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短編集

視界に苦しむ

作者: _



 つらい。考えてもいないのに考えている状態が続いて辛い。


 せめて有意義なことを考えようとエッチな妄想をしたり創作したりゲームしたりする。


 それをしていない時間は雑音がましく、静かが濁る。


 特に深く考えたいわけじゃないのに汚れたクッションを見て、汚れている原因を考えたりする。


 それだけじゃない。プリントされているアニメキャラを理解し、刻まれた文字を読み、色と手触りを考えて触れる。


 それが見る度に一瞬で全て行われ、解析される。


 欲しい情報を探る為に見ていなくても、全てをもう見てしまってる。その時に頭が少し疲れ、理解が心の声に復唱され、自然と周りの音がくすむ。


 深く見ようとしてなくても深く見ていると言えばいいか?


 トイレをしている時、汚れや床にはめ込まれた色を見て文字がつらつら。


 これは物事にも言えることだ。


 デトロイトビカムヒューマンを知っているだろうか?


 アンドロイドが目の前の物事に合わせてアクション選ぶ時に吹き出しが出てくる。


 例えば。『落ちた魚を水槽に戻す?』って。


 これは冗談ではない。


 本当に、使い終えたコップや紙パックの上に『これを捨てる?orこれをキッチンに置く?』と出ていることに気づいた。


 その時は透明な文字なのに、自分はそれを読むことができる。


 しかしメタルギアのステルス迷彩が視認できるようにその文字も微かに周りから浮いている。


 つまりは視界を侵食していてボヤけさせている。


 目に見える混雑はとても現実を荒廃的に感じさせる。


 4Kテレビの方が現実よりも綺麗なのは考えることがその中にはないからだ。


 おっと! もっとわかりやすく言おう。


 テストのプリントには数十個の問題が書かれている。


 それを視界に捉えた時に文字が出てくる。


『この問題を解く?』『この問題を解く?』『この問題を解く?』

『この問題を解く?』『この問題を解く?』『この問題を解く?』


 そりゃあ、やる気が出るわけないでしょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんだかすごくわかります。 疲れているととくに、何もかもが見えない文章を伴ってリアクションを問いかけてくるような、そんな気持ちになります。 テレビやラジオから流れるアナウンサーの声は、勝手…
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