卍 映画【オッペンハイマー】とアカデミー賞の共通点 卍
今年度アカデミー賞、日本でもっとも話題になったのは『アジア人差別』というホントにあるんだか無いんだか分からない問題だった。
結論から言えばアジア人差別はある。
あたりまえだ。
そもそもどこの国や人種だって「自分たちファースト」だもん。
一神教で「われわれは神に祝福されている」と思ってる白人の国ならなおさらあたりまえだろう。
ふた昔まえの左巻きが夢想したような世界市民なんて、もう誰も目指してない。リベラルの巣窟であるハリウッドでもあんなんだから、どこにもそんなヨユーなんか無いのは明らかでしょう……特に日本なんて余裕ない人ばかりだもんね。
なのに、アカデミー賞でアジア人が差別されてるとか不平をこぼしてる人たちの、なんとナイーブなことでしょう。
マンガやアニメが世界を席巻してる。
だからと言って「欧米人は日本人が好き」というのはイコールにならない。
少なくとも白人の大半は日本人なんか興味ないし嫌ってる。黒人はもっと嫌ってる、くらいの前提と思っておくのが現実的だ。
唯一、それを覆せるのは個人の交流だけだろう。あるいはスポーツチーム同士の交流といった規模に限る(F-1やスキージャンプを見るとそれもアヤシいけど)
それ以上――日本はまるごと世界じゅうで愛されてる、なんて前提は間違ってる。
アジア人がアカデミー賞壇上でシカトされてた、なんてのは本当にそうだったとしてもごく自然なことなのだ。残念だけどそれが実情と認識しといたほうが、現実でいろいろ起こってることに合致することでしょう。
映画【オッペンハイマー】でヒロシマナガサキの原爆の被害実態や深刻さがちゃんと描写されてない、などと非難してる人たちがいるが、的外れも良いところだった。アレも日本人は愛されてるという前提があっての裏返しであろう。
わたしにはそれは子供の癇癪に見える。
日本人は昔っから、とくにアメリカに対してはへんな親近感というか依存的なところがあって、映画とか日本発祥の事物を絶賛されると多幸感に包まれてしまう。高齢者ならいざ知らず最近はオタクでさえ欧米で通用する作品こそ正義みたいに考えてて、それで【ゴジラ-1.0】は【シン・ゴジラ】より偉いとかそんな評価を下す。
嘆かわしいことです。
みんな、大谷翔平が言った「憧れるのをやめましょう」という言葉をもっと真剣に受け取ったほうがいいよ。