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EP3 雪姫動く②

明日より「令和」

更新時間が、朝8時台に戻ります。

新元号1日目は、なんとしてもw

ルーラン王国、国王「ゴルノバ」

屈強な肉体と、強い意志を感じさせるお顔。

雰囲気はマックスと似ている。


この王様、ただの王様にあらず。

戦いの場においては、自らが先頭に立ち、敵を薙ぎ払う猛者。

王の立場にありながら、兵士と共に訓練をし、汗を流し、飯を食う。

奴隷制度の廃止や、獣人、ギア族や他種族を、平等に扱う法令を出し、国民の絶大な支持を受けた、完璧な名君。


こんな国王を、国民は尊敬の念を込め、こう呼ぶ。

     「出来すぎ王」と。



「今日来たのは、娘の見合いの話だ」

(やっぱりキターーーーーー)


座ってても威厳と言うか、オーラを感じる。

威風堂々って、こいつの為の言葉だ。


雪姫はアーロンをチラ見する。援護要請だ。が、アーロン、本を読んだ振りをしてスルー。リアに出した援護要請も、却下される。

リアは「充電してくる」と、部屋を出て行った。


雪姫、この王と1対1。



「1週間後、娘の見合いがある。壊せ」

「へ?」

「互いに立場がある身だ。誰もが納得できるように、無難に壊せ」

(あれぇぇ?パパもお見合い反対?なの?)

「えっと、ゴルノバ国王、お見合いを壊していいのですか?」

一応確認する。


「妻が進めている話だが、先日クラリスに話した所・・・」

(嫌がられたんだよね)

「それ以降、口をきいてくれにゃい!!」

にゃいだと!?

「ワシは娘に嫌われたら、生きて行けにゃい!!」

泣くな!

「100Gです。違約金は無し。失敗はこちらのダメージにもなります」

アーロンが口にした。

(50G増えてるぞ。しかも同一内容だぞ。2重取するつもりか?)

「いいだろう。娘と仲直りができるのなら、安いものだ!」

王は納得した。


「えっと、その依頼、引き受けさせていただきます」

契約成立!


   

   

トントン。「雪姫様、女王陛下がお越しです」

またドアの外から、ギャリソンの声がした。


「妻だと!?わしの妨害工作に気が付いたか?雪姫、確かに契約したぞ。妻の依頼は断るがいい!」

窓に飛びつくと、そのまま飛び降りた。

(あんたら親子だね)



「雪姫さん、初めまして。女王のステラでございます」

女王陛下。美しくも気品に溢れ、王の後ろに控える出来た女性。


若き頃は、短剣の使い手として名を馳せ、有事の際は軍師として知略を振るい、王を支える名女王。


国民の支持は異常なまでの高さ。尊敬の念を込め呼ばれた名が

        「ミネルバ」

知の女神にして、その鋭い爪で敵を切り裂く。短剣使いになぞられた2つ名。軍師の底の底まで見通す目が、早くも雪姫を圧倒する。



「えっと、今日はどのような御用で?」

雪姫、僅かな希望を持ち尋ねる。

「・・・夫が居ましたね?娘・・クラリスも居ましたか?」

(なんでわかる?)

「残り香ですわ」

「・・・・・」

言葉にならない衝撃。この人相手には、嘘偽りは通じないと知る。



緊急援護要請!とても戦える相手ではない。雪姫はアーロンを見る。

チラ見ではなく明らかな、援護要請。が、アーロン逃走。

だてに年は取っていない。隙を見て退室。雪姫、今度こそ孤立。



「依頼の内容は、既にご存知ですよね」

娘と王が居たなら、依頼はしているはず。読みは正しい。

「えっとぉ~依頼内容に関しては守秘義務が・・」

ギルドマスターとしては当然の事だ。が・・・。


「守秘義務をお使いに成るという事は、依頼はあったとの認識でよろしいですか?」

1枚も2枚も上手!

「はい。お二人からご依頼がありまして、受理いたしました」

小娘に勝てる相手ではないと悟る。雪姫陥落。


「そうですか。お見合いを壊せと・・ですわね」

「はい。その通りでございます」

「では、私からの依頼です。お見合いを壊してください」

「はい・・・・ヴぇ?」

「迂闊でした。信用のある方からの紹介で、お会いした際も、好感が持てた方でしたが・・・」

ステラは、テーブルの上に封筒を置いた。


「・・・中を見ても?」

「どうぞ」

女王は、手の平を出し、見るように即した。

「うぁぁぁぁぁ」

複数の女性と、イチャ付く男の写真。中にはR-18もある。

「貴族の殿方です。それなりに女性とのお付き合いは、あるものです。しかし、当方の調査部が調べたところ、複数の方との間に、お子様がいらっしゃったり・・・」


「女の敵だ!分かりました女王陛下!お任せください!」

クラリス姫を、こんなスケコマシのお嫁さんになんかしない!

「200Gです。違約金は無し。失敗はこちらのダメージにもなります」

クローゼットからアローンが出て来た。

(って、そこに隠れてたんかよ)

「結構です。個別に依頼した以上、娘や夫からも報酬を取って構いません」

(お?太っ腹だね)

「では、この依頼!受けました。必ずぶち壊して見せます」

契約成立。


「勘違いなさらないでください。私の依頼は、当家がダメージを受けないよう、相手から断って頂くように、仕向けていただく事です」

(あれ?ハードル上がったよ)

「相手からですか?」

「はい。このような大切なことを、身辺調査もせずに進めて来たのは、私のミスです。私のミスで、夫の顔に泥を塗り、娘の経歴に土を付ける訳にはまいりません」

ステラの顔は真剣だった。


「先方様から断られる。当家に非は無く、一方的な理由で。これでお願いします。娘も、これなら許してくれることでしょう」

(親が子を案ずる。当然の事だが、ステラ女王も、クラリスを愛してるんだな)

「娘に嫌われたら生きていけませんわ!!!」

やっぱ泣くんだ。


「先方様は、すでに乗る気満々です。先日、入国の際に、護衛兵団を伴う許可を取り付けています。事は急を要します」

(そりゃ、クラリス王女と結婚すれば、次期国主。美味しいよね)

「早急に善処します」

女王陛下は笑顔になった。



「この資料は預からせていただきます。あと・・」

「どのような協力も惜しみません。私から娘と夫には、この事を伝えます」

頭がいい人は、話が早い。

「では、よろしくお願いいたします」

女王は部屋を出ようとした。




娘、王様、女王様、3者からの依頼を受けた雪姫。次回は「会議」

そして、ギルドの曲者再登場です。

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