EP13 慰安旅行⑨
長かった慰安旅行も終わりです。
次回は、1部のラストEP。
突然起こる大事件は、いつも通りです^^
敵の攻撃は、私たちに効果がある。
私たちの攻撃は、敵には通用しない。
不公平だ!
「マリア様の光学兵器なら…でも、応答がありません」
リアちゃんはマリアを呼び出すが、たぶんギムの一言で、落ちているのだろう。意外とポンコツだ。
不味い・・有効な対抗手段がない。
「マスター、クラリス様からショートメールです」
ヤモリ姫から?この忙しい時に?
「連絡よこせ。パパより。です」
電報か?
「リアちゃん、王様に掛けてみて」
私たちは邪念体の攻撃を、避けるしかなかった。
「マスター、ゴルノバ王、出ます」
電話が繋がる。リアちゃん経由で王様と話す。
「雪姫か?」
「はい」
「邪念体が現れた。対応を頼みたい」
「その依頼、受けました。既に対峙しています」
「そうか、さすがに情報が早いな。任せたぞ。プツン」
「でも、有効な対応・・え?切れてる?リアちゃん、切れちゃったよ?」
「マスター通話終了です。王様が切られました」
丸投げされた!
「このままじゃ、不味いぜ。一方的だ」
サマンサが叫ぶ。
攻撃を躱してはいるが、いずれはもらう。
「私たちの出番では?」
氷女さんの声がした。
「行けるの?エネルギー体だよ」
「私たちは聖なる霊。邪に対しては天敵ですよ」
そうか!聖霊だもんね!
「お願い!力を貸して!」
私は氷女さんに、お願いした。
「かしこまりました。しかし問題が・・・。この閉鎖空間では、私たちの力は強すぎます。攻撃は、皆さんも巻き込んでしまう恐れがあります」
何度か聞いた気がする…うちの連中は1発屋が多い。
「一番被害の少なそうな策で、お願い」
多少の被害は仕方ない。
「では白武!出なさい!」
私の右下に魔法陣が出現。中から『白武』が現れる。
「白武の属性は「土」です。能力は2つ。高い防御力と、巨大化することで、相手を踏み潰します」
氷女さんが説明してくれた。
「分かった!白武!巨大化して、「邪」を踏み潰して!」
白武は、私の方を見て頷くと、巨大化を始める。
おお!・・・おおおおお!!・・お・お・・おお?えええええ!!!
洞窟の天井ほどの大きさになると、天井を突き破り、崖の上に、白武の甲羅が出る。
高さ40m幅80mに渡り、崖の上の地面は崩落した。
デカくなりすぎだ!
私たちは、白武の腹の下に潜り込み、崩落を避ける。
脚の直径が10m以上。
その脚が、「邪念体」を踏みつぶす。
単純な攻撃だが、これは避けられない。
聖なる霊である、聖霊に踏み潰され、邪念体は消滅。
洞窟の上は全て崩落し、岬はなくなり、入江が出来る。
でも、人的被害ゼロ。
いいかな?
翌日・・・ギルドに戻ると、大騒ぎになっていた。
『海の覇王の討伐や、邪念体の討伐。スノープリンセス大活躍』
新聞記者や、TV局まで来た、大騒ぎだ。
言えない・・・宝さがしで、リヴァイアサンにチョッカイ出したとか。 肝試しの最中に、邪神体の封印を解いたとか。
王様には報告したけど、メディアには絶対に言えない。
「雪姫さん、一言お願いします」
「ギルマス、覇王は強かったですか?」
「スノーさん、邪神体の討伐で、岬を一つ消滅させましたよね」
私は、打掛を頭から被るように着て、足早に中に入る。
・・・なんか犯罪者だ。
「おかえりなさいませ、雪姫様」
「おお!帰ったか!」
「聞きましたよ、僕たち抜きで、岬を破壊したとか」
「ガオガオガオ」
「ダイル様は、大活躍でしたね、と仰っております」
馬鹿どもの、お出迎えだ。
「リアちゃん、王様に連絡して」
早急に口止めせねば。
「その王様が、お部屋でお待ちでございます」
向こうから来ていた。
「お前は正直すぎる」
ゴルノバ王は開口一番、ドスンときた。
「えへへへ」
笑うしかないだろ。
「黙っていれば、英雄だぞ。誰にも分からないし、誰も疑わん」
とは言いますが・・・これも性格で。
「ワシとしては、国民に英雄が居てくれた方が、各国に対して発言力が強まる。当然、この度の自作については、口外はしない」
流石は、出来すぎ王。
「討伐した事実は変わらんから、出現に言及されたら、空でも見て胡麻化せ」
了解っす。
「でだ。討伐の報酬だが、7国議会の副議長より「望むものを与えよ」と進言が来ている。何か欲しいものは有るか?」
副議長って、ミサキさんだ。
「欲しい物・・・ん~~~~~」
気になっていた事はある。でもお願いしていいものか?
「遠慮するな。多少の無茶は聞いてやる」
そお?
「怒りません?」
「ああ、怒らんから言ってみろ」
「魔人族の情報提供者を、ギルドに招待したい」
流石の出来すぎ王も、びっくりだ。
そして唸りだす。
「・・・・・うぅぅぅん・・」
当然と言えば当然。人類を滅ぼそうとしていた魔人族。
まだまだ、信用はできないだろうし、王としては、軽々しく許可など出せるものではない。
でも、情報の提供者は、テレサのお父さんだ。
会わせてあげたい。隠れてではなく、堂々とだ。
「分かった。いいだろう」
流石は名君。決断が早い。
「しかし内々に事を進めろ。責任は俺が持つ」
出来すぎ王だ。
ゴルノバ王は、帰りがけに
「実は、これはトップシークレットなのだが・・・」
と、切り出した。
「3か月前、リカ国で、キメラが確認された」
キメラ?
ブルックたちは驚きの表情だ。
「弱っていたので討伐は容易かったが、これは由々しき事態だ」
???
「今の話は、ここだけの話だぞ」
王は、それ以上は口にしなかった。宝の箱の礼を言うと、戻って行った。
キメラって?
1部終了時に、3~5日のお休み。
他世界編が終了時に、2週間のお休みを予定していまます。




