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side:藍奈
想様は私にとって敬愛すべきご主人様。
私をこの世に生んでくれた大切なマスター…。
想様にとっての私はどのような存在なのだろう?
乱雑に扱われたことも手酷く扱われたこともないけれど、所詮私は「ロボット」だから。
想様の心の奥深く…なんて、見えないし分からない。
私は誰よりも想様が大切。
私のたった一人の大切なご主人様。
たとえ貴方が私を「ロボット」だとしか思っていなかったとしても、私のこの気持ちは変わりません。
ありがとうございます、私をこの世に生んでくれて。
本当に感謝しています…。
* * *
想様から与えられた自室で先ほどもらった贈り物をハンガーにかけじっくりと眺める。
黒を基調としたシンプルなワンピース。
今までもらっていた服とはどうやら違うらしい。
ちなみに私が今まで想様からもらっていたのはメイド服。
仕事に便利だし決して嫌いなデザインではなかったから着ている。
「このワンピース、仕事用なのかしら…。」
ひらひらしているメイド服とは違って、どちらかといえばほぼ直線状のスカート。
タイトスカートの丈を長くしたような感じ。
どう見ても仕事向きではない。
「明日想様にお聞きするのが一番…。」
そう決めてそれをクローゼットにしまった。