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第四話 カプセルトイのために

 当たり前のように安売りされてる木製の剣。

 俺が毎日作ったやつだ。

 1ヶ月の間作り続けたため、頭に思い浮かぶ形が鮮明になった。

 当初の作品と比べるとだいぶマシなドラゴンソードになっている。

 けどそれも時給は変わらない。

 あのジジィ…!!


 決めた! 俺がおもちゃ屋作ってやる!

 このままアルバイトをしていても埒が開かない。

 そもそも俺は転勤でここにきたはずだ!


 伽藍堂な自宅一階を見つめる。

 店を開くことにした。


「よし! まずは本業のカプセルトイを作らなくては!」


 カプセルトイのシステムを間に合わせで作れそうな材料に置き換えて想像する。


「まずは木材か。木材加工なんて中学の技術が最後だけどやるしかないか」


 材料屋に向かう。


「ごめん下さーい。木材ってあります?」


『いらっしゃい! 材料屋のカゾに任せればどんな木材でも揃うぜ!」


そう言ってカゾは白い木材を出す。


 「一本5000z」


「は、はぁ?! 高すぎないっすか?!」


『当たり前だろう! わざわざここら辺で取れる木材売るわけないだろ! どれも最高級しか扱ってないぜぃ!』


 なぜか自慢げだ。

 高級素材屋だったのか。


『お! 兄ちゃん! 木材取りに行くなら1人で行くのはやめた方がいいぜ! 他に冒険者でも連れていきなっ!』


 冒険者ギルドの紙が渡された。


『がんばれよっ! 兄ちゃん!』


 材料屋から背中を押された。


 冒険者ギルドについて受付の女性に話しかける。


「すみませーん、冒険者紹介して欲しいんですけど」


『こんにちは! わたくし、受付のサカドです! どのような目的でございますか?』


「森に木材採集しに行きたくて」


『かしこまりました! それなら一番安い紹介料でご案内できます!』


 お! ラッキィ! 


『15,000zです!』


 高い…! 1番安くてこの値段か。

 命を守ってもらうんだ。ここは仕方ない…バイトで稼いだ金貨が入った袋を出した。


『シキさーん! 護衛依頼でーす! 木材採取です!』


 シキと呼ばれる女性が反応する。


『おお! 仕事か? 仕事か? 嬉しい嬉しい!』


 乱れた長い白髪が足元まで伸びた綺麗な女性だ。

 動物性の素材で動きやすそうな服を着ている。


「ホビです。よろしくお願いします」


『よろしくね! シキ、武器壊しちゃってて今お金ないからモンスターも狩りにいけないし、ちょうど良かった!!』


 さっそく彼女と街を出て森へ向かう。


「シキさんは格闘家なの?」


『シキでいいよ! シキね、本当は棍棒振り回したいんだけど、たっかいんだよねぇ棍棒』


「武器ってそんな高いのかい?」


『ピンキリだけど、棍棒売ってるところが少ないんだよね、だから買えなくて…』


「他じゃダメなの?」


『他の武器でもいいんだけどねぇ、なんか馴染めないって言うか、やっぱ本領発揮するなら棍棒って感じ!』


「モンスターを倒しやすいとか?」


『そう! それ! やる気が起きない!』

 

 それは死活問題だ。

 こんな俺みたいな貧弱な体、守ってもらわないと死んでしまう。

 近くの丸太に手を触れる。

 グニョグニョと液体状に広がり、さっきまで丸太だったものを生ハムの原木のような形に変える


「棍棒って、こんな感じでいい?」


『ん? …えぇぇぇぇぇえ?! なんでそんなの持ってるの?!』


「スキルだよ、ほら」


 落ち葉をシキの姿にくり抜く。


『どんなスキル?! 何そのスキル!』


「シキはスキルとかあるの?」


『スキルはあるよ、私バトルスキルしかない! そもそもスキル持ち自体珍しいからねー』


 やっぱスキル自体はあるのか。


『ホビさん武器作るのが上手なら武器のお店ひらけば??』


 シキがキラキラした眼差しをむけてくる。


「んー、それは考えてないかな。俺はこの力を使ってエンタメを作りたいんだ、それに弱いしね。武器作ったりお金儲けてたら目つけられて殺られるだろうし…親父狩り…」


『えんため? よくわからないけど、ホビが弱いことは伝わったよ』


 ケラケラ笑っている。


『シキ小さい頃からおもちゃ大好きで今ももちろん好き! でも高くて買えないからな』


 この世界ってやっぱおもちゃは高価なものなのかな。

 そんなこんなで伐採場にたどり着いた。


 手頃な木を見つけて近くの石を繋ぎ合わせる。

 斧にモデリングしようと考えていた。


『ねねホビ! シキ、ホビの棍棒使ってみても良い?!』


シキがワクワクしている。ここはシキに譲ってみよう。


「良いよ、使ってみて!」


 シキは思い切り棍棒を振りかぶり

 叩き割った…!!!



ーー爆発音


 シキ前方5メートルの空間が削られており、更地になっている。


「え、え?」


『ふう!』


 シキちゃん、恐るべき腕力。

 さっき作った棍棒に少しヒビが入っている。

 これはすぐき武器壊れるわ。


 周りに散らばって爆散した木材を拾う。

 加工する手間が省けてありがたい。


『そんなので良いの?』


「うん、カプセルトイ組み立てるだけだし」


『かぶれるっぽい??』


「カプセルトイ」


『カプセルトイ! それもエンタメ?? おもちゃ??』 


「そうだよ!」


 適量を拾い終えて帰路に着く。

 ギルドに完了報告をしてシキと別れた。


 よし! 早速カプセルトイ、作るぞ!!



ここまで読んでくださり誠にありがとうございます!

もしよろしければブックマークや★よりも、

どんな「カプセルトイ」が異世界にあったら面白いか、コメントで教えてくださると嬉しいです!!

皆さんのアイデアを色々反映させていきたいです!


好きな世界観をたらたら書いていきますが、応援いただけたら嬉しいです。

何卒宜しくお願い致します。

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