EP13 慰安旅行⑤
2部の冒頭の10話程は、他世界の話になります。残念勇者とのコラボもあります。
読んでいない人の為に、簡単な解説を載せる予定ですが、すっ飛ばしても良いように、他世界編の後は、あらすじを入れる予定です。
・・・命令・・
「お願い。リヴァイアサンと話がしたい」
チョッカイ出したのは、ブルックだ。
「お話?殲滅ではなく、お話ですか?」
「うん。頼めるかな?」
氷女は、笑みを浮かべると振り返る。
「雪姫様は、話し合いをご所望です。攻撃は禁止。いいですね」
白い鳳凰と、白い龍は頷くと、リヴァイアサンの方へ飛んでいく。
「白虎と白武も行きなさい」
氷女は、手を左から右へ振る。
海が凍った!リヴァイアサンの周りを除き、はるか沖まで凍り付く。
白い虎と、白い亀もリヴァイアサンへ向かう。
「私たちは、白姫様に従属した聖霊です。白姫様亡き今、貴方に従属する義務はありません。
白姫様の最後の命が、『貴女に力を貸してください』とのことです。
一度だけは、無条件で力を貸しましょう。
今後、私たちが貴女に従属するかは、次の命令で決めます」
氷女は、後ろを向いたまま、淡々と言う。
「私から離れちゃう、と言う事なの?」
「その通りです。次の命が、私たちを引き留めるものでなければ、私たちは立ち去ります」
聖霊は気難しい。
まして上位聖霊ともなれば、プライドも高く、従属させるのは難しい。
「そっか、分かった。覚悟して命じるよ」
白姫さんが、命を刷り込んで迄、残してくれた想いは、受け取った。
この聖霊たちを、仲間にして見せる。
「私の命は変わらない。今回はリヴァイアサンに非はない。私の仲間がチョッカイさえ出さなければ、こんな事には成っていない」
ブレたりはしない。私の覚悟は決まっている。
「リヴァイアサンは、話が通じる相手ではありませんよ。おつむが空っぽの竜ですから」
ギム相手に説得か・・確かに難しそうだけど・・でも。
「それでも、戦闘は避ける。氷女さん、私をリヴァイアサンの所まで、連れて行って」
「それが貴女の命で、よろしいのですか?」
次の命令だったね・・・。
「うん。戦闘の命令じゃなくてごめんね。でも、大事な事だから、お願い」
「分かりました。お連れしましょう」
氷女は、私を抱き抱えると、ふわりと浮いた。
「雪姫様!」
「マスター」
「雪姫!!」
当然、みんなは止めるだろうけど、でも行かないと。
四聖獣に、任せっきりには出来ない。
私はリヴァイさんの前に立つ。近くで見ると、怖い。
四聖獣に囲まれたリヴァイアサンは、動きが取れずにいた。
流石の海の覇王も、四聖獣に囲まれては、勝ち目がないと知ったようだ。
「リヴァイアサンは、不快を露わにしております」
言葉は通じないのか・・・。
「みんなを下がらせて。氷女さんも、下がってもらえるかな」
私は覚悟を決めている。兎に角、謝る。その前に誠意を見せる。
分かってくれると、良いけどなぁ・・・。
「お分かりですか?リヴァイアサンは、話が通じる相手では…」
氷女さんが言いかけたが、私は制した。
戦わないにしても、四聖獣で囲み脅すという事は、力で制すことには変わらない。
四聖獣と氷女さんは、私の後方に下がる。
「ごめんなさい」
リヴァイアサンに頭を下げた。
唸り声が聞こえるよ・・・・。
「お願いします。今回は許してください」
左右の手を前で握り、私は誠意を込め、訴えた。
リヴァイアサン・・・「ポッ」と赤くなる。
そして「プィ」と横を向く。
あれ?照れてる?
「雪姫!!!!!」
後ろから、ギムが剣を振り回しながら駆けって来た。
(今来るな!。せっかくいい感じなんだから)
「死に急ぐな!俺が倒してやる!!」
ギムは、私の心配をしてくれている。
でも、今は来ないで。
ギムが、白い鳳凰の横を通り過ぎようとした時、鳳凰は、しらっと脚を出す。
その脚に引っ掛かり、ギムは派手にこける。
「ギムさん、雪姫様は対話をお望みです」
氷女は、転がるギムに言う。
おお、やるじゃん。ギムの相手も心得ている感じだ。
リヴァイアサンは、横を向いたまま、チラチラと私を見ていた。
『上目使い』か?こいつ、上目使いに弱いのか?
「お願い。宝を荒らしたりしないから、許して」
上目使いで、もう一度訴える。
リヴァイアサン、さらに赤くなる。
そして海に潜って行った。
「お見事です。雪姫様」
後ろから、氷女が拍手をしている。
が、リヴァイアサンは、再び浮上する!
今度は、体を大きく海から出し、私を見下ろすように睨む。
リヴァイアサンは、私の前に手を叩きつける。
白虎が、私を咥え下がる。
白い鳳凰と、白い龍は飛び立ち、白武が立ち上がる。
リヴァイアサンの手の下には、宝の箱。
・・・あれ?これって、くれるって言うの?
顎を突き出し「持ってけ。持ってけ」と言っている。
あはははは・・・貰った。
「ありがとう。リヴァイアさん」
お礼に、上目使いでお礼を言う。
リヴァイアサンは、今度こそ海へと消えた。
「貴方の戦い、見せて頂きました。お見事です。雪姫様。
四聖獣と氷女、雪姫様に従属いたします。契約をしましょう」
サイズが小さくなった四聖獣は、氷女と並び、私に礼をした。
「契約は無し。従属もさせない。聖霊と人は信頼関係だけでも結ばれる。ギャリソンやリームのようにね。だから、私に力を貸してください」
氷女さんは、微笑んだ。
「かしこまりました。御用の時は、何時でも遠慮なくお呼びください」
「様付けも、敬語も無しでお願い」
白姫さん、これでいいよね?
少し、納得のいかない終わり方。うまく書けてないかな?、リヴァイアサンが、雪姫を攻撃しなかった理由は、だいぶ後のEPになります。




