EP10 マックスとの出会い②
本作の主人公は「雪姫」ですが、雪姫に次ぐポジションは「ギムとマリア」
ギムって、こんなやつなんです。
「あれが、お前の言う奴か?」
「ええ、間違いありません。あの方です」
草むらに身を潜めたマックスと白姫。
「素振りしてるぞ・・迷い人が異世界に来て、素振りから入るか?」
「ちょっと変わった子なの」
「お前よりか?」
「ん~~~いい勝負?どっこいどっこい?かしら?」
頬に指を当て、首を傾げる。白姫得意のポーズ。
ここは草原。マックスと白姫が身を潜める所から、素振りをしている男まで、約100mの距離。
「とりあえず、話をしてみるか?」
マックスが立ち上がろうとした時。
「誰だ!出てこい!」
男は剣を向け叫ぶ。
「この距離で、気配を悟った?だと?」
マックスと白姫は立ち上がる。
「敵ではない!話がした!」
2人はゆっくり男に近寄った。
「答えろ」
男はマックスに問う。
「今何時だ?」
(なんだそれ?ここは何処だとか?お前は誰だとか?あるだろ、他に聞く事)
「14時34分18秒かしら?」
(真面目に答えるか?)
「そうか」
(って、なんで素振り始める?)
「あのな。お前は迷い人だ」
「いや違う。俺はギムだ」
「他の世界から、この世界に来た人間なんだ」
「俺はいま、この世界に居る、だから、居る世界が俺の世界だ」
「何か困って無いか?俺たちが助けてやる」
「困ってない。だから俺はお前を助けない」
「白姫!頼む!こいつは、俺と違う次元に居る!」
「ギムさん、貴方は落ちて来たのよ。穴から。・・・あなから、あな・・た。あら掛詞だわ。
あなた、わたし・・あらあら、あなたの「あな」にも掛かっているわ」
(・・・ダメだ・・妻も次元が違う存在だった)
「聞いてくれ。俺は仲間を集めている。一緒に来てくれないか?」
「ポッチなのか?だがポッチは良いぞ」
(頼む神よ・・こいつと会話させてくれ)
マックスは座る。ギムが素振りを止めるのを待つ。
そして心を落ち着かせる。
夜になる。まだ素振りを止めない。
朝が来る。まだ素振りを止めない。
昼が来る。まだ素振りを止めない。
「おい!!!!!!」
堪らずマックスが叫ぶ。
「分かった、始めよう」
ギムは向き直り、マックスを見る。
「始める?なにをだ?」
「遣り合うんだろ?それで待っていたのではないのか?」
(何時からそうなった?どうすればそうなる?)
「俺はお前を仲間にしたいだけだ。敵意はない」
「なら、俺に勝て」
ギムは構える。
「・・そうか、わかった。俺が勝てば、仲間になってくれるんだな?」
マックスも構える。
「ああ。だが俺が勝ったら、お前を仲間にしてやる」
(・・・・なにがしたい?)
「いくぞ!」
ギムはマックスに突進する。
「うっ!早い!」
ギムの剣が、左から水平にマックスの腹を襲う。
身を引いて躱すマックス。
ギムは左足を1歩踏み込み、刀の刃が返し、右下から逆袈裟切り。
刀を引き、中段連続突き。ギムの連撃に、マックスは躱すので手いっぱいだ。
「やるな?なら見せよう。ギム流奥義『上段の構え』」
ギムは上段に構える。
「来る・・この攻撃は、今までのとは違う。躱せるか?」
溜めのある形。攻撃に威力が増す。マックスは防御姿勢を取る。
「どうだ!!!」
上段に構えたままのギムが叫んだ。
「???」
「俺の奥義、上段の構えだ!」
(おい・・・構えだけかよ。構えがなんで奥義なんだ?)
「なら奥義を使って構えて居ろ!俺から行く!」
今度はマックの突進。ギムの奥襟を掴むと、腰に乗せ投げを打つ。
『剣士相手には、投げを打ち、グランドで倒せ』
対剣士攻略法だ。
ギムの体が1回転する。地面に叩きつけられる刹那。
投げられながら、片手での突きが放たれる。
剣先は胸を這いあがり、喉を目掛け飛んできた。
躱せる距離、躱せるスピードではない。
が、マックスの野生の感が危険を察し、奇跡的回避。
首を右に曲げ、間一髪で剣は、頬を切りながら逸れていく。
しかしギムは、剣の刃を返すと、そのまま引く。
肩に当っていた刃が、マックスの左肩から腕が切り落とす。
ゆっくり立ち上がるギム。
落ちた腕を見ながら、左の傷を手で押さえるマックス。
「怖ぇぇな。まさかあの位置から来るとはな。なんて技だ?」
「初めて使った技だ。体が動いた。だが褒めてやる。この技を受けて生きていたのは、お前が初めてだ」
(変だ!文脈変だ!)
「あらあら・・「初めての技」・・「生きていたのは初めて」嘘ではないわ。間違っては居ないわね」
「白姫!感心してないで、例の奴だ!」
「はいはい。私の出番ね」
裾をたくし上げた。
「違う!ポーションだ!ポーションをくれ」
「あら、間違えましたわ。貴方!ポーションよ」
白姫から受け取ったポーションを使う。
切り取られた腕が生え変わる。
「!?」
流石のギムも驚いた。
「この世界のポーションは優れものでな、腕位なら普通に生え変わる」
「聞いていいか?」
「ああ。いいぞ」
「なんでだ?なんで犬が喋る」
(今更かよ!!!)
「俺は獣人だ。狼の獣人マックスだ」
マックスは、生えてきた腕を振り回し、馴染んでいるかを確認する。
「さて続けるか?」
「まて。お前の腕は何度でも生えるのか?」
「いや、このポーションを使った時だけだ」
「俺にも飲ませろ」
「なんだと?」
「俺も飲みたい」
(なんだこいつ?戦ってる相手にポーションのおねだりか?・・・いや、まてよ・・)
「飲め!好きなだけ飲んでいいぞ」
マックスは腰にぶら下げていた瓢箪。酒の入った瓢箪を投げ渡す。
(中身は酒。しかも魔族殺し。98度の酒を飲んで倒れたら、俺の勝ちを宣言だ)
「貰う。ごくごくごく・・・」
(毒とか疑わないのかよ?)
「ぷはぁ~旨い!!」
なに?98度だぞ・・飲み干して倒れないだと?
「もっとくれ」
「今は手持ちがない。家に来れば沢山あるが・・」
「なら行く。だからくれ」
「・・・いやダメだ。仲間になるならやる」
「なる。だからくれ」
早。。即答かよ。
ーーーマックスの家ーーー
「なぁギム。仲間になるって話だ」
「もうなった。お前は俺に、ポーションをくれた。俺は恩義に答える」
(あ~~それポーションじゃないから)
「だからこれ、もっとくれ」
「こうしてギム様もマックス様の仲間となりました。めでたし、めでたしでございます」
・・なんかスッキリしないね。
最後の落ちがさ・・・べたと言うか、ヘタレと言うか。
「では、マリア様のお話を如何でしょう?最後までいい話でございます」
「今度はマリアか?うん、マリアなら安心だよ」
「私もですか?・・・良いですけど、ちょっと恥ずかしいな?」
マリアが語りだした。
回想EPのラストはマリアです。




