12の秘密 桐島さんと勉強編
自分の寮へと帰ってきた。
桐島さんとの勉強ってたぶん、夕食食べ終えたからだと思うな……まだ少し夕飯まで時間あるな。
のんびり時間まで過ごすかな。
キッチンへと行き、コーヒーを注いでのんびりと。
「そう言えば、兄貴も全寮制の学校だったよな……」
なんで兄貴の事思い出いたんだろう、殺意が沸くな……
兄貴に殺意が沸く理由は、俺に溺愛しすぎなんだよ!
これは、兄貴が中3俺が中2の頃の話だと思う。
※※※※※
「徹くんは何でもできるんだな、さすが俺の弟! 本当に可愛いっ!」
「黙れよっ兄貴っ! くっ付くな!!」
俺の腰を兄貴の腕が回って離れることができねえ。どんだけ力強いんだよ
「俺は徹君だけいれば、この世界なんて要らないと思ってるからね」
「そんな気持ち悪いほど、重い言葉を吐いてんじゃねえ!」
「そんな!? 徹君はお兄ちゃんのこと嫌いなの!?」
「あぁ、大嫌いっだ!!」
「でた、徹君のツンデレ」
「そんな、言葉知らん!」
「もうっ、徹くんかわいい!」
こいつは俺の実の兄、苗木大河俺とは1つ年上。こいつは、俺と比べて本当に何でもできる、運動もできるし、頭もかなりいい――でも、俺に対して溺愛すぎるから、気持ち悪い! そんな兄貴も今どこかにいるんだろうな。死ねばいいのに!
「これから、三年間徹くんに会えないなんて……!? お兄ちゃん耐えれない! 無理だよ! 徹ちゃん禁断症がでちゃうよ!」
たぶんこれは、兄貴が高校に行くから家に帰ってこなくなる時だな。あいつ本当にしつこかったな、今あいつどこの学校なんだろうな。
「黙れっ! さっさと行ってこい!」
「ガハッァ! いいストレートだ徹くん、さぁもっとお兄ちゃんを殴れ!」
俺の右ストレートが兄貴のみぞおちへと入る。
こいつは真性のど変態!
「気持ち悪いこと言うな! このくそ兄貴!」
「ブファ! いいすね蹴りだ、でもお兄ちゃん今のは少し痛かったかな」
少し涙目の兄貴。言いざまだっ!
俺はこいつに対してだけ、暴力を振るうって決めてんだ、それ以外には極力振るわない!
あと変なのは、親父もだったな親父も兄貴と同類だ。
――もういやだ、こんな家族。でも育ててもらった恩は返したいと思ってる。
そう言えば、明日は確か学生会の発表って言ってたな。この学園の学生会や生徒会などいろいろな呼び方があるが、その学生会と言うのは、この学園のそれなりにえらい立場らしい。
なんて考えてると、夕飯の時間か。
その後の俺達は、みんなで楽しく食事をした。
直人がなんか一人で話している感じだったが、それはそれでいいと思っていた。
夕食が終わって、ひと段落をして自分お部屋へと戻ってきたら、ドアのインターホンがなる。
「開いてますよ」
「こんばんわ」
俺の部屋に桐島さんがやって来た。
「あっ、桐島さんお願いします」
「えぇ、一緒にがんばりましょう。それでは早速はじめるわね、えっと机借りるわね」
俺と桐島さんは、一つの勉強机を二人で使うような形である。
「それでは始めるわ。苗木君あなたは、どのような小説が書きたいの?」
「どのようなって……?」
「恋愛やファンタジー、ジャンルなんていくらでもあるわ」
「そ、それじゃ学園もので書いてみたいですね」
「そう、いいと思うわ。どのジャンルにも挑戦してみるといいわ。でもなんで学園系なの?」
――俺が学園ものを選んだ理由は。
「俺この学校で感じたことや思ったことを書いてみようかなと、思いましてね」
「そう、すごいわね。良いのが書けるといいわね、でもそうなると、今は何も書けないわね――もう少し学校生活が始まったら詳しく書き始めましょうか」
「えっ、書く練習はしないんですか?」
「えぇ、書くものが決まっていれば、直ぐにできるわ、でもいろいろと考えることはあるけど、それはまた今度でいいわ、今日は終わり。また明日にしましょう」
「明日もいいんですか?」
「そのつもりだけど」
――もしかして……俺桐島さんに好意をもたれているのか!? そう考えるとどうも、意識してしまう! 駄目だ普通を装え!
「どうしたの苗木くん、顔赤いわよ?」
「あっ、いや、これは、なんでもないです!」
「そうなの、なんでもないならいいけど」
駄目ぁああ、完璧に意識し始めてるよ俺! 今の受け答えも挙動不審すぎるだろ、俺!
――一回落ち着こう、すってーはいてー。ふぅ、少しは落ち着けれたかな。
「そういえば桐島さん、俺今日文芸部見てきましたよ」
「そうなの、どうだった?」
「えっとー、女の子しか居ないらしいですよ」
「そう……よかったわね」
「あっ、はい」
桐島さんのものすごく睨みながら言って来るよ。
なんだ今の悪寒は!? 背筋がこうなんていうか、ヒャッと来る感じ!
桐島さんは俺の部屋から出て行った。
どうしたんだろ、桐島さん。すごく不機嫌だったな。