180 第7章のあらすじ
前回までのヴォイドアウト
『タロンの悪魔の木』を無事征服し、ダンジョンコアを村の鉱山に移植するために持ち出すことに至る。
ダンジョンを脱出すると、異常な魔素嵐が猛威を振るう中、洞の木から黒い触腕が現れロランを襲いかかった。しかしその窮地に陥った彼を救ったのは、ダンジョンと敵対関係にある地上の魔物、タロンの主だった。
無事に鉱山最深部にコアを運んだが、移植の方法など知る者はいない。偶然にもロランのバックパックにしまってあった『迷宮の精髄』が光り輝き、コアに引き寄せられるようにして取り込まれた。大きな光が地面を走り抜け、鉱山は崩落の兆しを見せる。
エリクシルの指示のもと鉱山を脱出すると、異常な魔素嵐は止んでいたが、イカのような巨大生物『天使』が待ち構えていた。一行を裁くような視線を向けたかと思えば、なにすることもなくその場を飛び立去る。ダンジョン征服の疲労と、次々と起こる予想外の出来事に一行は疲弊し、一度その場を解散することになる。ロランたちは船で休息を取り、コスタンとラクモは村に戻った。
翌朝、鉱山を訪れると巨大な岩山とその麓に漆黒の大きな口を開けたような入り口が現れていた。探索にチャリスも加え内部の様子を確認すると、ダンジョンは野外型の資源型のダンジョンとして甦生していた。通説を覆す事態に驚きを隠せない一行の中、コスタンはダンジョン発見の報告義務を果たす必要があると説明する。エリクシルは今後の対策を講じるため、ロランと共に船に戻った。
一方その頃リクディア大陸では、此度の異常な魔素嵐や天使の飛来が各地で観測されていた。異常な魔素嵐や天使の飛来が各地で観測され、未曾有の事態に各国の対応が分かれた。フィラ・オルン国はポートポランとバイユールに調査員を派遣し、エセリウム公国は使者をポートポランに送ることを決定した。
コスタンがポートポランへ報告に向かう途中、伝令員と出会い事態を説明すると、ダンジョン調査のための探窟家キャラバンも訪れる予定であることが告げられた。一行は今回の騒動をタロンの主がダンジョンを征服したことにし、知らぬ存ぜぬを通す。そのためにも漂流者であるロランはシャイアル村を離れ、バイユールでしばらく身を隠すことになったが……