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風邪とけもの耳ろぼっと

 朝。体がだるい。そして熱があることがわかったので、学校に連絡して休むことにした。

 9時45分ごろ…

「ごほっ。こんこんこん」僕は熱で体がだるかったけど、喉が痛くて咳が出る。


 がちゃ。部屋のドアが開いた。

「どこか具合が悪いのですか? ナースコールのボタンが押されましたが…」

 大きいけもの耳ろぼっとがナース姿で入ってきた。ちなみに狐ミミだ。

 そしてその後から、普段ナース姿のけもの耳ろぼっとが後に続いて部屋に入ってきた。

 こちらも狐ミミだ。


「ナースコールのボタンなんて家にないよ。ご。ごほ。こんこんこん」声を出したので咳が出た。

 僕は狐ミミのナース姿のけもの耳ろぼっと達に言う。


「せっかくナースが役に立つときですのに…

ちなみに、ぼちゃんの体温は今37.743221度あります」


 こまかいよ… と口には出さずに思う。


「そういえば、これを作ってきました。こども用ミルク卵酒」


「たまご酒。聞いたことがあるけど、子供が飲んでいいの?」


「アルコールはしっかりと飛ばしてあるので酔っぱらうことはありません。

ちなみにけもの耳ろぼっともアルコールを飲むと酔っぱらうようにプログラムされています。

ちなみに1合でもほろ酔いになりますが、その後は4升入っている樽酒を全部呑んでも、程よく酔ったぐらいにとどまります。ほろ酔い以降に呑んだ分は燃料として貯蔵されます」


「そうなんだ。じゃあせっかくだからいただくよ…

ふーふー」

 あ。結構とろとろで飲みやすい。ミルクセーキみたいだけど、すごくぽかぽかする。


 あれ。なんかちょっとぼーっとしてきた。


「じゃあ寝ててください。今は午前中ですので、4時間と12分7秒後に来ますね…」

 こまかいよ。僕は布団をかぶって寝ることにした。


 12分7秒後。がちゃ。部屋のドアが開いた。

「ぼっちゃん。診察を忘れてました…」


「…ん。うう。なんだよぉ。うとうとしかけてたのに…」僕は目を開けて騒々しいろぼっと達を見る。


「診察と治療を忘れてました。おくちをあーんしてください」


 大きいけもの耳ろぼっとはいつのまにか着替えたのか、ナースではなくて医師の恰好だった。聴診器を首からぶら下げて、手にはお口の中をあけて舌を抑えるための舌圧子 (ぜつあつし) を持っている。ちゃんと消毒されているようだ。

 僕はあーんした。


「喉の奥が腫れてますね。ヨウ素入りの喉用スプレーを処方しておきます」

 おおきいけもの耳ろぼっとはそのまま舌圧子を抜いてから、あーんしてくださいと言い、そのまま喉の患部に向けてスプレーをした。


「ん。これで治るといいけど…」


「私は医者のコスプレをしているだけですので、症状の緩和には役立ちますが効果はわかりません。

でも、お薬に頼らずに栄養を付けて寝ていれば治るのです。どうしようもない感じなら病院に連れていきます。ちなみに看護師免許は取得済みですので、そのまま病院内のあなた専属けもの耳ろぼっととして働くことができます。ろぼっとなので給料はでませんが…

それとろぼっとなので給料はでませんが…」

 2回言ったけどめんどくさかったので僕は無視した。


「そう…僕は寝るよ。お昼ごはんはいらないから…」

 僕は目を閉じる。


「そうですか。じゃあ静かにしておきます。こっちのけもの耳ろぼっとも内職をしておとなしくしているようにするとのことです。ちなみに医療用の内臓の標本とかを作るみたいです」


 けもの耳ろぼっとは部屋を出て行った。


☆☆☆


 がちゃ。4時間後きっかりに部屋のドアが開いた。


「見回りの時間です。ぼっちゃんどうですか…」

 大きいけもの耳ろぼっとはまだ医師の恰好をして、後ろからナース姿のけもの耳ろぼっとがついてきていた。


「…… ん。んあ。なんだよ… まだだるいよ…あ。でもしゃべっても咳は出ないかな…」

 僕は喉に手をあてて、ああん。ごほん。ごほんと空咳をしてみる。喉の痛さは結構ひいたようだ。


「そうですか。じゃあ脱いでください。すっぽんぽん」


「はぁ? なんで…」


「汗をかいているはずですので、そのままでは風邪がひどくなります。パジャマを脱いで、下着も脱いで、ガウンを着てください…

脱がない場合は、このナースろぼっとが強制的に脱がせます…」

 と後ろからナースろぼっとが出てきて手をわきわき動かしている。


 このままでは身に危険を感じた。


 わかったよ…

 僕はベッドから立ち上がってパジャマを脱ぎ、下着も脱ぎ始める。


 じー。ちいさい元からナースのろぼっとは僕の服を脱ぐところをじーと見ている。


「なんで見ているの…」


「記録ですよ。ぼっちゃんの。両親に見せます…」


「なんでだよ…風邪ひいているのに…」 


「おちんちん。かわいいですね… ぽっ」ナース姿のけもの耳ろぼっとは言う。


「いやん。後ろ向いてよ…」僕はあわてて後ろを向きパンツを履く。そして下着を全部着て、ガウンを着た。

 なんで家にガウンがあるんだろう。と思ったけど言うとめんどくさくなるので言わないことにした。


「脱ぎましたね。じゃあ洗濯に出します…」

 ナースのけもの耳ろぼっとは脱いだ服を拾い上げる。


「さっきの記録は消してよ…」


 ナースのろぼっとは「だめです。親御さんに頼まれてましたので。親御さんの許可がないと消せません…」


 はあ。じゃあ治ったあとで連絡しよう…

 僕は再びベッドの中に入る。


「じゃあ5時間27分17秒後にまた来ます…」


 こまかいよ… 僕は布団をかぶった。

 着替えたおかげで寝やすくなった。


 すーすー。10分後には寝息をたてていた。


☆☆☆

 

 がちゃ。がらがらがら。音がした。

 すると何かをカートに乗せて運んでくるけもの耳ろぼっと達。

 あれだ。病院のベッドでも食事がとれるベッドサイドテーブルに夕食を乗せてきた。


 台湾風のおかゆ。

 シャケ。

 えび豆腐。

 わかめスープ。

 デザートにプリン 油揚げスナックを添えて。

 それとほどよく冷えたオレンジジュースだった。


 油揚げスナックはどうせ、おおきいけもの耳ろぼっとが追加したんだろうけど…まあいいや。


 僕は食事をしていたが、そばに立っていたけもの耳ろぼっとのボタンを押した。

 にゅー。にゅー。狐ミミがひっこんで、銀色のきつね耳が出てきた。

 元からナースのろぼっとのボタンも押した。がちゃ。がちゃ。狐耳がひっこんで、銀色のきつね耳がでてきた。

 僕はまたボタンを押したが、銀色の狐耳がひっこんで、銀色の狐耳が再びでてきただけだった。


「無理ですよ。今はナースモードなので…」


「医者の場合は?」僕はおおきいけもの耳ろぼっとに聞いた。


「中身はナースなので同じですよ…」


「そう…」


……


「食べ終わったようですので片づけてきます…」

 元からナースのロボットは食器を持って出て行った。


「じゃあ。何かありましたらナースコールでお呼びください」


「だから。ナースコールなんて家に…」あ。あった。ベッドのところにいつのまにかついているボタン。僕はボタンを押してみた。

 にゅー。にゅー。いつもの音がして、ろぼっとの頭を見ると、銀色の狐耳が普通の狐耳になった。

 いつものろぼっとのボタンがベッドのところのボタンでできるようになっただけだ。ボタンの先のケーブルを見るとボックスにつながっていて、ボックスには無線のアンテナが出ていた。つまりボタンの先はワイヤレスになっていた。

 ミミがにゅーとひっこんだら、ここに来てくれるらしい。


 けもの耳ろぼっとは出て行った。


☆☆☆


 僕はちょっと寝たらおしっこに行きたくなった。僕はベッドから起き上がり、立ち上がろうとする。

 う。ちょっとふらふらする。これはだめかも。僕はナースコールのボタンを押した。


……


「お呼びですか?」

 本当にろぼっとが来た。こんどは銀色のきつね耳になっていた。


「あの。トイレに行きたいんだけど。体がふらふらして…」


「わかりました…」

 小さいナースのけもの耳ろぼっとは、僕の背中を支えて、お尻の下に手をいれるとお姫様抱っこをして持ち上げた。


「何やっているの。支えてくれたらいいのに…抱っこまではいいよ…」


「いえ。万が一転んでしまわないようにです。それとぼっちゃんの体重を測るためでもあります。ちょっと軽くなってます。水分をとる必要があります。あとで栄養のあるスポーツ飲料を程よく冷やしたものを持ってきますね」


 トイレまで抱っこで移動する。そしてトイレのドアを開けてから僕は下してもらった。トイレの中にまで一緒にはいってきたナースのけもの耳ろぼっと。


「なんでトイレの中に入ってくるんだよ…」


「万が一倒れられたら困るのです。そのまましー。してください。私は万が一のことを考えて両脇に手を入れて体を支えています…」


 どうしてもトイレから出て行ってくれないらしい。けもの耳ろぼっと。

 わきの下に入れられている手が腰のところまで下がった。


「何しているの?」


「早くすませてください。私を気にしなくていいので…」


 僕はだいぶ我慢していたので、しーをした。液体を出し終わってからパンツに手をかけた。

 なんとなく気になったので後ろを見ると、後ろでしゃがんでいるけもの耳ろぼっとと目があった。


「何をしているの?」僕は言った。


「いえ。後ろから支えていただけです」

 僕はほんとにーという目で見る。


 けもの耳ろぼっと(実はぼっちゃんのお尻と太ももを見てました。ぷりぷりしてます。お肉はもう少しつけたほうがいいです。太ももをさわりたいですが、触ったら怒られます)は心の中で思っていた。


 わかったよ… いいよもう。それにだるいし…


 ベッドまで連れて行ってもらう。

 するとベッドのわきには程よく冷やされたスポーツ飲料がある。


「ぼっちゃん。大丈夫でしたか?」

 大きいけもの耳ろぼっとが言う。


「ねえ。このナースのろぼっとおかしくない?」僕は身の危険を感じて大きいけもの耳ろぼっとに聞く。


「おかしくはないと思いますが。それと私もおかしくはないです」

 医者の恰好をしたけもの耳ろぼっとは言った。そして元からナースのけもの耳ろぼっとは「私がおかしいと言うのですか?」


「いやぁ。だって… トイレにまで一緒についてくるし…」


「いえ。それはナースの業務なので…」


「人の裸を見ていたし…」


「いえ。それはナースの業務なので…」


「ひょっとしてトイレで、僕のお尻とか太ももを後ろから見ていなかった?」


「いえ。それはナースの業務なので…」


「ちがうよ…」

 はあ。まあいいや。僕は寝るよ… 疲れた。


「今朝よりは元気になりましたね。明日にはだいぶ良くなっているでしょう」

 聴診器を手にとって、僕のおでこにあててる大きいけもの耳ろぼっと。あてる場所が違うけど…


「私は内臓の内職があるので…」と元からナースのけもの耳ろぼっとは出て行った。


「じゃあ私は食器を片づけてから戻ってきますね…」

 大きいけもの耳ろぼっとは出て行った。


……


 寝るか。僕はベッドへ横になった。


 がちゃ。部屋のドアが開いた。大きいけもの耳ろぼっとが入ってきた。大きいけもの耳ろぼっとはガウンを着ていた。お揃いのものだ。


「さあ。寝ましょう…」大きいけもの耳ろぼっとはベッドの端の壁と僕の間に入ってきた。


「変なことをしない?」僕は聞いた。


「私は、あのナースろぼっととは違います。いつも寝ているじゃないですか…」


「まあそうだけど…」


 僕はおやすみを言って電気を消した。


 明日には風邪治るかなぁ。


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