EP17 この人って?④
EP17を「コラボ」と題していましたが、コラボ作品の不都合により、タイトルの変更と、一部を書き換えて居ます。
2020 8.3現在。
ラムタ世界は、特殊な世界だった。
異空間の重力場の底にあり、星としての形をしていない。
ラムタ大陸の周りに広がる海を、何処までも進んでいくと、突然無くなる。
平面世界なのだ。
だがその広さは、女神でも把握できていないと言う。
地球平面説と言うのを聞いたことが有るが、まさにラムタは平面の世界。宇宙に存在する、球体状の星の世界とは、全く違う世界なのだ。
重力場の底にあることで、頻繁に『穴』が開き、長い年月を経て、『穴』が落とすもので構成された世界だった。
「ラムタは特殊な世界なの。私たち女神も、最近まで人類の存在を把握していなかったのよ」
アルテミスさんの説明は、四天王のティナさんより、分かりやすかった。
「『穴』は、重力異常で発生し、ゲートは魔法で作るモノ。
力は重力の方が強く、魔法で作るゲートは、ラムタ世界を取り巻く重力に妨害され、今の時期は繋がらないのよ」
「はい。なんか説明を受けた時に、聞いた記憶があります」
聞いてたのか?さっきの「ゲート!ゲート!」って作業はなんだった?
「結論から言うわね。この世界に、魔法を持ち込むのは絶対に禁止。
魔法の概念が、当たり前と思われると、いずれ使えるようになる人が出てきてしまう」
信じる所から、魔法は生まれるのか?
「2つの選択肢があるわ。
1つは、この世界に留まり、魔法を封印させてもらう方法。でも、貴方の聖霊も、一緒に封印することになる。
もう一つは、貴方たちを、他の世界に移動してもらう方法。
そこで、ラムタ世界の周りにある、重力場が弱まるのを待つの」
余り他の世界には行きたくない。
これ以上ルーランから離れるのは、嫌だ。
でも、氷姫さんたちが封印されるのは、もっと嫌。
「雪姫さん、ここに居ては、私たちは迷惑な存在になります」
マリリンさんは理解してくれている。
「分かりました。他の世界で時を待ちます」
私は決断した。
「あと一つ。重要な事を、了承してもらう必要があるのよ」
アルテミスさんの顔が厳しくなった。
「この世界とラムタ世界は、繋がりを持つと大変なことになりかねない。女神の力で、世界同士を拒絶するの」
それって・・・もう帰ってこれない?と言う事?
「そう。貴女がここに戻るには、魔法を失う必要があるの」
突然、運命の2択が示された。
「少し考えて良いかな?1日ぐらい欲しい」
この世界に、戻る気はなかった。
無かったが、いざ戻ってみると、離れることに大きな抵抗もある。
「分かりました。1日時間を差し上げます」
「ティナを置いておくから、聞きたいことは聞きなさい」
私は、配慮にお礼を言う。
「柊・・・」
嵐山。
「柊さん」
白鳥さん。
「・・・・」
飛鳥さん。
悩む必要はない。
既に現実は受け止めている。私の答えは、最初から決まっている。
戻りたいと思っていたんだ。私の人生は、ルーランで生きる事と決めていたんだ。
残された1日で、やり残したことを済ませる。
お墓参り。
父と母の位牌は持っていけるが、これが最後の墓参りになる。
日下部先生に、お別れの挨拶。
友人には、遠くの国に行くと伝えてもらう。
先生と抱き合った。
「どこに居ても、柊は頑張れる。負けるな」
温かい言葉を貰う。
神代師範と葵さんとお別れ。
私の後見人の、叔父と叔母には、国から報告してもらう事にした。
会って、もう会えなくなるとは言いずらい。
2年ぐらい一緒に暮らし、私の面倒を見てくれた二人。
でも、面と向かって、さよならは言えない。
そして、嵐山。
「戻れてよかったな」
見た目はギムだったが、いいやつだった。
白鳥さん。
「予想は外れたわ。でも、魔法はこの世界では使えない仮説は、正しかったのよ」
クールな科学者だった。
飛鳥さん。
「柊さん!!!!!」
なんだかんだで、よくしてくれた。
「私も行きたい。来年で定年なので、暇になります。私も柊さんと・・」
私も別れたくないよ・・って待て。今なんと?
定年?陸自の?
「はい。二尉は54歳で定年です。今53歳なので、あと8ヶ月ほどです」
ロリババぁだったのか!見た目は、中学生だぞ。
「あの、すみません。魔法が使えない方は、ご一緒できない決まりです」
いや、こいつ魔法使いだ。年齢詐称魔法が使えてる。
「あ、なるほど。ならご一緒しますか?剣と魔法の世界も良いですよ」
いいの?
「はい。2人も3人も、大して変わりません」
ザルなんだね・・・。
飛鳥さんも、私たちと共にルーランへ。
良いのかとは思ったが、本人曰く。
旦那はいないし、友人は少なく、親戚とは疎遠。老後は絶望的な孤独。
女神もOKなら、異世界に行くのも悪くない。
慌てて準備に戻って行った。
「皆さんをお連れするのは、私が最も信頼し、最も愛している方の居る世界。
どこよりも美しく、安全で、平和な世界。カモミールです!」
ティナさんがゲートを開いた。




