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行動開始

(さて、どうするか・・)

 色んなことが起こったので頭の整理をしよう。


 まず、作戦内容が筒抜けだったこと、これは紛れも無い事実だ。

 敵が俺の右腕の機能まで知っているということは、作戦の細部まで知っている俺以外の人物、つまり准将が情報を提供した可能性はきわめて高い。

 次にあの准将の言っていることが本当なのかどうか。

 あの映像自体が本物なのか。画像AIならばあの位のものを作るのは容易い。だが、俺の質問に対しての回答はつじつまが合っている。

 ということは、あの映像はフェイクという訳ではなくかなり本物っぽい気がしてきた。あとは、話の内容が本当かどうかだ。


 しかし、バランサーの話が本当かどうか今の状況だけでは判断できそうもない。

 だが、右腕に何かを隠しているのは間違いないようだ。

 なぜなら俺が生きているからだ。

 俺の右腕は、あの准将が言っていたように、国家機密扱いになっている。無理やりはずそうとすると爆発するよう設計されている。敵に右腕の技術情報を渡さないためだ。

 もっとも爆発と言っても爆弾のように派手に弾けるのではなく、腕の内部だけが破壊されるような超小型爆薬が仕込まれているのだが、中に何か隠しているのであれば一緒に破壊されるのは間違いない。

 俺を殺して腕を奪おうとしても、やはり同じようになる。安全に外すには暗証番号を打ち込むしかない。番号を知っているのは俺だけだ。


 つまり右腕を手に入れる前に俺を殺すわけにはいかないということだ。


 逆を言えば、腕を渡してしまえば俺はお払い箱ということにもなる。今の状況からするとその可能性もかなり高い。

 バランサーというのは俺の右腕を安全に手に入れるための虚言かもしれない。

 何にしても、ここに拘束されていては俺の命は相手の掌中にある。正しい判断もなにもない。まずは自由を確保することが先決だ。


 俺が拘束されているこの部屋の壁は、コンクリートの打ちっぱなしで何も無いように見える部屋だが、どこかにカメラがあって監視されているのは間違いない。

 こちらの手の内は全てばれているうえ動きまで見張られている。

 最悪の状況だ。


 そこまで考えたとき、俺は気が付いた。

 俺とタイマンを張ったMr.Rは、ジャックが俺の右腕につけてくれた腕時計型緊急スイッチを知らなかった。

 そうでなければ俺に殴られてあんな怪我をするような真似はしなかったはずだ。

 つまり、ジャックが全面的にバランサーに協力しているというわけではない。一縷の望みではあるが、相手が知らないカードがこちらにもあるということだ。


 俺は、後ろ手に手錠で繋がれている右腕の手首にあるコード入力ボタンに左手で腕の取り外しのコードを入力した。

 鉄柱から逃れるには、左腕を切るか右腕をはずすしか方法が無い。

 監視されている中、相手がもっとも欲しがっている右腕をはずすのは危険この上ないが、仕方ない。

 ここからはスピードが命だ。


 俺は、右腕をはずすと左手で右手首を持ち、すかさず体の前に腕を持ってきて右腕を装着した。その間0.5秒。


 そのまま後ろの扉へダッシュし、ドアノブを右手でつかみ手前にクイッと引いた。緊急スイッチで戦闘モードになっているので解除はない。戦闘モードはそのままのはずだ。見るとジャックがつけてくれた腕時計もそのまま巻いてある。


 扉はスチール製の分厚いタイプだったが、思ったとおりドアノブだけ鈍い音とともにひっこ抜けた。

さらに、ドアノブの抜けた穴に右手を突っ込み手前に引いた。工事現場のような音を立ててドアが丸ごと手前に抜けた。


 俺は、部屋を抜け出し長い廊下を走り出した。この作戦に入る前に頭に叩き込んだデータで、位置は判明した。地下二階だ。


 走りながら、右手首をひねって指だけで手錠の鎖を引きちぎった。

 その時、すぐそばの扉が開いて銃を構えた男が飛び出してきた。

 俺はとっさに身をかがめ廊下の床に右手を突っ込んだ。床からコンクリートの塊を豆腐のようにつかみ出し、その男に投げつけた。

 コンクリートの塊は、戦闘モードのスピードでその男にぶち当たった。

 男はなすすべがないままその場に昏倒した。


 俺は、その男に駆け寄り銃を奪った。

 その気絶している男は顔にガーゼを張ったMr.Rだった。

 よく見ると首から認識証がぶら下がっている。『リチャード リンクス(Richard Rinks)』と書いてある。

 なるほど確かにMr.Rだ。

「何度もすまんな」

俺はヤツのいやらしいにやけた笑顔を真似して微笑んでやった。


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