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風神曰く
目の前には風神がいる。
目には赤く血が映る。
空は青い。
私はいつも1人。
風は私を狂わせ、風は私を動かす。
私は孤独に舞い孤独を歌う。
目を閉じればそこにはたくさんの龍がいる。
みんなは信じない。
昔の蝶を。
蝶のように空を舞っていた龍を。
私は岩の上に腰掛け空を見上げる。
「いつになったら私はここから解放されるの?」
雲は風に靡き空は呼応している。
私の問いかけは戻ってくることなく1日はすぎていく。
龍神はこちらを向き返り口を開く。
「お前は私の主人だ。
私が死ぬまでここにいろ。」
赤い目が私を見つめる。
ほかの龍も呼応して鳴き喚く。
空に響くその音は耳を劈き脳の中にたまる。
「私は見ている。
お主の成長を。」
《作者から》
これからも連載します。
宜しくお願いします。