EP13 『穴』③
雪姫活躍回^^
ゲートを開き、ケプラスダンジョンの最下層に出る。
「なんだこりゃ!?」
先頭のギムが、大声を上げる。
!!!地面一杯のネズミ!?鋭い目つきで、赤く光る眼。
目つきの悪さは、ギムといい勝負だ!
ゲートの中に入ってこないのは、ゲートは片側一方通行だからだ。
「マスター!あれを」
マリアが指さす。
マリリンさん達が、上の階層の入り口に、追い詰められている。
「私が行くよ」
先頭のギムとマリアを押しのけ、私が前に出た。
私なら白姫さんの内掛けが、守ってくれるはずだ。
案の定、足元のネズミは弾かれ、私に触れることもできない。
「アイスバーン!」「アイスシールド!」
地面を凍らせ、動きを阻害し、氷の壁を築く。
「雪姫さん!気を付けてください!バットステータスを持っています!噛まれると、魔法が撃てなくなります!」
私たちに気が付いたマリリンさんから、アドバイスが来た。
「アイスバーン!アイスシールド!サイレントスノー!」
私が先行し、動きを阻害し、壁を築き、足元のネズミを倒しながら、マリリンさん達と合流した。
「テレサ、防壁お願い」
テレサに防壁を張って貰い、状況の確認。
ダンジョンの中は、ネズミ、ネズミ、ネズミ・・・。
1匹、どでかい親分が居る。3mはある巨体。
私達の居る方向とは、逆の方向で、余裕を見せていた。
「大丈夫?」
サリーさん達が噛まれたようだ。
「はい、傷は大したことはないのですが・・・魔法が撃てなくて」
ルクスさんや、冒険者も、足や腕を噛まれていた。
体の傷はポーションで治せるが、ステータスの変化は、回復魔法でしか治せない。
「見たことの無いモンスターですね」
テレサは、魔法で回復をやりながら、ネズミたちを見る。
「突然『穴』が開き、あれを落としていきました」
サリーさんが、親分ネズミを指さす。
げっ歯類特有の余裕顔で、こっちを見ている。
「その後、ネズミが湧き出して、上の階層へ行かせないのが精一杯でした」
噛まれていないマリリンさんが、持ち前の水魔法で、侵攻を阻止していた訳だ。
「こんなのが、地上に出たら、大惨事ですね」
トーマは、防壁の前で、蠢くネズミを見ながら言う。
「上の階層には行かせない。1匹も通さないよ」
問題は作戦だ・・・
マリアの光子砲では、空間が狭い。
トーマの召喚魔法でも、相手の数が多すぎる。
ギムは・・・親分の相手かな?
と、成ると私だ。
「子分共は、私が凍らせるから、親分は任せた」
「ああ、任せろ」
私の氷魔法は、狭い空間だと有効に使える。
巨大ネズミはギムが相手。
「ギルド!スノープリンセス参上!!」
「小動物でも、許してあげないよ」
戦闘開始の宣言をした。
ーーー雪姫の部屋ーーーー
「お?始めやがったな」
雪姫の部屋にある、ギルドフラッグが、激しく燃え出す。
「炎の勢いが、弱く成ったらピンチです。皆で行きますよ」
ギルドの魂『不屈の雪』は、ギルドメンバーの気合いで燃える炎。
離れていても、雪姫のピンチは、ブルック達に伝わる。
「ブルック様、マスターが、このような案件で出るのは・・」
リアは、今回の件で、雪姫が行った事を疑問に思っていた。
ギルドマスターの出る案件ではない、と考えていた。
「今迄ならな。だが今は違う。白姫の加護を使い熟せる様に成った今なら、経験を積ませるために、どんどん出るべきだ」
「ええ、白姫さんの着物が姫を守り、四聖獣で戦えますからね」
「ガオガオガオ」
「ダイル様は、レベルを上げるべきです、と申しております」
「なるほど。確かに今のマスターは、とてもお強いです」
リアは納得した。
「ギムとマリアも居れば、遠近どっちでも戦えるからな。安心だぜ」
サマンサも、ブルックの意図を理解していた。
「皆さま、ゲートの用意は整いました。お召し物をお取りください」
部屋に戻るギャリソンは、各自の戦闘服を持って来た。
援軍の準備は万全だった。
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「スノーウィンド!」「サイレントスノー!」
雪姫の氷魔法が、ネズミを凍らせる。狭い空間が幸いして、効果は抜群。
「援護します」
マリリンさんが、水魔法で地面を水浸しにしてくれた。
「アイスバーン!」
水浸しの地面が凍り付き、ネズミの足も凍る。
「止め!行くよ!『ブリザード!!!』」
ネズミ共を一掃する魔法。残るは親分ネズミだけとなる。
『主、ごめんね・・・私、ネズミって・・・ダメなの』
氷女さんが出てくれれば楽勝だけど、苦手らしい。
氷姫さんが出ないと、四聖獣は力を出し切れない。
ここなら、私でも戦えてる。殆ど初めてだ!私自身の活躍って!
テレサの張った防壁の向こう側は、白い世界。
ネズミ共は、完全に凍り付いた。
余裕の親分ネズミも、顔色を変えた。
「俺の出番だな」
テレサが防壁を解除すると、ギムが前に出た。
1対1なら敵知らずのギム。
ギムは、親分ネズミに向かって、突進する。
次回で、1部最終話になります。まさに落とし穴。




