ニアミス
パーティAは北ダンジョンを目指している。
その道中、周囲の異変をバッハがいち早く察知した。
バッハ「ちょっと待って」
バッハ「4人組が近付いてくる」
パーティAに緊張が走る。
カラン「こちらもパーティを組んでいるから、さすがに襲ってこないとは思うけど、どうする?」
ドロン「警戒体制に移行!」
ドロン「いつでも突撃できるようにしておけよ」
フェイ&バッハ「OK」
4人組はさらに近付いてきた。
???「おーい、フェイじゃないか」
その方向から声が聞こえる。
フェイ「ローズ!・・・フラット!」
ローズ「よぉ!」
フラット「やぁ!」
フェイ「移籍したんだね」
ローズ「バルバロスってクランからお誘いが来てね」
ローズ「今はそこに入っているんだ」
フェイ「今一番勢いのあるクランじゃないか」
ローズ「スキルの引きが良くて助かった。俺も死にたくないからな」
ローズ「お前のスキルはどうだったんだ?」
フェイ「僕のスキルは」
フェイが答えようとするとドロンがさえぎった。
ドロン「おっと、別クランのやつには教えられないな」
ローズ「まぁそうだな。いつ敵対するか分からんしな」
???「低級スキルだな」
後ろから見ていた一人が声を出した。
バッツ「俺はバッツ。『バルバロス』クランの教育係をしている。よろしくな」
ドロン「<能力色鑑定>か」
バッツ「行くぞ、ローズ」
ローズ「はい!」
ローズ「じゃあまたな」
フラット「またな」
そういうと、バッツ一向は森の奥へと消えていった。
バッツ「奴らの能力どうだった?」
フェイ「バッツって人はB級のスキル持ちだった」
フェイ「ローズはC級、フラットはD級で」
フェイ「もう一人はC級ってところかな」
フェイ「一番強いスキルの等級が分かるだけだから、スキルの系統や数なんかは分からないけど」
バッツ「そうか」
バッツ「俺達が敵わない相手だと分かっただけで十分だ」
パーティAは多少の疲労感を覚えながら、また歩き出した。