EP16 柊ほのか②
今回と次回は、学生ほのかと、ギルドマスター雪姫の違いが、少しでも書ければと思っています。
2000文字程度2回では少ない・・・。
私は剣道部に所属している。
友人に誘われ、ダイエットになると、1年の時に入部した。
顧問の日下部先生は、俗に言う熱血教師。
時には、教育委員会に言えないような、熱血指導もある。
が、みんなからは、絶大な信頼と、尊敬の念で見られている。
激しい指導は、愛の表れなのだ。
入学当時、私の白い髪は、全校生徒の注目を集めた。
今更、気にはしないが、陰でこそこそと言われている事には、少し腹立たしい物が有った。
「アルビノ」と、私を揶揄した者が居た。
その生徒を戒めたのが、日下部先生だった。
「見た目で人を判断するな!」
私が剣道部に入った理由の大部分が、この先生が顧問だからだ。
私は、日下部先生と二人だけで、進路相談室へ来た。
「柊、言えないことが有るのは分かっているが、困っていないか?」
日下部先生は、嘘だと分かっていた。
まぁ、普通分かるよね。「砂漠の穴」ってなんだよ。
「・・・とても信じてもらえそうにないけど、先生には本当のことを言うよ」
この先生には、嘘を突きたくなかった。
私はルーランでの2年を話し、異空間ポケットから、打掛を取り出して見せた。
流石に驚かせたようだ。口をパクパクしていた。
「そんなことが・・・」
やっと言葉を発したが、次の句が出ないようだった。
「まぁ、体験した私は、それほど驚いてはいないんだけどね」
敢えてお茶らけて見せる。
「戻るのか?そこの世界に」
顔は険しい。本気で心配してくれているのが分かる。
「・・・うん。戻りたい。本気で戻りたいと思ってる。そして、ルーランが、私の居る世界だと思ってる」
「・・そうか。自分の進路を選ぶのは自分だ。私たち教師は、その力になるだけだ」
剣道4段。切れ味の良さは、性格にも表れている。
「3年の葵、知っているよな?」
私の先輩に「神代 葵」と言う、全国レベルの部員が居る。
綺麗で、頼りになり、強い先輩だ。
「彼女の家は、剣術道場だ。師範は『神代 悠馬』、剣術の達人だ。
指導を仰ぐと良い。口は堅く私の先輩でもあるから、心配はいらない」
日下部先生は頭も良い。私に必要なのは、数学の方程式でも、英語の語学力でもない。
異世界で必要なのは、身を守る術だ。
私は、必ず訪ねると約束し、飛鳥さんの待つ校庭へ向かう。
現実世界と言うべきか?この世界と言うべきか?
戻って1週間が過ぎた。
通り過ぎる学生。話をする女学生たち。
放課後の校舎。私も、ここに居た。
でも、誰も知らない2年間を生きていた私には、彼らは、子供に見えていた。
私の心は、高校生には戻れない。
私の現実は、ルーランにある。戻るんだ。なんとしても。
「お待たせ」
私が戻ると、飛鳥さんはサングラスをかけ、疾風のエンジンを掛ける。
「買い物などの用が無ければ、このまま、家まで送りますが」
「うん。今日は戻ろうよ」
飛鳥さんの口調は、普通に戻っていた。
あの口調は、公式な時だけなのか?
夕飯は、マリリンさんが作ってくれた。
飛鳥さんだと陸自料理だ出てくる。カロリーガン無視のスタミナ系。
今の私には、食べられるはずがない。
白鳥さんと嵐山も、一緒だ。
そして、食事の時には必ず、氷姫さんと、四聖獣も出てくる。
相変わらずの大きさだが・・・・
「氷姫さん、大きくなった?」
私は氷姫さんと、四聖獣の大きさが、変わっていることに気が付いた。
親指ほどの大きさから、若干だが大きくなった気がした。
「あら、言われてみれば、そうですね」
マリリンさんも分かったようだ。
「ん~少し大きくなったような?慣れて来たのかしら?」
四聖獣を見ながら氷姫さんも、自身が大きくなったことに気が付いた。
「雪姫、私たちが慣れて来たという事は、貴方達の魔法も強くなっているかもしれないわよ」
マジか?
「試してみます?」
みんなの前だけど、すでに魔法は見せているから、いいかな?
「よし、試してみよう。前回ブリザードは、嵐山さんの髭を凍らせた程度だったよね」
私はブリザードを放つ。
!?
部屋が、薄っすらだが凍った。
「さぶ!!」
そりゃ寒いさ。氷の中に居るんだ。
「柊さん、これって・・・」
寒がる嵐山。驚く飛鳥さんと白鳥さん。
「大分強くなりましたね」
「うん。これだと、生活魔法レベルかな?」
「ですね・・攻撃魔法のレベルではありませんね」
私たちの会話を聞いている飛鳥さんが、信じられないという顔をしていた。
まだまだだけど、大分強くなっている。
慣れると、元に戻るかもだ。
「柊、これ絶対に、外でやるなよ」
嵐山の言葉だが、もっともだ。
この世界には魔法はない。私のブリザードは、マジックで済むレベルの話では無くなった。
「私が試さなくてよかった。部屋のお掃除が大変になるところでした」
マリリンさんは水魔法。概ね放水系。
凍らせるのは、乾燥でもある。が、放水系は、後始末が大変だ。
その晩、私は、喉の奥に何かが詰まるような感じを覚えた。
これは、新しい魔法を習得する前兆だ。
この世界でも、経験値が得られている。
戻った私にも、ルーランのシステムは生きている。
特に過去EPを挟まずに、なので…無理があったかも。




