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EP1 出会い⑦

毎日更新は変わりませんが、GW期間の数日が、時間が不定期になります。

帰りも超特急だ。雄叫びを上げるマックス。

必死にしがみ付く私。何をそんなに急ぐんだよ!!


マックスがばてた。森で野営をすることにした。

野営の装備は持ってきていない。

大きな樹の根元に座り、私はマックスに抱かれるように眠る。

マックスは毛を膨らませ、私を包み込む。モフモフが味わえた♪



目が覚める・・周り一面が白。地平線も空も地面も白。

あ、これ夢だ。

私は、自分が夢を見ていることに気が付いた。

良し寝よう。

私は、もう一度横に成る。モフモフ感がある。私はマックスに抱えられて寝ていることを、実感した。


が・・地面に目がある。目は私を見ていた。・・・・目線が合う。

「初めまして。雪姫ちゃん」

狼だ。白い狼が地面の色と交わって。。。白姫さん?


「起こしてしまったわね。あ、でもここは夢の中。寝ているのに起こすって変よね。あれ、でも雪姫ちゃんは起きてるし・・あれ?」

白姫さんは、指を顎に当て「あれ?あれ?」と、小首をかしげていた。


「あ、あの。これ頂きました」

私は胸にあるペンダントを見せる。

「貰ってくれたのね。嬉しいわ」

なんて神々しさ。見たことの無い笑顔は、後光がさしていた。


「若い子には、もう少し派手な方が良かったかしら?でも、あまり派手になると、品が無くなるし・・でも、おばさんのセンスだと若い子向けではないし・・あれ?あれ?」

今度は曲げた指を口に当て悩んでいた。


面白い人だ!



白姫さんは、私を抱きしめた。

  「もう行くわ。あの人を怒らないで挙げてね」

スケベなところ?かな?



   「雪姫起きろ!出発だ」

超モフモフの白姫さんに抱かれ、夢心地の私は、現実に引き戻された。怒るなとは、この事か?



マックスは、ばてていた。

夕方屋敷に着くと「寝る」と、一言残して部屋に入って行った。

私は、おんぶされていただけで、疲れてはいない・・・いや、そうでもない。結構疲れた感がある。

マリアがお風呂に誘ってくれたので、お風呂したら、少し寝ることにした。


リアちゃんと違い、マリアのボディーは大人だ。

作られた体とは言え、バランスが凄くいい。

勿論リアちゃんと同じ、銀色のボディーだが、いくら食べても変わらないボディーライン。ギア族うらやましか。




「白姫さん、起きてください」

体を揺すられ、私は目を覚ます。23:30!?やはり疲れて居た様だ。

「マスターがお呼びです」

リアちゃんの顔が・・・なんだろう、悲しそうだ。

私はマックスの部屋に入る。


       全員が居た。


「待っていたぞ」

マックは普段と変わらない。が、周りに居る皆は、真剣な顔つきだった。


 「突然で悪いんだがな、俺はもうすぐ死ぬ」


え?・・・なに?それ?

「昔、呪いをかけられちまってな。どじった」

頭掻きながらいう事かよ!

「あと20分と言ったところか?女房の予言だと0:00丁度らしい」

冗談だよね?ちょっと、みんな?


私は周りを見渡すが、みんなは目を伏せ、体を震わせていた。

冗談なんかじゃない。

「3つ目の予言は、俺の死ぬ日時だ」

そうだ。私は2つしか聞いていなかった。

マックスは、わざと3つ目を言わなかったんだ。


「そこでお前に頼みがある。俺に変わってギルドマスターを、引き受けてほしい」

私に?マスターを?なんで?

「お前しかいない。ギルドマスターには絶対の条件がある。

     絶大な力。強力な魔法だ。

あらゆる不利な状況を、一撃でひっくり返す力。ギルドを守る最後の砦。

     それが、ギルドマスターの資格だ。

お前には、それがある」

無理だ。まだこの世界の事を知らないし・・・。


「頼む。お前しかいない。そして俺にはもう時間がない」

時計を見た。23:50!あと10分。


嫌だ、マックスが死ぬ・・私にマスターに成れという。

マックスが死ぬ。死なせたくない。断れない。でも自信がない。

感情が頭を混乱させる。


「すまんな。俺は妻を尊重する。運命に抗うことなく死んだ妻を、俺は尊重したい。だから俺も運命を受け入れ、ここで死ぬ」

マックスは、私を抱きしめた。

     

    「怒らないで挙げてね」

・・白姫さんの言っていたのはこの事だ。


怒れるはずなんかない。私を大事にしてくれたマックス。

娘として見ていたに違いない。

    

  「白姫さんにあったよ。夢の中で」

私の言葉を聞くとマックスは、笑った。

「そうか、あいつは心配性だからな。俺が迷わないように、迎えに来ていたんだ」


     

  「雪姫。時間がない。返事をくれ」

断れる訳がない。事実上の一択だよ。

でも、マックスが望むことだ。一択じゃない。私が選ぶ答えが

  「引き受けるよ。私がギルドマスターに成るよ」

        私の真意だ!

   



マックスは振り返り旗を持つ。


白の旗。なにも描かれていない真っ白な旗。

が、突然旗が燃え出す。

「!!!」

私が驚くと、旗は勢いよく燃え出した。


「我がギルドフラッグ『不屈の雪』だ。 旗にはギルドの魂が織り込まれている。

特殊な魔法効果で、旗が燃えない限り、この炎は燃え広がることはない。

   白い旗色は雪を表し、炎に包まれても決して溶けない雪。

     我がギルド「スノープリンセス」の魂の御旗だ!」


「スノープリンセス・・・雪・・姫」


「雪姫。気に入らない運命に、身をゆだねるな。お前は、俺達とは違う。戦え、抗え、未来は自分の手で切り開け。負けるなよ。わが娘よ」

「・・・お・と・う・さん・・・」

言葉が自然に出た。


「最後に一番聞きたかった言葉が聞けた。俺の人生は悔いなしだ!

みんな!雪姫を頼む。ありがとうな。たのしかった」


時計の針が0で重なった。


マックスは、笑ったまま逝ってしまった。

すすり泣く声が、聞こえる。

私は笑ったままのマックスを、いつまでも見つめていた。



これが、私、雪姫がギルドマスターに成ったエピソードだ。








ギルドと同じ名を持つ雪姫。

この話は、以後のストーリーで、掘り下げていきます。


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