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EP18 記憶にない帰還①

帰還編3編です。物語は、ケプラスのダンジョン、穴が開いた瞬間へ戻ります。

「マスター!!」マリアが叫ぶ。

「え?」


私の後ろに『穴』!?


「マリマス!雪姫さん!離れて!」

サリーさんの叫び声が聞こえたが・・・・


引き込まれる・・嫌だ!元の世界に戻される!

手を握っていた、マリリンさんが踏ん張る。



助けて!


マリアが駆け付ける姿が見える。



助けて!お願い!!



「マスター!」

マリアの手が、マリリンさんに届く。

力強くマリアは踏ん張り、マリリンさんは、私の手を固く握りしめていた。

『穴』は閉じた。

助かった・・・・。

危なかった。危なく穴に拾われるところだった。


私はマリリンさんと抱き合った。

マリリンさんが、手を伸ばしてくれなければ・・・。

って、この人誰?

私とマリリンさんの横には、少女が居た。


『穴』から落ちてきた、迷い人だ!


「自分は陸上自衛隊、特務機関所属 飛鳥2等陸尉であります」

飛鳥と名乗る少女は、敬礼をする。

飛鳥?あれ?初めて会う人だよね?なんか、知っている気がする。

「飛鳥さん?ですか。落ち着いて冷静に聞いてくださいね」

マリリンさんが、迷い人マニュアルに従う。


「『魔法』と考えてください。頭の中に、何か浮かびますか?」

「魔法ですか?いいえ、『自衛隊』位しか浮かびません」

『自衛隊』は魔法ではないが、この人は、私と同じ、日本から来た人だ。

「分かりました。貴女は得ない人です。ここはルーラン。異世界と言う言い方が、分かり易いかもしれませんね」

「自分は異世界転移したのでありますか?」

落ち着いてる。流石は自衛官だ。

「雪姫さん、この方はミサキさんにお任せしても?」

「・・・・うん。迷い人の・・・」

いや違う。なんだろう、この感じは?


「あのさ、うちで預かってもいいかな?たぶん、同じ世界からの迷い人なんだ」

日本から来た人だからか?この人と別れちゃダメな気がする。



ーーーー後日談ーーーーー

私は馬鹿だった。

記憶がなくなる可能性を知り、日本とカモミールでの体験を、事細かに描いたノート。

異次元ポケットに仕舞えば、『取り出すことも忘れる』と言う事を、失念していた。

だが、飛鳥さんが「自衛隊」で、日本人だと分かったことが、幸いした。

私たちが、記憶をなくした中で、離れ離れにならないで済んだ事は、幸運だった。

ーーーーーーーーーーーー



王国軍が、後処理をしてくれた。

私は、マリリンさんにお礼を言う。

が、マリリンさんもまた、私たちの救援にお礼を言う。

互いに礼を言い合い、私はギルドに戻った。



「姫、お疲れさまです」

「マスター、お疲れさまでした」

アーロン君とリアちゃんの出迎えを受ける。


「紅茶のご用意が出来ております」

打掛をギャリソンに渡す。いつものギルドの風景が、なんか懐かしく思えた。



「えっとね。この子。迷い人の飛鳥さん。うちで預かることにしたんだ」

「迷い人?『穴』が開いたのか?」

ブリックは、迷い人より、『穴』の方が気になったようだ。

「そうなんです。危なく雪姫様が拾われるところでした」

「姫をマリリンさんが、押さえてくれたんだよね」

テレサとトーマが説明してくれた。


「『穴』は、『拾い』と『落とし』を同時にしたのか?」

あれ?そういえば、それ変だ。


『穴』は落とすか、拾うかしかない。

私は拾われそうになった。でも飛鳥さんを落としている。

どういう事だ?

私は、ケプラスのダンジョンでの出来事を話した。

皆は首を傾げるだけで、答えは出なかった。



「あ、あの。自分は捕虜でありますか?」

飛鳥さんを忘れていた。

「違う違う。私も飛鳥さんと同じ迷い人で、たぶん元日本人」

「そうでありますか。同じ境遇の方と出会えるとは、幸運であります」

自衛隊って、『あります』語尾なんだ。


「うちはギルドなんだけど、迷い人専用の村もあるから、嫌だったら遠慮くなく言ってね」

「ご配慮、感謝であります」

敬礼された。


「リアちゃん、飛鳥さんに部屋と、この世界の説明をお願い」

「かしこまりました」

リアちゃんに頼んだ。

飛鳥さんが、口をパクパクさせている。

リアちゃんの、関節に気が付いたようだ。

「わたくしも、行くとしますか」

ギャリソンが気を使ってくれた。

私もギア族を見た時、結構ハイになった記憶がある。



「戻ってすぐで悪いんだが、バッカスのチームが投げ出してな。

適当な変わりが居ないから、クラリスの依頼、ギルド案件で引き継ぐ事にした」

ああ、例の案件か。

「全く、こんなことを依頼するとは、王家も、どうしたものかですね」

アーロン君が呆れるのも当然だ。


クラリスの依頼。

夏休みの自由研究にUMAを選んだ彼女は、「ツチノコ」を探して欲しいと言ってきた。

獣人も、魔人も、昆虫族も居る世界。

ツチノコ位普通にいる。訳でもない。ツチノコは未確認生物。UMAなのだ。


本来、この手の依頼は受けない。

違約金は無しだが、見つける労力と、報酬が釣り合わないからだ。

だが、相手は王族。しかも親バカで、ゴルノバ王とステラ女王からも、是非にと、頼まれてしまった。

直接依頼なら断ったが、一般依頼できたから、審査部も断り切れなかった。

バッカスのチームが担当したが、投げ出したようだ。



「はい!私!行きます!」

珍しく大きな声を出したのは、テレサ。

「ガオガオガオ」

「ダイル様は、自分も行く、と申しております」

テレサとダイルか・・・幹部が2人も出るのは勿体ない気もするけど、任せていいかな?


「私、UMAは大好物です!」

「ガオガオガオ」

「ダイル様は、珍しい生き物は興味がある、と申しております」

半魔人にワニの獣人、あんた達がUMAだよ。


「よし、本件は任せた」



いつものギルド。

だけど、胸に詰まる物が有る。











2部の重要キャラの飛鳥さん。口調が変わったのは?

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