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EP1 出会い③

マックスの館へ向かいます。

「俺がおんぶする」

「いいえ、私がおんぶさせて頂きます」

これから館へと向かう訳だが、玄関先でマックスとリアちゃんが、私をおんぶする主張でもめていた。


「リアでは充電が持たない。途中で止まりでもしたら、誰が抱えると思う」

「いいえ、計算上は十分足ります。マスターがおんぶすると、妊娠する恐れがあります」

リアちゃんはロボットだ。エネルギーには限りがある。

充電切れで、止まってしまうのは、可哀そうだ。

だが、マックスにおんぶされ、妊娠するのも・・・ってしねぇよ!

おんぶで妊娠はしないよ!


私の意見で、マックスに乗る事に成った。



ここから館までは、険しい山岳地帯を通る。

JKの私でも進める道を通ると、2週間はかかるとのことだ。


私はマックスの背中におんぶされた。

一応安全のためにと、リアちゃんがロープで私を結わえ、反対側をマックスの首に結わえる。

マックスが手を放しても、私は首にぶら下がる訳だ。

「首輪みたいで嫌だな」

動物の本能が首につけられた輪っかを嫌う。


「では、マスターお先です」

リアちゃんが駆け出す。!!早い!

「俺達も行くぞ」

マックスが後を追うが、やはり早い。予想以上の速さだ。


道が有るうちは良かったが、次第に道はなくなり、森の中を進む。

リアちゃんは先行し、進めそうな場所を選びながら走る。

マックスは正確にその後を追う。

小川や、大きな石を飛び越える。障害物競走のような走りだが、スピードは、すごく早い。


マックスの背中、服は着ているので、毛皮のモフモフ間は味わえない。が、広く、温かい背中は、こんな状況でも不安を感じさせない。


「怖くないか?」

時折話しかけてくれるマックスの言葉に、怖さも感じない。



垂直にそびえたつ断崖。

リアちゃんが先に登る。と言うか、飛び跳ねながら駆け上がる。

上からロープを下ろすと、マックスはロープを伝い登っていく。


この二人、コンビネーションがいい。

相談する訳でもなしに、難所と思える場所をクリアしていく。



「ここで少し休憩だ」

山頂付近、と言ったところか?眼下に雲が見える。


リアはシートを広げると、リックサックから、おにぎりの包み、ドリンクを出した。

朝早くに起きたリアちゃんが作ってくれた、おにぎり3つが包まれていた。


私とマックスに、包みを手渡す。

「リアちゃんの分は?」

リアは、自分の分を持っていなかった。


「私は大丈夫です。食べ物から得られるエネルギーは微量です。持ち運ぶことを考えると、不効率になります」

リアは相変わらずの素晴らしい笑顔で言う。

「はい」

私は、おにぎりを1個差し出す。

「効率は分かるよ。でも、食事は皆でした方が楽しいよ」

リアはおにぎりを受け取った。

 

   「この子はいい子だ」

お互いが思った。



「よし、出発するか?この先、休憩はない。トイレは済ませてくれな」

ああ・・そうだった。

水洗なんか期待しないよ。状況は理解できてる。草むらで済ませるよ。


「ここからは、私がおんぶします。マスターは先行しててください」

またリアちゃんが言い出した。

「でもリアちゃん充電は?」

「大丈夫です。まだ70%残っています。私の充電より、マスターのエロの心配です」

覗くのか?その大きな目で、私のシャーを覗くつもりか?


「油断しないでください。マスターの耳は、1k先のシャーの音を聞き逃しません。マスターの鼻は、1k先のマーキングの匂いも嗅ぎ分けます」

お前も読まれていたか、的な顔するな。


「リアには敵わないな。仕方ない、諦めるか。ゆっくり先行してるから、追いついてこい。慌てて出さなくていいぞ」

余計なお世話だ。

マックスが先行した。


私が草むらに向かおうとする。

「まだです。マスターにつけた発信機は1km未満です」

この子、出来る子だな・・と感じた。




夕日が地平線に傾きかけた頃。

「着いたぞ。あれが俺の屋敷だ」

マックスは指さす。


大きな屋敷。周りは森に囲まれ、洋館の作りで、庭には大きな噴水がある。

「到着の連絡を入れました。到着予定時間は6分24秒後です」

流石はロボ。数字が細かい。


「一応言っておくが、あそこにいる連中は、基本全員、良いやつらだ。が、中には性格に、若干問題のある奴らも居る。

不用意に手を出さなければ、噛みつかれたりはしないから、大丈夫だ。毎日餌を与えれば、すぐ懐くさ」

何を飼ってる?



マックスが正面の門に着くと、左右に居るメイド服の女性が門を開く。

花壇にはバラや、ユリの花。全て白い花が植えられている。

噴水を回り込み、館の中央、玄関へと着く。


「おかえりなさいませ、マックス様」

黒い服に身を包んだ執事が、入り口でリアから荷物を受け取り、挨拶をする。品の良い60歳前後か?JK的には結構あこがれの執事像にぴったりだ。


「皆さま、お待ちかねでございます」

ドアが開かれ、左右に並ぶメイドたちが頭を下げた。


執事もメイドたちも、私を見ない。

視線を一切感じなかった。

来客を目で追う行為は、不敬だ。

私の白い髪は、目を奪うはず。それが無い。

相当教育が出来てると見た。



私たちは屋敷に入る。

高級そうな絨毯の上を歩き、通路を2回曲がる。

立派なドアの部屋。やはりメイドが左右に立ち、ドアを開く。


中には長テーブル。

7人が席についていた。


私たちが部屋に入ると、さっきの執事を先頭に、メイド姿の女性6人が後に続き、左右に3人ずつ立ち並ぶ。


執事はテーブルの横に立つ。

  「ギルドマスターマックス様の御戻りです」

席に座っていた全員が立ち上がり礼をした。



マックスは、ギルドマスター?




本作には「残念世界の残念勇者」から、キャラを使っています。

さて誰でしょう?

答えは明日。



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