EP17 異世界の勇者⑤
内容変更の為、前書き、後書きは削除しました。
「科学班のトーレフでござるよ」
「同じく科学班のマリーですよ」
勇者チームの科学班のお二人だ。
「地球から貰ったデーターと、過去に居た、迷い人のデーターから、ルーランへの帰還は、実現可能と判断できたでござる」
マジですか!?
私たちは顔を見合わせた。
帰れる。いよいよ私たちは、帰れるんだ。
「ただし、でござる」
「『穴』は、理解不能の現象を起こしますよ。ゲートと違い、『穴』の中には、物理法則や、時間の法則を無視する粒子が存在しますよ」
「これの解析が出来ていないでござる。ゲートで戻れば、『穴』を通るのとは、違う結果になる可能性があるでござる」
元の時間に戻るのか?日本とここで過ごした分が、過ぎた時間に戻るのか?または、違う時間に行ってしまうのか?
「正直、ラムタ世界は、重力の特殊な世界でござるので、どのような影響が出るかは、出たとこ勝負でござる」
この世界の科学班は優秀だ。
その科学班をもってしても、『穴』と『ラムタ世界』は、謎が多い。
「戻るなら、リスクがあるぞ」
「そして、そのリスクに、俺たちは手を貸すことができない」
アリスさんとケインさんの言葉は、俗にいう「自己責任で」だ。
「リスクは仕方ありません。いつ開くとも分からない『穴』を待つより、リスクが有っても、ゲートで戻れるなら」
マリリンさんは、ゲートで戻る派。
「私も結果は恐れません。挑む価値のある事なら挑みます」
飛鳥さんもゲートを使う事に賛成。
私も同じだ。あの世界に戻れるなら・・・。
「科学者として、あいまいな答えで、申し訳ないでござる。今言えるのは、戻る気なら、戻れると言うだけでござる」
「せめて、戻った人と連絡が取れれば、もう少しはっきり言えるのですよ」
いや、そんなことない!
私たちが戻るために、研究してくれていたのは知っている。
無理を頼んだ・・・・え?
戻った人がいる?・・の?ラムタに?
「ギムとか言う剣士だぞ」
なんだとぉ!それうちのギルメンだ!
まさかここで「ギム」の名が出て来るとは、夢にも思わなかった。
「ギムは、流れ者で、他の世界から来たぞ」
「異空間剣の使い手だったな」
ギムは、異空間剣なんか使わない。
「で、その異空間剣を使うと、空間が切れるでござる」
「その空間を調べたのが、私たちですよ。ラムタ世界の存在を知ったのですよ」
マジか?あいつが来ていたおかげで、色々分かったんだ。
「その時のデーターを元に、今回はゲートを繋げる方法を考えたでござるよ」
「じゃ、あいつは、自力で『穴』を作って、戻ったんだ?」
「いや、どちらかと言うと、ゲートでござるな。自力で空間を斬り、根性で繋げた的な感じでござる」
根性だと!?非常識な奴だ!
「それって何時頃の話?」
「3年ほど前だぞ」
・・・3年前、私がルーランに行く前だ。皆は、マックスの館に居た時期。
「でも、おかしくないですか?ギムさんが、他の世界に行ったなら、話しぐらいは」
いや、あいつなら・・・話さないかも。
普通じゃないから。
「ギルメンなら、周りに誰も居ないのかだぞ?」
確かにそうだ。マリアならギムの側から離れない。・・いや待て待て。
・・・そうか。『穴』に拾われたから、戻った時に、同じ時間に戻ることで、だれも気が付かないのか。
だが、異空間剣なんか、聞いた事が無い。
あいつは、技を隠すようなタイプではない。
!!!!分かった!
この世界の記憶が無いんだ!
全部忘れている。
『穴』に拾われ、戻った時は、拾われた直後。時間は進んでいない。
そして、行った世界の記憶が曖昧なら、本人ですら、夢ぐらいにしか思わない。
『記憶がなくなる可能性もある』
でも、それが分かっているなら、対処法はある。
記録を付けておけば良いのだ。
日本での出来事、此処での事を事細まかに記録しておけば、忘れても、大丈夫だ。
「よし、私の日記を参考にするぞ。
カモミール歴 805年
7月2日。鍛え甲斐のある3人を、ティナが連れて来た。
7月3日。ボコボコにタコ殴りにした。
7月5日。余りの弱さに涙がでてきたぞ。でも私は見捨てない・・かもだぞ。
こんな感じで日記に書いてあるぞ」
なんか、悪意を感じます。
「ラムタ世界の重力の関係で、ゲートは何時でも繋げられるものではないでござるよ」
「この2日間を逃すと、次は半年から1年先ですよ」
時間が無い!大急ぎで記録を作ろう!
ゲートは、40時間後に繋げてもらう手筈となる。
その前に、日本とカモミールでの記録を残す。
そして、、お別れ記念模擬戦をやり、送迎会を済ませ、お土産などを買って・・・・大忙しだ!!!




