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EP3 雪姫動く⑤

次回より、前書き、後書きの省略を企んでいます。

1本が短いから…たまにさぼりますw

ーーーギルド会議室ーーー

「本件は、国同士の問題です。見合いの話ではありません。ギルドとしては手を引くべきですね」

副ギルドマスターとしての、アーロン君の意見だ。

「私もそう思います」

「あたいもだね」

「ですね。ギルドが出る場面ではないでしょう」

マリア、サマンサ、トーマもアーロンの意見に賛成だ。


「ごめん、みんな。なんか違和感があるんだ。なにが、どうとは言えないけど・・・なんかが変だと感じてる」

雪姫の意見。

「違和感・・ですか?」

「なにか変かい?」

(うまく言えないよ・・なんだろう?)

「ガオガオガオ」

「ダイル様は、雪姫様が仰るのなら、何かがあるかもしれません。少し考えてみましょう。と、仰っておられます」

「私もマスターの感を信じます」

(ダイル・・テレサ・・ありがとう)


「では、もう一度話を整理してみましょう」

アーロンが、話を整理するようにリアに指示した。


リアは今までの流れを、箇条書きにして、黒板に示した。

①商人が女王へ見合いの話を持ち込む。

②女王は乗る気で、話が進められ、見合いの日時と場所が決まる。

③女王が身辺調査で、相手トーマスの悪行を知る。

④ジプト帝国内で謀反発生。

⑤軍部による謀反は成功。

私たちが、関与していない部分だけを上げると、こんな流れだ。


「①の段階で、今回の謀反が計画されていたとなると、見合いの話は、足止めと警告の意味になります」

「昨日今日に決めた決起ではないでしょうから、計画はお見合いを含めたものと考えていいでしょうね」

アローンとマリアの意見。

「見合い事体どうでも良い。身辺調査は、織り込み済みと言う事だね」

「目的はあくまでも、足止め。と言うか、今後の両国の事を考えろ。ですね」

サマンサとトーマの意見。

(確かにそうだ。だけどなんだ?この胸のつっかえは?)


「宜しいでしょうか?」

ギャリソンが手を上げた。

「雪姫様が言いたいのは、見合いの話など、『必要ない』と、いう事ではないでしょうか?」


「!!!それだ!」

クラリスと婚約しようがしまいが、安保は王の依頼が必要だ。

身柄を確保された王は、依頼が出せない。どのみち、ルーランは、内政干渉に成る為、派兵が出来ない。

お見合いを、してもしなくても、指を咥えて見ているだけだ。


「確かに、そう言われれば・・そうですね」

「ならなんでわざわざ?なんでしょうか?」

アローン君、マリア、教えてあげるよ。

「あの集結している兵は、こっちに向かわせる気だ。ジプト国と、ルーラン王国、両方狙ってるんだよ」

私は違和感の正体が分かると、答えがスラスラと出て来た。


「マスター。国王より、連絡です。すぐ来て欲しいとのことです」

リアちゃんが、王からの連絡を取った。

会議は一時中断。王に呼ばれたのをスルーする訳には行かない。

私とマリアで行くことにした。



「すまんな、急に呼び出して。会議なんだが、意見が割れてな。妻がお前の意見を聞きたいと言う」

王は雪姫に礼をした。

この王、礼節を相手関係なく守る男だ。


「わしらの意見だ。トーマスは、クラリスとの結婚を強く意識して見せている。

ジプト国の掌握後、両国で、王子と王女が結ばれることで、更なる関係を築こうと、この見合いにメッセージを込めたものと思われる」

王は自信ありげに言う。


「違うと思います!今、集結している兵は、ルーランに向けて進軍する兵です」

雪姫は、強く自分の意見を主張した。

「ほら見なさい!雪姫さんも、私と同じ意見ですわ」

ステラ女王が、叫ぶように言う。


「・・・お前もなのか?」

恐らく、王と幹部達が、ステラ女王の意見を聞かなかったのだろう。

劣勢のステラ女王が、援軍のために、私を呼んだのだ。


「ここから先は、私の読みです。恐らく、この見合いの話は、すでに隣国で広まっています。あの兵を動かす理由は、トーマスの護衛です。護衛と称し、ルーランに大量の兵を入れるつもりです。

もし進軍に、ルーランが兵をぶつければ、奴らは見合いの護衛を討ったと、隣国に流布します」

ステラ王女は、私の後ろに回る。そして両手を肩に添えた。


「その通りです。既に相手側に出した、護衛兵団の許可。彼らはそれを盾に進軍してくるはずです。私たちは、敵の侵入に手を出せないまま、攻撃を受けることに成るでしょう」

私の読みと、女王の読みは完全に一致している。


見合いの約束は、この国に堂々と兵を送ることだ。

ロロ卿は、私たちが謀反を知らないと思っているはず。この機に一気に来る。


「・・・なるほど・・・」

「確かに女王陛下の読みも、ありえますな」

「しかし、どう防げば?」

「下手に兵を出せば、隣国での我が国の評価は・・」

「手をこまねて居れば、侵入を許す事に・・」

国の幹部たちは頭を抱えた。上手く絡み取られている。


「国同士なら、大問題ですよね。マスター」

マリアだ。

「そうだね。国同士ならね」

王がこっちを見た。

「そうか!ギルドなら・・・お前等なら」


そう、私たちは、何者にも屈せず。何事にも屈せず。

「お国の事情なんか気にしない。守ると思うモノのために、私たちは動く。依頼があれば、ですけどね」


「すぐに通過予定地の地主に、依頼を入れさせますわ」

そうそう、国からの依頼じゃ、国が動くのと同じ。

地主に適当な理由で依頼させれば、私たちが進軍を止めて見せる。


      「その依頼!受けた!」




次回、戦闘です。

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