鈴ちゃんおめでとう.......え?
美那side
「鈴ちゃーん!」
「おぎゃーーおぎゃーー」
「かわいすぎるよー桜ぁ〜」
桜の赤ちゃんが退院してきた。
命名は鈴と書いてりん、と読む。
「おぎゃあーーーおぎゃあーー!」
「あれ、ミルク?おむつ?」
「ううん...環境の変化に泣いてるだけなんだって。」
「......へぇ〜。」
優人くんと葵は仕事、芽衣はというとその辺で積み木遊びをしている。
たまにおねえたんも、って言うんだけど鈴ちゃんにお顔覚えてもらいたいからね。笑
鈴ちゃん...
まんまるいおめめにぷっくりぷにぷに...かわいいいいいいいい
小児科で赤ちゃんはいっぱい見てるけど親戚となったらほんとに可愛すぎて理性が壊れるよ...
「.......」
「あ、寝た?」
「うん...寝たぁ!!」
「おねえたーん」
「ん?」
「あしょぼ!」
「ごめんね、ちょっとお口チャックだよ〜」
「...んーん...」
芽衣にも構いたいんだけど鈴ちゃんも可愛いの〜......っていう波が自分の中にある。......
だって、....ねぇ、...鈴ちゃん...
「ふぇ、ふええええん!!」
芽衣が構ってもらえなくて積み木を床に叩きつけた。
...鈴ちゃんが起きて泣いちゃう!!
私は鈴ちゃんを抱いて隣の部屋に行った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
隣の部屋に行っても聞こえてくる泣き声。
...せっかく鈴ちゃんと一緒にいられるのに、とイラついてる自分。
でもどうにもできず、寝ている鈴ちゃんを見て癒される自分。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」
すると桜が部屋に来た。
「...美那?...どうすんの、?」
「......へ?...いつも芽衣に構ってるんだしたまには良くない、...?」
「んー...まぁね、ってか鈴独り占めしないでよー」
「だってあんたみたいな産休育休ないもん笑」
「でも当直多いから日中よくいるじゃん笑」
「うわあああああああああああああああああん!!」
風船が割れたみたいに泣くめいの声が近づいてくる。
途端に私の頭がキーンとして痛くなる。
「...っ...」
「え、だ、大丈夫?」
「ん、...なんか頭いたくなってきちゃって...」
「うわああああああああああああああん!!ぶぁぁぁぁああああああん!!ぐぁぁぁぁぉぁぁぁぁぉん!!」
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「......芽衣...いっつもうざいんだよっ!!!!!」
「お、お姉ちゃん!!」
「許さない...鈴ちゃんと話しただけで...」
「美那...何言ってんの、...」
「芽衣なんかいなくなればいいの!!!!」
桜井家の家庭崩壊の幕開けだった__