EP7 お墓参り③
白姫からの手紙の編です。
明け方、早く目が覚めた私は、白姫さんからの手紙を読む。
「こんにちわ雪姫ちゃん。この手紙を、貴女が読んでくれるか、私には、もう見えないわ。読んでくれると信じて書くわね。
皆への手紙で、貴女なら気が付いたはず。
怖くて読めない・・。きっと貴女は、そう感じている。
凄く心配。とても大事な事だから、必ず読むように。お願いよ」
(・・・それ、表に書いておいてくれないと)
「私の一族は、大昔に『魔』と契約したの。だから、とても大きな力を持っているの。
力の代償として、一族の二人に一人は、呪いが発動する。私にも呪いが発動した。この命の炎は、あと数時間で消えるわ。貴女が手紙を読んでいる時から、63年前の話。
未来の見えていた私は、マックスと結ばれることを知っていた。そして7年後、貴女が生まれてくることも。でも、運命は変わった。
マックスと結婚し、幸せな時を過ごし、貴方が生まれてくることを、指折り数えていた、ある日、私は自分が呪いで死ぬ日を、知ってしまった。その日は、貴女の生まれる1年も前。
しかも呪いは最悪の形で発動する。夫のマックスにも、呪いは効果を示してしまったの。私と結ばれることで、マックスも私の一族となったから・・・。
夫の命も奪い、そして、貴女を産めなくなった悲しみ。私は泣き狂ったわ。
呪いの発動を知ると、私の力は高まったの。より遠くの未来が見えるようになった。そして知ったの。
貴女が、この世界に来ることを。
そして、見てしまった。いずれこの世界を襲う厄災。
身を清め、霊的な神聖を高め、詳細を見ようとした。でも、どうしても厄災の正体や、正確な時期は見えない。
この世界の終りだけが見える。
マックスは、解呪の方法を探し、運命に抗おうと言ってくれた。
でも、私は受け入れた。残された時間は、未来を変える為に使う。
私たちは、マックスの旧友ブルックに協力してもらい、ギルドを作った。
貴女を守り、貴女と共に戦ってくれる、大事な仲間が集う所。
「スノープリンセス」を立ち上げたの。
迷い人のアーロンちゃんを保護し、遺跡からマリアちゃんを見つけ出し、ギャリソンやギムを探したわ。
来るべく厄災に立ち向かえる、強いギルドにするために、強い力を持った子たちを集めたの。
私が居なくなった後も、マックスが沢山の仲間を集めてくれる。貴女を迎い入れる時には、強いギルドに成っている。
私たちが用意したスノープリンセスを、貴女が育てて、厄災に打ち勝って。貴女なら、きっとできる。
運命は変えられる。抗いなさい。
私たちにできる事は、全てやったわ。後は貴女次第。信じているわよ。
もう時間が無くなったわ。マックスが私の横で泣いている。
私は怖くはない。悲しくもない。貴女とマックスを信じているから。
遠くからだけど、ちゃんと見守っているからね。
最後だから許してね。
こう呼ばせて・・・愛する娘『雪姫』に、神の加護が有らんことを」
このギルドは、私たちの未来のために、マックスと雪姫さんが残してくれたものだ。
涙が止まらない。大声で泣きまくった。
どれだけ泣き続けていただろう?
私は部屋から出る。
ブルックが部屋の前で座っていた。
「落ち着いたか?」
「うん・・・少しだけ」
リアちゃんとギャリソンも、心配そうに見ていた。
「ねぇブルック、我儘・・・言ってもいいかな?」
「ああ、いいぞ。なんでも聞いてやる」
「もう一度、お墓・・行きたい」
「だと思った。出かける準備はしてある」
私は一言、二人に言いたい言葉がある。
「雪姫様、外は雨ですので、カッパをどうぞ」
「途中で食べられるように、お結びを作っておきました」
ギャリソンも、リアちゃんも、すでに準備が出来ていた。
ゲートで森に来ると、私はブルックの背に乗り、もう一度お墓に向かう。
「ねぇ、なんで二人は運命を受け入れたんだろう?私が来ることを知ったなら、解呪して、一緒に厄災と立ち向かったほうが良かったんじゃないかな?」
手紙を読んで、これが私の中に残っていた疑問だ。
「言うか言わないかの判断は任せる・・とか言いやがってな。まったくよ・・・・墓に着いたら教えてやる」
ブルックはそう言うと、雨の中を走り抜けた。
祭壇の前。
ブルックは、私の質問に答えてくれた。
「二人のどちらかでも、呪いを解呪すると、呪いはお前の降りかかる可能性が高くなる」
(やっぱりそうか・・私を想ってだったんだ)
「泣かないのか?」
「うん。二人の前だから、我慢する。後で大泣きするからよろしく」
私は、祭壇に手を合わす。言いたかった一言を言う。
「お父さん、お母さん、ありがとう。私、負けないよ」
次回より、他のギルドが出てきます。




