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第五話 カプセルの素材探し

自宅の裏庭でカプセルトイ作りを始める。


とってきた木材を寄せ集め、まずはテーブルを作る。


モデリング!!


集めた木材はグニョグニョと集まり、作業台へと様変わりした。

「へぇ!バラバラの素材でも集めたら1個の物になるのか!勉強になったぞ。」


落ちてくる汗を吸い取るように頭に布を撒いた。

いよいよ本気でカプセルトイを作るつもりだ。

といってもmetubeで見たダンボールで作れる簡易なやつだ。


「裏庭だと気兼ねなくモデリングできるのが良いね。誰にもみられない!さすがは神様提案の物件だ。痒い所に手が届く。」


「そのあとはえーっと。」

黙々と作業を進めていく。

程よく時間が過ぎた。

「よし!これで蓋をすれば!」


『完成?!』


「うわぁ!!」

シキが家の内窓から顔を出していた。


『ごめんなさい!シキ、カプセルトイってのが見たくてホビの家聞いてきちゃった!』

おいおい、この世界の個人情報管理大丈夫なのか?


「いま完成したところ!」


『これをどうするの?!』


「この木製のカプセルを入れて…と」

「回してみて!」


『おおおお、おおおおおお!』


カプセルが出てきた。

『え、これだけ?』

「うん。」

『シキ、おどろき。』

嘘つけ。明らかに冷めた顔をしているシキ。


「これで完成したのはカプセルトイの本体だよ笑このカプセルの中にいろんなおもちゃを入れるんだ。」


『えええ!英雄卵みたい!!』


完全に忘れていた。英雄卵だ。それと酷似している。

「うわ。あのハゲのことだから、これは盗作だとか言い出すぞ…」


この子意外と頭いいのかもしれない。

「それもそうだな…」

『シキ、頭いい?!』

「頭いいね笑」

『ホビ、シキのことバカにしてる。』

そんなことないよと愛想笑いを返す。でも確かにありがたい意見だ。消費者の意見はいつの時代もどの世界でもありがたいもんだな、とつくづく感じる。


「じゃああと完成までには2つ必要だ!」


『ん?!なになに?!シキ気になる!』


「1つ!カプセルの改良。パクリを疑われないため。

2つ!中身のおもちゃ。何を入れるか考える!」


『んんんんん!うん!!なんか楽しそう!シキも一緒にやる!どうせお金なくてやる事ないし…笑』

バツの悪そうに頭を掻く。


「よし!そしたらまた明日外にヒントを探しにいこ!!」


『そうだね!シキ明日の朝、また来るね!』


なんだかシキと仲良くなれた気がした。ものづくりをこんなに楽しんだのって文化祭以来かな。人と一緒に物を作るって、なんか楽しいな。

ものづくりの意外な一面に気づけたホビであった。




翌日。

『ホービー!!!!』


「ぬわぁ!」

外から聞こえてくるシキの声で目覚める。


「シキ!朝早すぎるって!」


『開けてー!!』

ドアをガチャガチャやっている。

昨日のようなこともあるので鍵をかけておいた。これが功を奏したようだ。


「待ってて!今降りるから!」

シキは不機嫌そうに腕を組み、片足をバタつかせている。


「はいはい、ごめんね。準備終わった!さ行こっか!!」


大慌てで外に出た。

シキの機嫌が元に戻る。彼女の背中には昨日渡した棍棒が鎮座していた。

「え、それよく持てるね…重くないの?」

『シキ冒険者だよ??ちょっと舐めすぎじゃなぁい?笑』

嘲るように笑う。

バカにされてしまった…

「アハハ、そうだね笑」

精一杯の作り笑顔で悔しさを抑える。



街を抜け草むらも抜ける。

「今日の目的はカプセルの素材探し!」


気合いを入れた矢先、足元に違和感を感じる。


「うわ!なんだこれ!!」

『ぎゃははは!ホビの足元、くっつきスライムめちゃくちゃ付いてるじゃんか!!ぎゃははは!』


草むらを通ったからだろう。足をふれどもふれども離れない。


『ぎゃははは!』


「シキ!笑ってないで取ってくれよ!!」


『水かければすぐに落ちるよ!』


「先教えてくれえぇぇえ!!」


シキの足はしっかり濡れている。草むらに入る前に自分だけ対策したのだろう。


「シキぃぃい!」


『ぎゃははは!』


逃げるシキを追いかける。



結局夕方まで探索したが、カプセルになりそうなものは無かった。


「うーん。どうしたもんか。」


『ねー、道にも迷ったしね。』


「うーん。」


「は??」


『なんか見つけた?!』

そういうことではない。


「道に迷った??」


『うん、シキここらへんに来てまだ2ヶ月だし。』


な、なんと…完全にシキを信用しすぎていた。スマホを出してマップを確認する。


「うわ!ここ枯れた森って書いてあるけど…」


『なにそれ!?地図?!』


「そんなようなものだよ。」


『でも名前と全然違うね。全然枯れてないね。』


「ね、けど暗いよね。怖いな、この雰囲気。」


あたりは暗くなっていく一方で森も深さを増していく。


そんな状況で怖い思いをしないわけがない。





ぶるんっ

何かにぶつかる。

スマホのライトをつけて確認する。


ぶるるんっ


『「ぎゃぁぁぁぁぁあ!!出たぁぁぁぁぁ!!」』

半透明な緑色の人型とぶつかった。


シキは謎の液体に向かって棍棒を無闇矢鱈に振り回す。


ぶるるん!

弾力で弾き返される。

『むりむりむりむり!』


全力で走る2人。

森の上空からも先ほどの液体が降ってくる。


『「ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!!!」』


もう終わった。絶体絶命。南無阿弥陀仏。




???「だから待てって!!」

どこからともなく声が聞こえる。


あたりを見回す。

周りには何も見当たらない。


???「こっちですよ!!」


声の行方に顔を向ける。


先ほどの液体がこちらに向かってきていた。


『「ぎゃぁぁぁあ!!」』


???「逃げるなぁぁぁぁぁ!!」


液体から人間が飛び出す。


???「だから逃げないでください!!あなたら降ってくるドレインスライムの餌食になりますぞ!!」


『「おばけが喋ったぁ!!ぎゃぁぁぁあ!」』


???「お化けじゃねぇです!!ぼくは魔物学者のランザンです!にんげんだよ!!生きてる!!」


全裸の男が喋っている。

『へんたい!!』


ランザン「!!」


棍棒を振りかぶるシキを咄嗟に止めた。ランザンという男に注視をしながら様子を伺う。


「なんなんだおまえ!てかなんだあの液体!お前なんで液体の中に入ってた?!」


ランザン「ぼくは魔物を研究してる学者ですよ。こいつらは液体じゃない。ドレインスライムっていいます。この森が枯れた森って言われてるのは知ってますよね?」


「いやまず服着ろよ。」

軽蔑の眼差しをランザンに送る。


ランザンは今気づいたような顔をしながら服を取り出す。

着替えながら続けるランザン


「こいつらドレインスライムは中に閉じ込めたやつを永遠に閉じ込める。そして養分を吸って生きていく生態です。こいつらに囚われた生物はまるで枯れたような死体なる。だからここの森が枯れた森って言われるようになったんですよ。」


知識をひけらかすランザン。


「まぁただ、僕のドレインスライムちゃんとは信頼関係があるから、出入りできちゃうんですよねぇん。」

スライムに頬を擦り付ける。


「いやいや。そもそもスライムの中に入るってどゆこと。考えられん。」


『シキ、同感。』


侮辱したはずが、ランザンの気持ちいい部分を刺激したらしい。ランザンは得意げに続ける。


「これがまたキモチィんですよ。スライムの中って。」

足を突っ込み、気持ちよさそうな顔をするランザン。


『「こいつ変態だな。」』


無視して先に進もうとするとランザンが慌てて追いかけてきた。


「ちょちょちょちょちょい!!まってください!!ぼく道に迷っちゃったんですよ!気づいたらここにいたんですよ!ドレインスライムの群れから助けたんだから次はこっちを助けてよおお!!」


無視して先を急ぐ。

ここまで読んでくださり誠にありがとうございます!

もしよろしければブックマークや★よりも、

どんな「カプセルトイ」が異世界にあったら面白いか、コメントで教えてくださると嬉しいです!!

皆さんのアイデアを色々反映させていきたいです!


好きな世界観をたらたら書いていきますが、応援いただけたら嬉しいです。

何卒宜しくお願い致します。

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