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殻の中の子供

 ふわあぁ。こんちは。僕だよ。昨日は楽しかったなぁ。久しぶりに体が傷ついて痛みというものを思い出したよ。あの子はもう少し後に僕の山に来るんじゃないかな?鍛えてきそうだし。

 お、今日も人が来た。え、子供?少なくとも大人ではないな。


「はろー」


「こんにちは。なんか体が軽くて山をすいすい登れました!」


「それは、君の執念が凄いからだよ。この山は復讐したい者だけを歓迎する。

 復讐したくない者はこの山を見つけられないんだ。執念を持つ者は、この山を見つけて山を登ろうとする。体疲れなかったでしょ?身体能力はそのままだけど体は疲れないんだ。登ってる時にはね」


「見た目に対してこの山は小さいんですね」


「小さいわけではないよ。ここは。僕が所々転移地点を作ってるんだ。運良くそこに入れた者は、家が目の前にあるところに転移する。僕の復讐の依頼には運も必要なんだよ」

 

 前の依頼の子供は魔人だったから凄い速さで登って来たけど。


「へぇーそうなんですか」


「うん。それでは、単刀直入に聞く。君が復讐したい相手は誰だい?」


「いじめっ子です」


「ほう」


「学校の中で僕はいじめられています。学校に入ってからその子と出会いました。

 いじめっ子は、いじめる集団のリーダーです。あの子の標的にされた人はいじめられます。いじめっ子グループによって」


「なんでリーダーだけなんだい?」


「他の子は巻き込まれているだけだからです。いじめられたくないから」


「なるほど。引き受けた。では僕も変身しよう」


 変身魔法 心を描く体


 僕は子供の身長くらいに変身する。


「うわぁ!凄いですね!こんな魔法初めて見ました!」


「ふふふ。僕にかかれば造作もないことだよ。君は何歳だい?」


「十二歳です」


「そうか。今学校は休みなのかい?」


「はい。明日から学校ですね。太陽と月が通り過ぎる回数を数えてたんですよ。一回月が過ぎただけですけどね」

 

 僕昨日依頼完了したからね。その時点で山の結界は開くから、その後に入ったとすると相当運がいい。


「おぉ!聡明だね。君は」


「そんなに褒めないでくださいよぉ〜」


「さて、君の学校に連れて行ってくれるか」


「学校に来てどうするんですか?いじめっ子を復讐するんですか?」


「いや、クラスメイトになろう」


「え?」





 僕達は山を降りる。転移地点から降りたからすぐに山の麓についたよ。

 少し歩いたところで建物群が見えた。学校があるから都会と想像していたが、こんなに近くにあるとは思わなかったな。外に結界が張ってあって、その中に建物がたくさんある。


「ここが僕が住んでる街、トールーカです!」


 街並みは魔法だらけという感じだ。高い建物は魔法で作った金属でできており、低い建物は木で作って魔法で強化している。


「ほぉーいいところだね」


「僕の学校に案内します!ついてきてください!」

 

 僕は依頼者についていく。





「ここが僕の学校、マークサラカです!」


 学校は魔法でできた金属で建てられていた。


「赤いところが初級の魔法を学ぶところで、白いところと青いところは中級、上級と上がってきます。子供と大人が学んでいます」


「君はどこの階級なんだい?」


「初級ですよ」


「なるほど」


「この学校は入りたいと思った瞬間入れるわけではありませんよ。もちろん入学試験があります。

 今だと一年中開催されているところしか募集していません。とても難しいんですよ。定員は十名くらいですし。その代わりに好きなクラスに途中から入ることができます」


「さっきも言っただろう?僕は君と同じクラスに行く」


「合格してから言ってくださいね」


「うん」


 僕は入学試験を受けるために校門のアーチを潜って学校に入った。





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