EP15 『穴』を知る者②
雪姫の名前「柊」は、雪にちなみ「冬」を使いました。
「ほのか」は、単に私の好みですw
妹が居れば「そよか」「はるか」・・・分かる人は、少ないかな?
「怪しいものではありません。柊さん、出てきてください」
怪しい奴は、必ずそう言う。怪しい者ですとは言わない。
「居るのは分かってる。出てこい」
うぁ‥ドアを蹴りだした。
「柊さん、無駄な抵抗はおやめなさい。貴方は完全に包囲されていますわ」
包囲って・・・。
やっぱ警察だよね。
鍵穴から音がする・・・これってピッキング?
ドアは開けられてしまった。
「手間とらせるな」
よれよれ背広の男は、針金を見せながら、私の横を通り、勝手に中に入って行く。
「お邪魔しますわ」
続いてインテリ眼鏡の女性。
「夜分すみません。私たちは『内閣調査室 分室の分室 ゲート調査班』です」
自衛隊の制服を着た女の子が、身分証を提示した。
「ゲート?調査班?」
「えっと、上がらせて頂いて、宜しいでしょうか?」
もう勝手に上がってる連中が居るが、この子は真面の様だ。
居間では、よれよれとインテリが、私たちの買って来た服を手に取り、好きな事をほざいていた。
「このセンスは、日本人とは思えねぇ」
「間違いないわ。あの子は異世界人よ」
余計なお世話だ。
「手を出せ」
よれよれに、手を掴まれる。
「はい、そのまま」
インテリが、私の手の甲に、何かの器機を当てる。
「ちょと!貴方達」
私が手を引き抜き、文句を言うと・・・・
「あら?おかしいわ。ゲートを通った反応はあるのに、代謝反応もある」
インテリの言葉で、私は理解した。
「どいう事ですか?異世界人は、代謝が無いはずです」
こいつらは『穴』に関してを、知っている者達だ。
「分からん。だがゲートの反応もある。それに、このセンスは異世界人だ」
五月蠅い。それはハイになっていた時に、買った洋服だ。
「柊さん、あんた何者だね?異世界人は例外なく極悪人だ。この世界の征服を企む、悪人たち。悪魔の軍団だ!」
「違う!征服なんかしに来た・・・」
・・・やられた。ギムみたいな雰囲気だから、馬鹿だと思って油断した。
よれよれは、ニヤリと笑っていた。
私は、自ら異世界人であることを、認めた発言をしてしまった。
「どうするつもり?私を拘束する?」
マリリンさんだけは、逃がさないと。
大きな声で話せば、マリリンさんは、気が付いてくれるはず。
「そんな、興奮なさらずに。私たちに拘束の権限なんかありません。
異世界から来た方に、この世界のルールを理解して貰ったり、援助をするのが目的です」
・・・そうなの?
「俺は、ゲート調査班 班長の『山嵐』だ」
「私は、ゲート調査班付き科学顧問の『白鳥』よ」
「自衛隊から派遣されています「飛鳥二等陸尉」です」
よれよれは、見たまんまの「山嵐」って名前。
如何にもインテリっぽい「白鳥」
二等陸尉って・・幹部じゃない。この子の若さで?どう見ても中学生だ。
「説明しろ。なんで生体反応がある?」
そりゃ生きてるからだよ。
「貴方からはゲートを通った反応もあるのよ。ゲートから出て来た者は、生体反応が無い死人のはず」
酷い誤解だ。
「わかった。貴方達に協力する。知ってることは話す。だから私にも情報を頂戴」
ここは抵抗するより、協力した方が得策。
「本件に関しては、全権を預かっています。二等陸尉として、貴方との協力関係の締結を受け入れます」
飛鳥って子、物分かりがいい。
「あら、お客様?」
異世界人の登場。湯上りで、バスタオルを巻いただけのサービスカットだ。
私は、3人に隠すことなく話した。
「私たちがゲートと呼んでいたのは『穴』と言う現象なのですね」
「早速各国に、呼称の変更を通達ですわ」
「穴でもゲートでも、どっちでもいい。お前が言うことが本当なら、魔法が使えるだろう?見せてみろ」
山嵐って班長、どうも好戦的だ。
見たいなら見せてやる。
「ブリザード!!」
どうだ!髭が凍ったろ。霜焼けで苦しむがいい・・って、この距離で、この程度の効果。
悲しくなるほど、弱くなってる。
「なるほど、これが魔法ってやつか」
と、いう事は、私たち以外に落ちてきた人は、魔法が使えないのか?
「柊さんは、この世界の人と言う事なのですが、いくつか質問に答えてください」
まだ疑われてる。
「質問です。今は西暦何年で、元号はなんですか?」
「2020年。令和だったかな?」
「日本の都道府県で、府と道を、全て答えてください」
「大阪府と京都府。北海道」
「AKB48で、初代総選挙1位は?」
「大島?あれ?前田?」
「はい結構です。日本人の基本知識を持っていらっしゃいますので、信用できました。ありがとうございます」
最後のも、日本人の基礎知識なんだ・・。
「今度はこっちからの質問。私達みたいな「迷い人」は、他にもいるのよね。数は?どの世界から来たの?」
「迷い人は、2001年から、各国で確認されています。お二人を入れて、現在10人です。
ルーランや、ラムタと言う国名や地域名は、確認していません」
私たちの世界から来た人はいないのか・・。
「柊さんとマリリンさんには、お不満かと思いますが、日本で初めての迷い人なので、護衛を着けさせていただきます」
護衛と言う名の監視だよね。それって。
「生活の邪魔はしませんので、我慢してください」
「雪姫さん、これは仕方の無いことだと思います」
だよね。面白くないけど「分かった」と、言っておこう。
「では、私たちはこれで」
白鳥さんと嵐山が立ち上がる。
「まだ聞きたいことが有る。後で連絡するからな」
私もだ。
一応、玄関まで送る。嵐山が振り返り一言。
「戻れると良いな」
???あれ?いいやつ?
って、飛鳥さんは、なぜ見送る側?
「はい。私がお二人の監視役です」
監視とか言っちゃってるし・・・。
「あ、私の事は気になさらずに。庭をお借りできれば、テントで・・・」
いや、いいよ。泊まりな。
部屋はあるし、庭から覘かれてると、気が散る。
同居した方がお互い楽。
この世界にも『穴』は存在していた。
3人の新キャラ、この中から1人が、2部では重要な立ち位置になります。




