1/1
prologue
あるところに
それはそれは可愛らしく優しい娘がおりました
その娘は母親と父親と三人で―――決して裕福ではありませんでしたが、毎日幸せに暮らしておりました
娘は町でも評判でした
その美しい美貌ゆえ、何人もの男が娘に言い寄りました
ですが娘は、私はこの町の人みんなが好きだから特別扱いはできない、と断りました
もちろん素敵な恋には憧れていましたが
娘の優しさも町一番でした
自分の幸せより人の幸せのほうが大事で、困っている人のためなら笑顔でなんでもする
そんな、美しく、明るく、優しい良い娘だった
みんなの前では