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ニードルスタンガン

うわああああぉ・・場が騒然となった。


 現場を混乱させて脱出を図る。こういう場合の常套手段だが助かる可能性は意外と高い。

 しかも、さっき見渡したところでは、後は拳銃と自動小銃ぐらいしか装備していないようだった。

 俺が着ているこの清掃作業員の作業服は一見何の変哲もないが、裏地にケプラー繊維を編みこんだ簡易防弾仕様になっているので、銃弾が当たるとかなり痛いが致命傷にはならない程度まで耐えられる。


 俺は、ポケットから閃光棒を取り出し指に挟んで折り曲げた。これは結構便利な品だ。

 一見、短い鉛筆のようなプラスチックの棒に見えるが、折り曲げると1秒間だけ太陽並みの光を発する。

 熱も音もない。単なる目くらましだ。

 ただ強烈に光るだけなのだが、まともに見ると数秒間目がくらんで何も見えなくなる。折り曲げる俺は、1秒間だけしっかり目をつぶっていれば良い。


 ぎゃー・・うおおおぉ・・・

 この光を見ると大抵の人は、何か爆発したと思うらしい。

 俺に狙いをつけていた集団は一気に混乱しまくっている。


 俺はその機に乗じて出口にダッシュした。と次の瞬間、俺は背中に痛烈な痛みと衝撃を覚え、全身が硬直しその場に倒れこんだ。倒れながら後方を見てみると、俺の周りを囲んでいた人の輪のさらに外に、サングラスをした迷彩服の兵士の姿が見えた。


 手に持っている銃、あれはニードルスタンガンだ。


 なんてこった。こちらの装備はすっかりお見通しだ。

 裏地がケプラー繊維の俺の服は、弾丸には強いが、極細の針などは繊維の隙間を通って貫通してしまう。

 ニードルスタンガンとは、その極細の針に高電圧をかけた捕獲用の武器で、俺のこの服ではまったく防げない。しかも撃ったヤツは対閃光棒用のサングラスまで装着していやがる。

 こちらの手の内がすっかり筒抜けになっている証拠だ。


(どういうことだ・・)


 俺は疑惑に包まれながら倒れこみ、そのまま意識を失った。


 

 背中がやたら冷たくて目が覚めた。

 だが、頭は朦朧としていて目もかすんでいる。

 どうやら俺はまだ生きているらしい。コンクリート打ちっぱなしの小部屋だ。


 俺は部屋の中央で椅子に座っている。俺の後ろには床から天井まで直径30センチくらいの鉄柱が立っており俺の両手はその鉄柱を回して手錠で後ろ手に括られている。

 右腕の服の袖は切り取られており、俺の自慢の右腕が右肩の接続部分からすべて露出していた。

 なにかいじられたのか一瞬不安になったが、俺の右腕はそんなにやわじゃない。外れてなければ心配はいらない。


 冷たかったのは、鉄柱に俺の背中と露出した右腕がぴったりとくっ付いているせいで、鉄柱に体温がすべて奪われていくような感じがした。

 これ位の太さの鉄柱になると、さすがに俺の右腕でも歯が立たない。もっとも右腕は生身の左腕に手錠でつながっていて、手荒なことをすれば左腕がもたない。


 あきらめた俺は、朦朧とした頭でとりあえず部屋を観察してみた。

 前方の壁には、40インチ位のモニターがあり、後ろの壁には出入り口の扉があるようだ。それ以外には何もない。のっぺりとしたコンクリートの壁だけだった。



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