表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王  作者: 覧都
178/208

第百七十八話 赤き魔王軍の突撃

 目を閉じると、真っ暗です。

 元々薄暗い魔王城で目を閉じると光を全く感じません。

 三人からは少しも動く気配を感じません。

 目を閉じていると時間がゆっくり進みます。

 長い時間が、たっているように感じます。


 三人が動きました。

 でもそれは、剣を鞘に収める気配です。

 僕は薄ら目を開けました。

 やはり剣を鞘に収めています。


「よかった。本当はもう少しだけ生きていたいと思っていたのです」


「もう少し!?」


 三人が驚いて聞き返してきます。


「そうです。天帝の勇者を倒すまでは、生きていたいと思っています。出来ればその前に一目イルナに会いたいと思っていますけど……」


「魔王様は天帝の勇者より圧倒的に強いと思いますが」


 ギールさんが質問します。


「いいえ、天帝の勇者も強いですよ。それに、勇者には自分の命と引き換えに、自分より強い者を倒す魔法があります。そんな勇者を倒す為には魔王の命が必要なのです。悪逆非道な天帝の勇者を倒すのは僕の使命なのかもしれません」


「……」


 三人は黙ってうつむいてしまった。


「ギールさん、すみませんでした。僕はギールさんに手柄を上げて欲しくて、中央軍を任せました。でも、うまくいきませんでしたね。敵を甘く見ていました。まさか、逆襲してくるとは思いませんでした。村も町も住民は避難していましたので、水上戦での決戦しかないと勝手に思い込んでいました。今思えば、それすらも相手の手のひらの上と言うことでしょうか。三人に命を助けていただいた上には、汚名を返上したいと思います。手伝っていただけますか」


「!?」


 三人は驚いた顔で僕を見ます。


「今度は僕が出陣します。陣容はスザク五千、シュザク五百、そして率いるのは僕と、オウブさん、チョカイさん、ギールさんです。敵総大将の首はギールさんに任せます」


「はっ!!」


「準備を大急ぎで済まして下さい。国境でお待ちします」


「はっ!!!」


 三人が力強い返事をしてくれました。




 僕はクザンにスザクの手配をしてもらい。

 移動魔法で国境に移動しようとした。

 でも、邪魔が入りました。

 フォリスさんが同行するということです。


「アスラ様はアズサになって下さい。影武者はクザンに任せます」


 国境に到着した時には、僕はアズサになり、フォリスさんはフォルスになっています。

 クザンの見た目は魔王のようにしました。

 スザク達は、真っ赤な鎧で統一し、国境に整列しています。


「お待たせしました」


 三人の将がそろい、進軍を開始します。

 ゆっくり徒歩で進軍します。

 敵の斥候が、走り去るのを何度も見ましたが、そのままにしました。

 敵にしっかり準備をしてもらいたいと思います。


 四日後に巨大な焼け跡が見えてきます。

 火計の跡ですね。大勢の魔王軍を飲み込んだ忌々しい焼け跡です。

 その向こうに、敵軍が見えてきました。

 旗印は、天帝の騎士団。約六万というところでしょうか。


 左翼にオウブさん、中央にギールさん、右翼にチョカイさん。

 三人には、それぞれ千五百人のスザクを率いてもらいます。

 天帝の騎士団は布陣も終わり、迎え撃とうと準備万端です。


 こちらの布陣も終わりいよいよ開戦です。


「準備はいいですか?」


 フォルスさんが三人に聞きます。


「おおーーっ」


 三人が答えます。

 フォルスさんは手を高く上げます。

 巨大な金色の魔法陣が浮かび上がります。


 ガアアアーーーン


 金色の龍のような稲妻が天に昇りました。


「うわああああああーーーーーーああ!!!!」


 三人の将が声を上げ、突撃を開始しました。

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「頑張って!」


と思ったら


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。

面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!


ブックマークもいただけると本当にうれしいです。

何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ