願ってはいけない
中学は、同級生がほとんど入学する学校へ行った。中学の近所にはもう一つ小学校があり、クラスはその学校と私が通ってた小学校の生徒が混合した。最初は、普通に通っていた。しかし、ある日、途端に中学生活は引きこもり生活へと変貌した。
私は「サイレン」の音が非常に苦手なのだ。中学のすぐ付近に消防署の出張所があり、授業中に聞こえてくるサイレンに耐えられなくなり、付近にサイレンが鳴ることのある建物が無い家で引きこもるようになっていった。
引きこもり生活は、案外楽しいようで今思えば、つまらない日々が続いていたと思う。毎日毎日スマホやテレビでアニメを見たり、アニソンを歌ったり、動画を見たりのループ。勉強は一切しなくなっていた。そして、そんな生活を続けていく内に昼夜が逆転していった。学校行事に参加する意欲も無く、学校に行ったら無理矢理教室に入れさせられそうになるし、保健室で保健の先生と口論になる日々。私は、初めて父に憧れた。
「死にたい。そうすればお父さんのところへ行ける。」
人生を投げ捨てて私たち家族を置いていって死んでいった父に憧れたのだ。そうすれば自分がこんな辛い思いをしなくて済む、と考える事が増えていったのだ。その思いは日に日に膨らんでいき、ノートへ思いを書きなぐる日が増えていった。お母さんには決して見られたくなかった。絶対に引き留められるから。あの手この手を尽くして私を縛ろうとするだろうと考えたから。ひっそりと自分しか居ないことを確かめて泣きながら書いていた。
そんな時、私は学校内にある各々の理由によって教室に入れない子達が集まる部屋、通称"別室"と学校自体に通えなくなってしまった子達が集まる"チャレンジ教室"という存在を教えてもらった。別室は居心地が良かったけれど、"学校"自体が近づきたくないと思い始めていた自分は時々行くということにしてチャレンジ教室へ通うことにした。
チャレンジ教室では上は中学3年生、下は覚えていないが多学年が通っていた。私は、同学年の女の子 はなちゃんとアニメなどの趣味話で意気投合し、ほぼ毎日通うようになった。はなちゃんと話をすると知らなかった作品の話を聞かせてくれたり、好きなキャラの話で盛り上がったり…と毎日が楽しくなっていった。他にも名前はちょっと忘れちゃったけど、先輩の女の子2人に仲良くしてもらったり、後輩の女の子3人と勉強の話で盛り上がったり、後輩の男の子2人と卓球で遊んだり、とても充実した日常を送れるようになっていった。それもこれもチャレンジ教室の職員さんも居たから、同じ目線になって話を聞いてくれたから、とても優しい対応をしてくれたから通い続ける事ができた。




