EP9 冒険者学校①
ちょい、レベルに関しての説明する回。
この世界の、レベルシステムについて説明する。
レベルは、生まれた瞬間から発生し、洋々な事柄から経験値を得られる。
生まれて「おギャー」と泣くと、経験値が得られ、レベル0から1に成る。
初めて立った。初めて喋った。学校に入学した。遠足に行った。初恋をした。
人生のあらゆる事柄から、経験値は得られる。
経験値は、自然に生きていく上で、普通に得ることが出来る。
10歳以下には、ステータスはない。
経験値が自動的にレベルを上げてくれる。
レベルは、身体能力の強さを表す。
普通に生きてさえいれば、得られる経験値で、健康な体が手に入る。
12歳の誕生日を迎えると、大量のボーナス経験値が手に入り、ステータスの設定をすることが出来るようになる。
ステータスとは、各種パラメーターの設定と、経験値の振り分けにより、特定の技能を得て、向上させることが出来る。
12歳の時点で、将来進むべき道を、選ぶ事が出来るのだ。
冒険者を目指すなら、攻撃のパラメーター、防御のパラメーター等を設定し、経験値を振り分ける。
パン屋を目指すなら、パン技能のパラメーターを設定する。
床屋なら、理髪技能。お嫁さんなら、家事全般技能だ。
パラメーターの種類は多く、無い場合は、自分で作ることも可能だ。
例えば・・・フィギュアの造形師。フィギア造形技能と設定すればOK。異色の職業を目指す場合にも、対応している。
12歳以降に得られる経験値は倍になり、半分は自動的にレベルを上げ、もう半分は、任意でパラメーターへの振り分けが可能となる。
設定したパラメーターは、経験値以外にも、体験、修練、関連行動をとることでも、数値が上がる。これを「習得値」と呼ぶ。
パン作りの練習をした→パン技能の数値UP
フィギュア店で、フィギュアを購入した→フィギュア造形技能UP。
頑張れば、頑張るだけの習得値が得られ、能力の差として現れる。
12歳からは、進むべき道の、数値を上げていくのが目標となる。
そして、18歳の誕生日を迎えた時、自分の将来を決定する。
18歳未満の場合は、パラメーターのリセットが出来る。
習得値は失われるが、経験値は一括で戻ってくるので、パラメーターの再設定が可能となる。
ルーラン在住、17歳の男の子の場合。
『冒険者を目指していたが、俺には合わない。アニメーターになる』
冒険者関連のパラメーターをリセットして、作画技能、徹夜耐性などのパラメーターを設置し、戻ってきた経験値を振り分けることで、アニメーターへの道が切り開かれる。
習得値が失われるため、早くから目指していた者との競争は不利にはなるが、長い人生のほんの僅かな出遅れで済む。
18歳を超えると、このリセットが出来なくなる。
18で、人生が決定付けられる。
・・・と言う訳でもない。経験値を振り分けず、貯めておく方法がある。
18の時に決められなければ、後で決めればいい。
進路の決定が遅れた分は、ハンデとして残るが、よくできたシステムだ。
良くできたシステムだが、たまに大事故となる。
ルーラン在住。12歳男の子の場合。
12歳で冒険者を目指し「魔法」に全経験値を振り分ける。
修練の為、魔法を撃つが、レベルによる身体能力が魔法に追いつかず、即死。
魔法に食われるという奴だ。
「魔法」に全経験値を振り分けたため、レベルに見合わない魔法を習得したのが原因となる。
「魔法」を使う場合は、「防御」や「耐性」により、身体能力を向上させる必要がある。
設定と振り分けは、微妙なバランスや知識を必要とする。
毎年、少なからず、こうした事故が起きている。
その殆どが、冒険者を夢見る少年少女だ。
ここで私の進めている改革についての説明をする。
「冒険者を目指す若者に、必要な情報や知識、技や心構えを教える」
ギルドの下部組織として「冒険者学校」を設立した。
学校と言うほど、体のいいものではないが、登録などは不要とし、無料で参加できる。毎週1回、定員になり次第、締め切り。その場で講義を始める。
ギルドから職員5名が対応に当たり、付き人などから1人を講師として派遣する。
大事な事を教えたり、質問等を受け付けたり、15歳以上場合は、クエストに同行させたりもする。
非営利部門だが、将来的にスノープリンセスへ登録してくれれば、即戦力の冒険者の確保となり、投資に見合うと考えた。
が・・・・参加希望者が、予想以上に多い。
経費も結構掛かる。
そこで、国に運営を頼めないか?補助金を貰えないか?王様に相談していた。
却下のなったけど・・・。
国としては、ギルドは治外法権的な扱いとなる。
国軍相当の戦力を持つギルド。そこへ属す冒険者も、国としては脅威となる場合もある。
平たく言うと「冒険者に成るなら、国軍に入れよ」だ。
当然、そこに金は出さない。
本件に関しては、これ以上の投資や拡張が出来ないため、行き止まり感があり、困っていた。
そこに助け舟が来た。
物語の中に、世界観を入れる為のストーリーを作るのって、難しいですね。
今回は、上手く纏まったほうかな?