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スキル覚醒の時

スキルの優劣が人生を決める世界。

ここでは16歳になると1つのスキルが神より与えられることとなる。

それはいわゆる生まれ持った才能というものだ。

素晴らしいスキルを持つことができれば一級の冒険者として名を馳せることも可能になる。

ただし、死んでしまうと相手にスキルを奪われてしまう。

このことが非常に厄介で、この世界を混沌へと誘っている原因となっている。

僕は「フェイ」

僕は16歳になった。もちろん神様から1つのスキルをいただいた。

他人のスキルの強さが色で可視化されるスキルのようだ。

残念ながら戦闘の役に立たない、いわゆるゴミスキルと言われるものだった。

でも両親は僕の成長を祝ってくれた。

そして次の日・・・僕は両親を失っていた。


僕はクランに所属している。

16歳になるまでに信頼できる仲間とクランを結成するのが慣わしだ。

16歳までにクランを結成していないと、単騎で戦闘に出ることになり、

よほどの強スキルでないとすぐに狙われてしまうからだ。


???「よぉフェイ!」

声がした方を向くと見知った顔があった。親友のドロンだった。


フェイ「やぁドロン!」

ドロン「お前、昨日16歳になったんだろ?どうだった?」

ドロンは興味津々な感じで僕を見ていた。


フェイ「<能力色鑑定>だったよ」

ドロン「お!いいじゃん。俺たちのクランには、いなかったからラッキーだな」

フェイ「僕の身にもなってよ。バレたら狙われてしまうんだから」

<能力色鑑定>のスキルは便利スキルと呼ばれる類のもので、神から授かりたくはないが他の人からは奪いたい筆頭スキルなのである。


ドロン「個人スキルは、普通自分のクラン以外には秘密なんだし、大丈夫だろ」

個人スキルはできるだけ隠しておくのが懸命だ。手の内がわかると狙われる危険性が高まるし、何より弱点が明確になり対策が容易になってしまうからだ。特にスキルの少ない段階では致命的になってしまう。


フェイ「そういや、ローズはどうだったか聞いてる?僕と同じ誕生日だったはずだし」

ドロン「あぁ、あいつは・・・引き抜かれたよ」

この世界は弱肉強食だ。強力なクランに入ればその分自分の安全は保証される。

特に16歳を迎えた次の日の引き抜きは日常茶飯事だった。


フェイ「えっ、そんないいスキルだったの??」

ドロン「魔法系のスキルだとさ。剣士系スキル持ちのフラットと一緒に抜けていったよ」

フェイ「そっか。仕方ないね。じゃあクランに向かおうか」

通常、実力のあるクランには、<能力色鑑定(スキルの強さを色で判別可能)>と<能力系鑑定(スキルの系統を判別可能)>のスキルを持っている人がおり、強スキルを引いた人間はクランへの引き抜きがある。引き抜かれた人間がクランへの移籍を希望する場合、1人信頼できる仲間を連れて移籍をする。移籍すると、移籍掲示板に掲載され、半年間は移籍先クランに移籍した人物を死に物狂いで守り抜く責任が発生する。もし守り抜けない場合は、スキル強奪のために暗殺したのではという疑いをかけられ、そのクランの名声は地に落ちてしまう。移籍希望者も、信頼できる仲間を連れていくことで裏切りが発生した場合に協力することができる保険をかけることができる。これは、この国の主の「ルリエ」が建国時にルールとして定めたものであった。

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