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EP1 出会い④

マックスの館で主要メンバーの登場です。今後このメンバーで話が進みます。

テーブルには7人が座っている。

マックスは長テーブルの短い辺。偉い人が座る席の、立派な椅子に腰かけ、私を隣に座らせる。リアちゃんは、私の後ろに立つ。


「予定より順調で、早く戻れた」

マックスが開口。


右手前の女性。リアと同じギア族だ。

左手前には小学生?子供が座っている。


「マスター、この方が?」

右手前の女性が私を見ながら問うた。

「ああ。紹介の前に、名を与えねばならん」

私は自分の名前を思い出せない。マックスからは「お前」と呼ばれていた。


    「雪姫。これがお前の名だ。どうだ?」


雪姫…雪・・姫。

「お前の髪、雪のような美しさから雪を。そして俺の妻、白姫から1文字とって姫。雪姫だ」

いい感じ。なんかしっくりくる。

「気に入らなければ、変えるぞ」

いや、気に入った。「雪姫!ありがたくいただくよ」

拍手が起こった。

私が、この世界で名乗る名前が、雪姫に決まった瞬間だ。


マックスは頷く、何度も何度も頷いた。

そして後ろを振り返る。


後ろには、大きな肖像画。

!!!白い和服に身を包んだ、オオカミの女性。

和服から出ている毛色は、私の髪と同じ白だ。


白姫・・・マックスの奥さん。私はこの人の名前から、1文字貰ったんだ。胸が熱くなる。涙が流れ出した。

「あれ?あれ・・・なんだろう?」

横に立つ執事が、ハンカチを手渡してくれた。

「どうしたんだろう。あれ?」

流れ出す涙。マックスが、右手の拳を強く握りしめたのが見えた。



「紹介しよう。新しい仲間の雪姫だ」

マックスは立ち上がる。

私は涙が止まらないまま紹介された。


「アーロンだ。ギルドの副マスターを任せている」

左側の少年。副マスター?

「よろしく。おねぇちゃん」

アーロンは右手で掛けている眼鏡をクィっと持ち上げる。


「で、こっちがマリア。リアと同じギア族だ」

「よろしくね、雪姫さん」

マリアもまた素晴らしい笑顔だ。


「その横がギム。忘れても良い」

おい。なんだその紹介は?

って、ギムも反応なし。目つきは悪いし、酒を飲んでいる。

これか?性格に問題のある奴って?


「で、隣がテレサ。半魔人だが、優しいぞ」

超ド級ボディーだ。角が生えているが、美人。

「よろしくおねがいします。雪姫さん」


「反対側、アーロンの隣が、サマンサ」

赤毛の女性。ナイスバディー。真っ赤なTシャツに赤いスカーフ。情熱的な人だと感じた。

「よろしくな」


「トーマです。よろしくおねがいします」

右手の掌を下にし、胸の前に置き、礼をする。

紳士・・っポイが、なんか軽そうな美男子だ。


「俺を見てるから驚かんだろうが、トーマの横はダイル。見ての通り、ワニの獣人だ」

服を着たワニ。確かに今更驚かない。

「ガオガオガオ~」

後ろに立つ少女が、通訳してくれた。

「ダイル様は、よろしくお願いしますと申しております」


「他の連中も居るがな、おいおい覚えればいい。今のがギルドの主要メンバーだ」

私は立ち上がる。


 「この世界に来て2日です。右も左も分かりません。よろしくお願いします」


「なぁ、いい子だろう?」

マックスは、私の頭に手を乗せ撫でだした。

嫌だけど、今嫌がる訳には行かない。



「当面、雪姫はお勉強だ」

なに?勉強?異世界で?受験とかあるの?


「この世界で生きて行くための知識や技を、身につけなければならない。知識はマリア、任せた。剣術と体術はサマンサ。魔法はトーマとダイル。身の周りの世話は、リア。いいな?」

納得。私の居た世界とは違う。当然身につけなければならない事だよね。


「俺は屋敷に居る。困ったことが有れば、俺の部屋に来い。遠慮はするな」

マックスが解散を宣言すると、私の元に、リアとマリアが付いた。

他の人たちは、部屋から出て行った。



「案内します」

リアは私の面倒係だ。

「リア、先に充電を。雪姫さんは私が案内しておくから」

そうだ。リアは私をおんぶして走っていた。力を使っていた。


「マリア様、お言葉に甘えさせていただきます。よろしくお願いします」

敬語だ。ギルド内には、階級があるのか?


マリアは優しく微笑む。が、ギア族の笑顔って、腹の中と違う気がする。

「あの子、頑張ったのね」

いや、ほんとに優し微笑の様だ。マリアは、説明してくれた。


ギア族は、例外なく鎖骨の中心に長方形のクリスタルがある。

これの色で、充電残量が外部からも分かるという。

赤は80%以上

緑は50%以上

黄色は20%以上

青はピンチだ。

基本、青に成ってはいけない。リアのクリスタルは青だった。


「私たちは活動することで、生命体に貢献しています。非活動状態では、ただの人形です。お役に立てません」

整った顔。長い髪。綺麗な声。美人のおねぇさんと言った感じがした。


マリアは、私を屋敷の2階に連れて行くと、部屋に案内した。

「ここが雪姫さんのお部屋です」

昨日泊った小屋の部屋とは違い、広い。しかも豪華なベットや、家具。映画で見た、西洋のお姫様の部屋の様だ。


「リアは、雪姫さんの付き人になりますが、一緒の部屋に置いてもよろしいですか?」

勿論!リアちゃんが良ければね。

「では、後程、リアの荷物を運びこませます」



「ここに居たのか?ちょっと来てくれ」

ギムだ。忘れても良いギムが入ってきた。

「ギム、女の子の部屋に入る時は、ノックしてと言ってるでしょ」

マリアは、ダメな弟に言うように、優しく言う。


「ああ、済まない」

頭をボリボリと掻きながら、ギムは素直に謝った。

へぇ~素直だね。


「お前が迷い人か・・大変だったな」

あれ?良い奴かも。

「困ったことが有れば言え。酒の酌をさせてやる」

あ~変な奴だ。


「で?ギム、私を探していたのかしら?」

上目使い?これって、気のある相手にする目だよ。

「ああ、マスターがな、庭に穴を掘るから、重機を連れてこいだとよ」

この美女が重機扱い。

「分かった。すぐ行くと伝えてくれる」

あ、がっかりした感じだ。

期待していた言葉と、違う答えが返ってきたようだ。

間違いない。マリアはギムに気がある。


「庭で少し音がするけど、気にしないでね。もうすぐ夕食の案内があるの。案内に来たメイドに、食堂の場所は聞いてくれる」

私が頷くと、マリアは出て行った。


数分後、庭でとんでもない音がする。








答えは「ギム」でした^^ 

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