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好きになっても。
誰しもがなれるわけじゃないんだ。
前からわかっていたのに。
両思いなんて。
無理だって、わかってたのに。
側にいるだけで満足だったはずじゃん。
なのにどうして。
私は期待してるの?
“彼もきっと私が好き。”
そんなはず、ないのに。
彼に好いてもらえるはずないのに。
身分違いも甚だしい。
彼はこの学校。
徳華学園の王子。
“堺陸斗”なんだから。
私みたいな庶民が。
私、“西園寺夢”が。
すきになっちゃ、いけなかったんだ。
彼に釣り合わない。
そんなこと、私が1番知ってるのに。