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第1話.一人の女神の完全な逆恨みから全ては始まる


第1話



「はぁ...今日も疲れちゃう...」


とある謎の空間にて、紫の長いロングヘアに白いドレスを見につけた女神ユブリスはブツブツと愚痴を言っていた。


「この高貴なる神の私に与えられた仕事がよりにもよって下賎な人間達の案内役だなんて!上の神様達も見る目がないんだから!」


ユブリスの役目は死んだ人間の召喚並びに今後への案内役であり、その人間が天国を望むのなら天国へ、現世への生まれ変わりを望むなら現世へと人間達の希望を聞いて新たな世界に送り出すのが彼女の仕事だった。


しかし、彼女は傲慢で高望みしがちな性格だったがために未だに自らに与えられた仕事については納得していなかった。何なら、神を絶対的なものと考えた上で人間を見下していたくらいなのだから...


「当分は次の死者は出そうにもないし...ちょっとだけ人間界を覗いちゃおっかな~!」


ユブリスは『界眼』と呼ばれる人間界の様子を見れる特殊な力を使える。これは案内役を務める神だけに与えられているもので上の神様からの許可がない限りは使ってはいけないのだが、ユブリスはその決まりをしょっちゅう破り、暇な時には人間界を覗き見するのがお約束となっていた。


「...さてと...ん?」


そして、ウキウキしながら界眼で人間界の覗き見を始めたユブリスだったが、とある一人の少女を見た途端に彼女の顔から笑顔が消え失せた。


その少女...鳩鳥茉麻(はとどりまあさ)は優しい家族や友達に恵まれて幸せな日常を送っているという、一見すればどこにでもいそうなタイプの女の子なのだが...


(何よ...何かムカつくんだけどこの女!私が家族からも上の神様からも妬まれているというのに...どうして人間の女なんかが!)


最も、茉麻からすればそれは逆恨みもいい話で神が普段からその程度の個人的な恨みで力を悪用するなんて事はない。


しかし、茉麻にとって不運だったのがこの日のユブリスは()()()()()()()で上の神様からのお叱りを受けて非常に機嫌が悪かったという事だ。おまけにどうもユブリスは茉麻に対して今までの人間にはないような嫌悪感を感じたのだ。


(ムカつくわね...あっ、そうだわ!この女を異世界送りにしてしまえば!慣れない地で孤独に生きるこの女の顔が見てみたいもの!)


死んだ人間の行く先は天国や現世への転生の他にも異世界への転生というものもある。それは最も過酷なものなので選ばれる事は非常に少ない。


「ふふっ!そうと決まればあの女をさっそく召喚してしまおうかしら!」


ユブリスは悪い笑みを浮かべると召喚のための準備をはじめた。



一人の傲慢な女神の勝手な行動によって不運にも召喚される形となってしまった少女だが、この少女が後にとんでもない事を引き起こす事になるのはまだ誰も知らない話だ。




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