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10の秘密 入学式当日編

 俺と直人と花澤さんは、自分達のクラス、1年3組へとやって来た。直人のせいで俺達のクラスはもう分かっていたから、すらすら来ることができた。


「ここで、いいんだよな?」


 俺がクラスの扉の前で言う。


 ――妙に緊張する。


「そうそう、だから早く入ろうぜ」


 俺達は、教室の扉を開けて、中へと入っていく。


 中は、やはり静かで、大体の生徒が席に座って、静かに待っている。


 俺達は、黒板の前に張ってある、席順を見て席へと座る。


 俺の席が教室の一番左隅その左に桐島さん、僕の前に直人その左に花澤さん、直人の前に神谷君が座っている。


「どんだけ、身内が揃ってる席だよ!」


 どう見てもこれは直人が手を下しているだろ、さらに隣の席の人も的確に選んでるよ。


「なんだよ、徹ちゃん嬉しくないのか? 桐島さんん隣だよ」

「いや、嬉しいよ。すごくうれしいよ! でもほかのクラスの人とも仲良くしないと」

「なんて、素直な徹ちゃん。分かりやす過ぎるよ。でも別にいいんだよ、今から徹ちゃんの席を桐島さんから一番遠い席に変えても、それだと、学校で話せなくなるんだよ――それでもいいの?」

「すいませんでした、直人様。この席にしてくださってありがとうございます」

「なーんだ、わかってるなら、いいんだよ」


 しばらくして、教室には、生徒が全員来たらしい。次の指示がないため俺達は、話すしかなかった。


 そこから、何分経ったかわからないが教室の扉が開く。これにより、中にいた生徒は皆黙った。


 教室に入ってきた人は、奈央先生だった。


 奈央先生は、黒板の前までやってきた。


「えー、初めまして。今年一年、皆さんの担任になりました、桜井奈央です。よろしくお願いします」

「奈央先生ー徹ちゃんが物凄くニヤニヤしてます」


 直人が奈央先生に言う。


「名瀬さん、学校では桜井先生と呼んでください、それと苗木さんしっかりしてくださいよ」

「へーい」

「すいません」


「それでは、今から体育館へと移動してもらいます」


 俺達はクラスを出て、この棟から離れた体育館へと急ぐ。


 体育館へとついた俺は驚愕した。広いにもほどがあった、中学までの体育館が5つ分ぐらいあるのではないかと言うぐらいの広さである。


 そこに、俺達のクラス以外の人たちも集まり始める、準備されていた、パイプ椅子に座り、校長のながーーーーーーーーーい話を聞く。


 今ので、どのくらい長いかは伝わったと思うけど、尋常じゃないほどですからね。そんなこと話さなくてもいいだろというほど話していた。直人なんてすでにこの場にいないという……


 やっとのことで解放されて、教室へと帰ってきた。

 

「――というわけですから、これから皆さん一年間一緒に頑張りましょう」


 クラスに戻ってきて、奈央先生のありがたい良い話を聞くことになった。


 クラスの連中が思いのままに返事をする。


 落ち着いた所で奈央先生が話す。


「それでは、今日はここまでです。今から皆さんは自由行動です、部活どう見ても構いませんし、クラスのこと仲良くするのも構いません」

 

 そう言うと、他の連中も席を立つ。


「直人はこれからどうするんだ?」

「クラスの奴らと親睦を深めてくるぜ」

「なんか裏あんのか?」

「うらぁあああ? 徹お前失礼な奴だな、クラスの奴らと仲良くなるのになんで裏があんだよぉ」

「だって直人顔がいかにも悪いことをするような、顔だから」

「――!? ばれたのか、徹ちゃん君名探偵?」

 

 今の直人の顔は本当に分かりやすかった。どす黒い顔だよ。


「剣道部に行かなくていいのかよ、剣道部にはいるんだろ?」

「そんなのいつでもできるよ、それより今は情報だよ情報」


 直人は、クラスの人たちのもとへ走っていく。

 

 ――いや、情報って言ってるし……


 俺はどうしよっかな、これと言って決めた部活どうって無いんだよな。


「苗木さん、少しいいですか?」


 廊下先の奈央先生に呼ばれる。


「どうしたんですか?」


 廊下先まで歩いてきた。


「苗木君は部活決まりましたか?」

「――まだですね……でも入ろうとしているのはあります」

「……そうですか――私今年からできた、剣道部の顧問になってたんで、もしよかったらと思いまして」

「剣道部ですか――直人が入ろうとしてましたよ、俺も考えておきます」

「そうなんですか、ありがとうございます」


 俺は軽く礼をしてその場を離れる。


 直人奈央先生が顧問だって分かって言ってたな。


 ――でも、剣道部には入るつもりはない――入りたくない。


 もし俺が、また剣道をしてみたいというときは、来るのであろうか。

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