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第七話 カプセルトイの時代

その日のお客さまはゼビオ1人で終わってしまった。


あー、やっぱ何か足らないのかな。なんだろう。お店の説明?カプセルトイの説明??値段が高すぎる??景品の魅力がない??わからないことが多すぎる。

結局シキもランザンも来なかったので改善部分を聞けなかった。

うーーーん。1人思い悩んでいた。


ーーーーコンコン


ドアが叩かれる。

「こんばんわー。夜遅くすみません。」

受付のサカドさんだ。


「昼間のやつ。私ちょっと興味あってきちゃいました!まだやってますか??」


「もちろんもちろん!!」

嬉しい!これで2人目だ!!


「これって服とかにもくっつけられるんですか?」

かぶっていた帽子を指さしている。


「はい!どんなものにでもつけて見せます!」

自信満々に腕をまくる。


これは良い機会だ!サカドさんに意見を聞いてみよう!

「あの!サカドさん!今回タダでいいので、ここのお店の率直な意見聞いても良いですか?!」


「え!いいんですか?!嬉しいです!ぜひぜひ!!」

これもマーケティングだ。


「とりあえず、このかぷせるとい?を早くやりたいのでやってみても良いですか!」


どうぞどうぞとマシンの説明をした。

「ここをひねるんですよ。」


ガチャガチャ、ぽんっ!


ダイヤモンドカットされた黒色の石が出てきた。


「まぁ綺麗…!こんな綺麗な加工、どうやってやってるんですか??」


「ま、まぁ。いろいろですよ…!俺のおじさんが鍛冶屋だったもんで色々教えてもらってたんですよ!」

苦し紛れの言い訳をする。この話を切るために早速レビューをもらおう。

「それでぇ、サカドさん。正直、予想よりもお客さんが来なくて困ってるんです。なにが良くないと思います??」


「んー。まずは〜」

流石ギルドの受付だ。的確に指摘をしてくれる。指摘された点は以下の通りだ。


・店内にカプセルトイが一つしかなくて寂しい。

・どんな店か分かりづらい。

・この木箱の中になにが入ってるか分かりづらい。

・店主の服がダサい。


「わたしが思うのは以上です!ぜひ他の人にも聞いてみてください!」

とてもありがたい。まずはカプセルトイの説明をちゃんと考えることと数を増やすことだな。

服がダサいことに関しては…早急に変えよう。

はずい…


その後

帽子にブラックストーンをつけてあげたらサカドは喜んで帰って行った。それを見送り自分の布団へ行く。


明日はまず服屋に行こう。そう決めた。


後日

ひさびさに服屋に来てみた。

多分ここは街でも指折りの名店だろう。

赤い絨毯に金色の縁取り。壁をつなぐ柱ですら豪華な形をしている。

「店の装飾品が豪華だ。」

とても勉強になる。やはり、お店の雰囲気は売り場作りからだなとしみじみ思った。


「いらっしゃいませ。」

ベストがよく似合うダンディおじさんがつきっきりで案内してくれる。

「あのすみません。おれあんまオシャレとかわからなくて…なんか良い感じのありますか?」


胸、腹回り、股下などを手際よく採寸して行く。


「これとかいかがでしょうか?シャイニングバードの羽毛が使われたスーツでございます。」

白色のスーツで光に反射して服自体がキラキラと光る。


「こ、これはきついっす…ちなみにいくらですか?」


「15万zになります。」


高すぎ!!買えるか!!!そもそも50,000z以内でお願いします!!これでも痛いくらい!そう、金欠なのだ。

「あ、あのもう少し安いやつ…」


「それではこちら、売れ残りですのでお安い価格になっています。赤色のベストに使われております綿は、綿の名産地ハイエルフランドで作られたものです。お値段80,000zのところ、いまなら15,000z。」

目立ちすぎだが、これしか買えるのがないため結局これにした。




新品の服を抱えて帰路に着く。

うーん、清々しい。周りの目線を感じる。インフルエンサーになった気分だ。


家に戻ると人だかりができていた。


「もしかして繁盛している?!」

そう思ったのも束の間、嫌な顔が確認できる。

ハゲアタマだ。


「え?おれんちでなにやってんすか。」


取り巻き5人を連れたハゲアタマがこちらを見て答える。

「おい、お前が作っていたあの剣。あの製法の所有権はわたしのものだぞ。製法をもらう代わりにお前を雇ったんだからな。」


乱暴な言いがかりだ。

「そんな約束した覚えありませんけど。」


「ふざけるなよ!!雇ってもらってたぶんざいでその口の聞き方はなんだ!!!」


なるほど、この焦り用からしてもう俺が作った剣の在庫がないらしい。これは売れてるぞ。

自分の店で売ることにした。


「まぁ良い、俺様の店に逆らったらどうなるか覚えていろよ。」

そう文句を垂らしてハゲアタマは去っていく。



ハゲアタマの助言通り木材から剣を作っていく。

それと同時にお店の改善に移る。

まずはカプセルトイマシンを追加で5台作った。

そして店内の内装を赤や青などのシンプル且つ明るい色で装飾していく。


「とほほ、材料屋に借金したから来月やばいな…」


布や木材、テーブルをモデリングしていく。


「でもこの能力があって助かったわ…これ家具屋で買ってたら一生かかっても返せないぞ。」


モデリングのおかげでだいぶ豪華な内装が完成した。


店先には

「おもちゃ、その他装飾品!武器のオシャレで、あの子と差をつけろ!」

と、しっかり広告を貼る。


そして新しい服に袖を通し、店前で元気よく宣伝をした!



「なんだなんだ、新しい店か?」

「あんなとこにおもちゃ屋さんあったかしら?」

「ママー!あそこいきたい!!剣ほしー!」

「ダメよ!おもちゃは高いんだから!」



「オ!そこのママさん!ちょっと見てってよ!値段には期待してください!!」


そう、俺のお店は貴族向けじゃない。家族向けだ。俺のつくったカプセルトイで笑顔になってほしい、その想いだけだ。


「じゃあ、行ってみようかしら。」


子供と店内に入っていく。

それを皮切りにゾロゾロと店内は人だかりになった。


追加のカプセルを作ってマシンに補充する。

その後大きな声でカプセルトイの説明をしていく。やり方についてはマシンに貼ってあるのでわかるだろう。


「ママ!みて!!金ピカの石が当たったよ!!!」


「まぁ!100円でこれが楽しめるのは素敵だわぁ!」

嬉しいでこっちも嬉しい。


「僕くん、それ、剣につけてあげよっか。」


「えーいいの?!」

ちびっ子とお母さんはデコられた剣を持って笑顔で帰っていく。


店内を見回っていたら気づいたがゼビオも来店しているようだ。


「おう、ホビ。ずいぶんと賑わってるじゃねぇか。」


「ゼビオさんのおかげですよ…あはは。」


「何言ってんだこのタコスケ。もうちょっとカプセルトイの種類増やしたらどうなんだ。」


ゼビオは手元にたくさんのカプセルトイを抱えてアドバイスしてくれた。


たしかにもう少し増やすべきだろう。

明日、新たなアイデアを考えることにした。




閉店間際、今日の売り上げを数えているとシキがやってきた。


『ホビー!!!カプセルトイ完成してたの?!ずるいずるい!冒険してる間にお店開くなんて!!』

ドアから顔を覗かせるシキ。


「シキも良かったらやっていきなよ!」


お言葉に甘えて、とシキは何度も回しまくる。

追加したカプセルトイも底をつきそうだった。


シキは棍棒全体に石を着けたいらしい。


モデリング!


生ハム原木からゴテゴテジュエリーハンマーへと変貌した。

ご満悦そうに眺めるシキ。


「シキ、明日新しいカプセルトイを作るつもりなんだけど一緒に作らない?」


「えー!つくるつくる!!シキ楽しみ!!てかさてかさ、それだったらランザンたちも呼んでみんなで考えようよ!!」


確かに。それなら異世界人の話も聞けるしアイデアの母数が増えるしで一石二鳥だ。


「それじゃ明日お願いね!!」


この日の売り上げは1000個売り上げて10万円だった。

ここまで読んでくださり誠にありがとうございます!

もしよろしければブックマークや★よりも、

どんな「カプセルトイ」が異世界にあったら面白いか、コメントで教えてくださると嬉しいです!!

皆さんのアイデアを色々反映させていきたいです!


好きな世界観をたらたら書いていきますが、応援いただけたら嬉しいです。

何卒宜しくお願い致します。

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