食堂? 何で?」
「見なかったのか? 荷物を置いたら、食堂来てくださいって言う紙、見なかったのか? 玄関に書いてあったよ」
紙なんてあったのか、気づかなかったな。
「そうなんだ、気づかなかったよ。行こうぜ」
俺と直人は俺の部屋を出て、食堂へと向かう。
俺はこの寮で、この学園での3年間が始まる。
友達できるかな……もう直人も友達だった様な……。
俺が思うに友達の概念って難しいと思わないか、初めて会う人とどう仲良くなっていったか、覚えているものか。どうやって友達なったかといわれると、まったく思い出せないものだ。
いつの間にか友達になっている、それが普通だと思う。
「徹ちゃんいい人っぽいよね?」
「そうか? 直人は面倒くさそうだな」
「褒めたのに酷くね? ……そう言えば、部活何入るの?」
「部活動……まだ決めてないよ。直人は?」
「俺か、俺は……剣道部?」
「何で、疑問形何だよ」
「まぁ、なんだ俺、中学剣道部だしな」
「そうなんだ、意外だったな。直人って部活やってなさそうなのに」
「初対面で決めるのは良くないよ」
お前が言うなお前が。
食堂に、俺達が着くとそこには、俺達以外に二人いた。残り二人だけまだ来ていない。