EP20 テレサ③
雪姫が気が付きます。誰が敵?が次第に明らかに成っていきます。
「7か国議会が紛糾?」
ゴルノバ王は、部屋に入り、説明を始めた。
「この度のキメラを、ペイン国の仕業と、他国が名指して非難を初めた」
根拠なんかあるの?
「ペイン国は、先進代文明では、キメラの研究をしていたグエン帝国の上にある。
人類域で、唯一グエン帝国領跡にあるのが、ペイン国だからだ」
それだけって?証拠も無しに決めつければ、怒るよ。
ゴルノバ王は、ボードにラムタ大陸を描く。
ラムタ大陸は、南北に長い長方形の形をしている。
赤道を書き入れ、2時から8時に向かい、線を引く。
「ざっくりだが、ここがペイン国だ」
赤道直下の左側の海岸線。そこがペイン国で、確かに2時から8時に引かれた線の上側の中にある。
「ミサキが止めたが、止まらんし、ワシでも収まらなんから、ステラに行かせたが、何かおかしい」
ボードの下に、ペンを置くゴルノバ王。
「ラリア、ジプト、リカの、ペインの隣接3か国が、一斉に非難を始めた」
東側にある、3か国だ。
「頭から決めつけ、3か国の足並みがそろっている。情報を共有してるような感じだな」
言いたいことを、慎重に言葉を選んで話している感じがした。
「襲撃を受けたのはルーランだ。主導はルーランであるべきが、何故かジプトがシャシャリ出て・・・」
確かに人は、たまにやる。
自分が無実の時、疑いが掛かるのを恐れ、とりあえず誰かを犯人に仕立て上げる。
だが、これは無実の者だけの行動とは言えない。犯人も同じことをやるからだ。
確たるモノが無い以上、ペイン国を庇う事も、3国を支持することもできない。
真っ直ぐで、公平な王様だからこそ、困るしかない。
・・・・
・・・・・・あれ?
私は、王様が書いた地図を見て、違和感を覚えた。
これって・・・。
「みんな聞いて!」
立ち上がりボードの前に立つ。
「この歴史、領土の位置は、なんでわかったの?」
突然の的外れな問いに、みんなは少し困惑したが、リアちゃんが答えてくれた。
「それは、歴史調査チームの研究により判明した事です」
「ミサキのチームの功績だ」
そうか。マリアの記憶からじゃないんだね。
「申し訳ありません。私には領土の情報は与えられませんでした。
戦地で起動され、目標を指示され、撃つだけでした」
そっか、マリアの記憶じゃないなら、間違いないかも。
「これってさ、おかしくない?」
私は、ルーランの王都の位置を『ブルグ王国の首都』地図上で右下に丸を書く。
そして、その対角線、左上に『グエン帝国の首都』の丸を書き込む。
「それがどうかした?昔から分かって居る事だぞ」
それぞれの首都の位置は、残された文献から、分かっていた。
「なら、これでは?」
私はペイン国の所に丸を書く。『キメラの研究施設』だ。
そして、赤道上に、もう一本、太く線を引く。
しばしの静寂。アーロン君が「あ!!分かりました!」と、声を上げた。
「そうか。確かにおかしい」
「言われてみれば、でございます」
ブルックやギャリソンも分かった。
『国境の近くに、重要施設など作らない』
まして、ペイン国は、オリンポス山脈を挟み、わずかな土地しかない場所だ。
最前線中の最前線。もっとも闘いが激化しやすい場所に、重要施設を作るはずがない。
「マリア、当時の戦闘記録はある?」
「はい。残っていますが・・・」
よし、なら分かるかも。
「攻撃目標の方位の記録ってある?それとオリンポス山脈を挟んで戦った記録は?」
「あ!それなら」
マリアを開発したブルグ王国は、領土の大半を南側に持っていた。
この地図が正しければ、攻撃は南から北に撃つことになるはず。
「遠距離攻撃の殆どが『東方向』です。オリンポス山脈は、常に右に見て攻撃をしていました」
ビンゴ!
私は大陸の真ん中。上から下に線を引く。
左右を2分した。
マリアは、右から左に攻撃をする。
オリンポス山脈が右に見え、攻撃は東方向。
「これが、正しい領土の位置関係」
大陸を2分していたことは、やはり文献から分かっていた。
斜めに2分ではなく、左右に2分が正解だ。
「となると、ルーランの一部も、グエン王国の領土?」
王は驚くが、すぐ理解した。
「と、いう事は、研究施設の遺跡があるのは、ペインだけでは無いと言う事だな」
7つの国で、グエン帝国の領土の上にないのは、西側海岸にあるランド国だけだ。
ランス国とルーランは国境沿いになる。
私の理屈では、施設があった可能性が低い。
「施設の有った可能性の高い4か国。ペイン、ラリア、ジプト、リカ。
そのうち3か国が、ペインの仕業としている・・・。こりゃ、その3つが怪しいわな」
ブルックの言うとおりだ。
「雪姫、よく気が付いた!大したものだ」
お褒めの言葉をいただいた。コンサルタント料は頂けるのかな?
ゴルノバ王は、とりあえず、この話は伏せておくように、と言い残し、戻っていく。
3Fの窓から、親子でだ。
証拠は無いし、有ったとしても、それは領土の問題だけの話だ。
教科書は書き換えられるかもしれないが、今回の問題の解決にはならない
むしろ混乱を広げるだけになる。
嫌な臭いがしてきた。
魔人族から情報を得ていたのは?
情報部、部長の登場です。
係長がジェームス。では部長は?




