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「おはようございます、想様。」
「…おはよう、藍奈。」
またいつもと変わらない朝が来た。
昨日のように予定があるわけではない今日は、言ってしまえば暇なのだ。
体を起こすといつもと同じ…、メイド服に身を包んだ藍奈がいた。
「藍奈、僕があげたワンピースは?」
「仕事には不向きかと思いまして…。」
僕は少し考えて確かに、と納得した。
「そうだね、不向きだったね。ごめん。」
言いながらベッドから下りカーテンを開けた。
「藍奈、」
「はい、想様。」
「いい天気だよ、どこかに出かけよう。」
開けたカーテンの先には綺麗な青空が広がっていた。
「昨日のワンピースに着替えておいで。僕はその間食事をしている。」
「はい。」
「1時間後に玄関で。」