EP13 『穴』①
1部の最終EPです。
今回は歴史に挑戦。マリアの時代の説明になります。
遥か昔、この大陸には、2つの勢力があった。
赤道を境に北が「グエン帝国」南が「ブルブ王国」
今の、ペイン国の一部と魔人域、昆虫域の大半をグエン帝国が支配。
昆虫域の一部と、人類域の大半をブルブ王国が支配していた。
両国は敵対し、長きにわたり、闘いを繰り広げている。
グエン帝国は「魔法と生物兵器」
ブルブ王国は「科学兵器」
それぞれの国は、得意とする分野を持ち、高度に発達していた。
ブルブ王国の首都は、現在のルーラン国内にあり、その遺跡からは、ブルブ王国が開発した、ギア族が多数、発掘されている。
グエン帝国の生物兵器は、兵士と獣を合成した「獣人」。兵士と昆虫を合成した「昆虫人」
その「獣人」「昆虫人」と「魔法」を合成した「魔人」
今のこの世界の、獣人族、魔人族、昆虫族を生み出している。
当時稼働していたマリアの記憶によると、戦いは魔人の出現により、グエン帝国が、大きな優位を築きつつあった。
対するブルブ王国は「重力子砲」の開発を進め、実用化に漕ぎつく。
マリアと同型機。姉妹機は4機。
マリアは4号機として製作された。
マリアたちは、高出力が可能な特別な仕様。
体内に重力子砲を内蔵した殲滅兵器として生まれた。
1号機と2号機は、重力子砲の試射実験で爆散。
3号機が成功するも、強度の問題が発覚。
改良されたマリアが、完成機として実践に投入される。
マリアの働きで、魔人の脅威が去るが、グエン国は禁断の兵器に手を出す。
『細菌兵器』
研究を進めてはいたが、実践に投入できるレベルではなかった。
マリアによる侵攻に、脅威を感じた一部のトップが、これを使ってしまう。
マリアは戦果を挙げ、メンテナンスのため、ラボに送られる。
この間に細菌兵器は、世界に蔓延する。
不完全なため、グエン帝国の持つ「抗細菌薬、ワクチン」は、役に立たず。
細菌は、人類、獣人、魔人、昆虫人の大半を死滅させるが、長い年月の末、それぞれの種族は、再び繁栄を取り戻す。
整備を終えていたマリアは、保護カプセルに入れられ、人類の大半が死滅した世界で、マックスに目覚めさせられる迄、長い眠りへとつく。
グエン帝国が、細菌兵器と同時に開発していたのが「キメラ」合成獣だ。
実戦投入は無く、数体の試験体が開発されたが、全て死亡と記録にはあった。
キメラの特徴は、高い効果を持つ物理障壁。
対マリア用の生物兵器、それが「キメラ」だ。
「確かに物理攻撃が効かないのは脅威ですが、今の世の中、魔法が主体です。当時とは違います」
アーロン君は、キメラを脅威とは、考えていなかった。
「だが、物理攻撃がキャンセルされるとなると、アーロンやギム、マリアの攻撃は、通じないという事だ」
「ガオガオガオ」
「ダイル様は、私の魔法もです、と仰っております」
「ぼくの召喚魔法もだね」
魔法には、ざっくり分け、2通りある。
働きかける魔法と、生み出す魔法。
前者は、既に存在するモノに、魔法で働きかける。
アーロンのような、空気に働きかけて、風を生み出す魔法。
ダイルも同じだ。土に働きかけ、状態や形状を変える魔法だ。
考え方は簡単。
水槽の中に水を張る。大きな石を放り込む。
波が出来るが、石を魔法と考えれば、波は魔法ではない。
魔法の効果による、物理現象になる。
後者は、何もない状態から、何かを生み出し、働きかける。
雪姫の氷魔法が、それにあたる。
魔法で氷を生み出し、氷を操り、吹雪にしたり、固まりにし、壁を作り上げたりする。
キメラに効果があるとすれば、後者。生み出す魔法になる。
スノープリンセスで、生み出す魔法を使うのは、雪姫とノアだけだが、世間的には、半数近くが、この魔法を使える。
「でも王様は『由々しき事態』と言っていた。キメラが脅威にならないとは思えないけど」
「たぶん意味が違うのではないでしょうか?王の言う、由々しき事態とは『キメラが居る事』ではないかと思います」
ギャリソンの考えが正解だろう。
キメラは、特殊な製法で作られる。
その施設は、大掛かりなものになるはずだ。今更、キメラの研究をするとは思えない。考えられるのは、既に存在する施設。グエン帝国の遺跡。
『何者かが発掘し、使えるようにした』と考えるべきだ。
「魔人族なら、元グエン帝国の上ですね」
大本命になる。
「昆虫族に、そんな頭はないな」
昆虫族は超大穴だ。
「まさかの、ペイン国、と言う可能性もございますな」
グエン帝国は、ペイン国の一部を領地にしていた。西の小国。あり得ない話ではない。
「兎に角、この話は幹部と付き人だけの秘密」
情報部に情報を貰いたいが、王との約束だ。
あの話をしたのが、この部屋。居たのは幹部と付き人。
約束した以上、今は漏らす訳にはいかない。
ジェームス係長には『人類域で、変わったことは無いか?』とだけ、問い合わせてある。
今は動きある迄、静観しかない。
時代説明って、1000文字程度では無理ある。
余り背景は、深堀し無い方が良いのかな?、




